レクサスLBXは、とかく匿名掲示板やヤフコメで執拗に叩かれています。
まるでLBXに両親が全財産を奪われて、貧しい生活を強いられ進学もままならずに両親を過労死させられてしまった過去がある方々が日本にはたくさん居るのではないかと思わせるような叩かれ方です。
それは何故なのかということを考察してみたいと思います。
乗用車には永年に亘って培われたヒエラルキー(階層、階級)が存在します。
メーカーや車種によって車格の優劣が定められています。
優劣については特定の誰かが定めているわけではなく、本に書かれているものでもありません。
たとえば、車線変更の時に自分より車格が上の車には
車線を譲らなければならない。
しかし自分より車格が劣る車種が車線変更しようとしても
入れなくてもいいといった、どこにも書かれていないルールがあります。
「は?そんなの知らないよ!聞いたこともない!」と仰る方もたくさんいらっしゃるでしょう。
そんなこと意識したこともないと確信している方でも、知らず知らずにそのヒエラルキーに従っているのです。
たとえば、車1台しか通れない細い道で、対向する車と鉢合わせをすることは誰にでもあると思います。どちらか一方が待機するなり、待避場所が近くにあれば移動する、あるいはバックする必要があるのですが、自分のが車格が上だと思う車は道路状況などお構いなしにどんどん前に突っ込んできます。
「お前が下がったほうが早くすれ違えるだろうが!」という場面でも車格が上だと自覚した車はどんどん前に来ます。
「テメぇ、この野郎!」と心で思っても「チッ!」と心で舌打ちしながら下がってすれ違いさせてあげた経験は多くの方にある経験だと思います。
しかし、自分のが明らかに車格が上であるにも係らず、車格が下と思われる車がどんどん前に突っ込んで来ると「こいつ何考えてんだ?信じられねえ!」と烈火のごとく腹が立つはずです。
それがヒエラルキーです。
かつては高性能至上主義、すなわち「パワーこそ正義」の時代でした。
速い車が偉い、遅い車は劣るという単純なヒエラルキーで平成20年頃まで続きました。
それがハイブリッド車の台頭により、「別に速くなくてもいいんじゃね」とヒエラルキー革命がおこりました。
そのヒエラルキー革命によって「高価でデカい車至上主義」が始まったのです。
今の世の中を見渡してみてください。
メルセデスSクラスやBMW7シリーズに乗る人が大幅に減りました。
その代わりに増殖したのがアルファードです。
というよりかつてメルセデスやBMWのフルサイズセダン、クラウンやセンチュリーに乗っていた方々がアルファードに乗り換えているのです。
かつて20年前のアルファードは新車価格フルオプションでも400万円程度でしたが、今やフルオプションだと軽く1000万円に到達します。
なんでアルファードがそんなに大人気なのでしょうか?
セダンよりアルファードのが乗り降り楽だし、ゆったりしてるもん。
アルファードだと対向車が道譲ってくれるもん。
アルファードだと強引な運転しても煽られないもん。
アルファードだと
クラクション鳴らせば誰も文句言わないもん。
そう、これもヒエラルキーの成せる技です。
日本では、
高価でデカい車が威張れる社会と言えます。
「自車より安くて小さい車に乗っている奴は、俺より貧乏人だから俺のが偉い!」
そう考えているヒエラルキー信者が極めて多く、自車より車格が劣る車をバカにして自らの優位性を誇示しようとする習性があります。
これは日本独自のヒエラルキーであり、差別や偏見でもあります。
欧州では「セグメント」という自動車のカテゴリー分けがあります。
明確な取り決めや指針があるわけではなく、全長サイズによって大雑把にCセグメントとかEセグメントと呼んでいます。
セグメントには横幅や全高の規定はなく全長だけでカテゴリー分けをしています。セダン、SUV、ミニバンでもすべて全長しか見ません。
日本には軽自動車という特殊なAセグメントカテゴリーが存在するので、Bセグメントは軽自動車の次にダサくて貧しい車格だと思われがちです。
そのBセグメントに位置するヤリスクロスをブラッシュアップしてレクサスブランドを纏ったのがLBXです。
そしてLBX開発に当たって、LBXはBセグメントであるにも係らず「高級車のヒエラルキーを変える」とレクサス開発陣は言ってしまいました。
これによって、古来ヒエラルキー信者(以下「信者」と言います)に反感を抱かれてしまいました。
信者が乗っている車より車格が下になるはずのBセグメントの車が「高級車のヒエラルキーを超える」と謳ったことは、彼らの強い反感を生み、感情が「粗探しと批判」に傾倒していくら悪口を言っても気持ちが収まらないようです。
毎日LBXの記事を見つけては、
匿名で批判と嘲笑を繰り返す事態となっています。
つまり信者は、自車よりダサいと確信しているBセグメントの車が偉そうなこと言ったのが許せないのでしょう。
「お前が俺より上だと宣言したことは絶対に認めないし、絶対許さない!」
ということです。
「いやいや、そんなこと誰も言ってないから」と突っ込んでも無駄です。
そもそも高くてデカい車が上だと言うヒエラルキー自体が夢想であり思い込みだからです。
しかも、LBXは発売と同時に最上級グレードのみ販売しているゆえ、上位車種CセグメントのUX300hのベーシックグレードより販売価格が高くなってしまっているので信者たちの批判に拍車がかかる状態です。
「Bセグメントの癖に
俺の車より高いなんて決して許さない!
匿名掲示板とヤフコメで毎日批判してやる!」
もはや怒れる信者を誰も止めることは出来ません。
あぁ、なんて恐ろしいのでしょう。
レクサスLBXは、信者のタブーを冒してしまったのです。
このようにしてLBXは、毎日不特定多数の信者から叩かれています。
信者たちの地道な活動によって、LBX購入を翻意した方もたくさんいらっしゃるでしょう。
こんなに尋常じゃないほど叩かれているLBXの購入を躊躇するのは当然です。
もうLBX購入は諦めて、LBXに価格が近くてデカいクラウンスポーツを買う方が良いのでしょうか?
いやいやクラウンスポーツは、クラウン保守派に毎日叩かれているので安泰ではありません。
誰からも叩かれずに
ヒエラルキーの頂点に立ちたいならアルファード/ヴェルファイア、もしくはランドクルーザー300/レクサスLXです。
もっとお金があるならメルセデスGクラス、レンジローバースポーツ、もしくはポルシェカイエンに乗るのがベストです。中古車でも全然OKですよ。
え?そんなに大きいの乗りたくないって?
何言っているんですか?
そんなこと言ってると毎日ヤフコメと匿名掲示板で叩かれる車を買うことになりますよ。それでもいいんですか?
そう、そんなのどうでもいいのです。
ヒエラルキーなんて一部の人の思い込みに過ぎません。
「匿名で放たれた罵詈雑言」と「ご自身の感性」、
どちらを信頼するべきでしょうか?
それは、言うまでもありませんね。
ただヒエラルキー信者は、世の中に確実に数多く存在します。
怖いですね~。そこで信者の見分け方を特別にお教えします。
デカい車でクラクションをやたらに鳴らす人、それが信者です。
危ないので応戦するのはやめましょう。