電気自動車(=BEV)には大いに興味があります。
今回はバッテリー式電気自動車(以下
「BEV」と言います)の話題です。
BEVの補助金も非常に魅力です。
ガソリン入れずに走れる乗用車!なんて素晴らしい。
私もいつかは乗ってみたいなと思います。
でもすぐにBEVには乗らない。
いや、怖くて乗れないのが本音です。
BEVの何が怖いのかまとめてみました。
1.充電問題
電欠が普通に怖い。
電欠してレッカー車のお世話には絶対になりたくありませんので、自家用車として普通に普段遣い出来る自信がない。
「充電して走って蓄電量が減ったらまた充電すればいい。それだけだよ。」とEVに乗っているEVパイセン(戸建住まいの先輩)は言います。
ガラケーもスマホもタブレットもイヤホンも、私は常に満充電でないと安心出来ない性分です。
常に満充電の安心感がないと存分に使う気が起こりません。それ故に充電器も充電ケーブルも普通の人の3倍は持っています。
モバイルバッテリーも確か8個くらいは持ってます。
それで初めてガジェットとして成り立つのです。
しかし私にとって電気自動車は、
充電器がない最新スマホと同等の存在です。
どんなに素晴らしい画質や最新コンテンツがあろうとも、充電器がないスマホを使いこなす自信はありません。
もし私の自宅が戸建ならV2H充電器を設置するでしょうけど、妻と2人暮らしの私の人生に戸建という文字は
永遠にあり得ません。
もちろん近隣に充電スポットはありますしディーラーもありますが、毎日お店や他人の軒先で充電しなければ使えないスマホが嫌なのと同様で、現時点でBEVは購入する気になれません。
どこに充電スポットがあるのか、そこは急速充電なのか普通充電なのか、コストはいくらかかるのか、いつ混んでるのか、いつ空いているのか、そこだと充電に何時間かかるのか、すべて把握するのも大変です。
街中のあらゆる場所に充電スポットが設置される未来も現時点では想像出来ません。それ故に私がBEVを買う未来も全く想像出来ません。
しかし、家庭用コンセントで充電したバッテリーを装着すれば100km程度走行が可能になる
応急用ビルト(プラグ)イン式バッテリーが実現したらBEVは一挙に身近になると思いませんか?
電動自転車のバッテリーみたいなイメージで応急用バッテリーをビルト(プラグ)イン装着して100Km走れるようになるなら様々な不安は一気に解消します。
技術的にそれほど難しいことではない筈ですが、何故ビルト(プラグ)イン式バッテリーが開発されないのでしょう?
これさえあれば、万が一の電欠があっても対処可能ですし、緊急時に充電スポットが満員でも何とかなります。
ドラえもんへのお願いはこのくらいにして現実に戻ります。
2.駆動用バッテリー諸問題
BEVはお隣の経済大国で作られる駆動用バッテリー(以下
「BAT」と言います)に不安があります。
●BATが劣化して交換する時に、費用がいくら必要なのかハッキリしない。
概ね40~60万円と言われてますが本当かウソかも検証できない。
手間かけて真剣にやれば各車種ごとに調べられるでしょうけれど、
もっとオープンに情報開示して欲しいと言いたいです。
●BAT耐用年数が正確に予測できない。当たり外れもまだまだ多い。
概ね6~8年と言われていますが本当かウソかも検証できない。
●航続距離がまだまだ足りない。満充電で1000Kmは走って欲しい。
概ね400~600Kmと言われていますが気温や天候でも変動する。
●Li-ion BATは必ず劣化する&生産国に対する不信感が強い。
●Li-ion BATは不安定なので災害(水害等)で燃えちゃう可能性があって怖い。
●全固体電池が実用レベルになるまで静観したい。
BAT交換費用は、各メーカー各車種ごとにいくらかかるか明確に分かるようにして欲しいものです。
「大とろ握り(時価)」とメニューに書かれていたら手を出さないのが人情です。貧乏な奴と評さるかもしれませんが時価なら要りません。でもそれが普通じゃないですかね?
ましてや散々痛い目に遭ってきた(隣国製の粗悪品を数多く購入してきた体験から)隣国を今さら信頼しろと言われてもそれは無理な話です。
BEVの救世主と期待されている全固体電池も実際どうなるか分かりませんが、もし実用化されたなら、高くてもそっちがいいというのが本音です。
3.中古車としての価値が不安(現状は再販困難)
●新車1200万円のテスラ モデルSの6年落ちが300万円以下で販売中。
●新車400万円の現行型リーフ Gの5年落ちが90万円以下。
●新車1000万円のメルセデスEQCの4年落ちが460万円以下。
●新車500万円のBMW i3の9年落ちが110万円以下。
利益乗せた中古車販売価格がそれなら下取or買取はいくらなんだ?
おそらく販売価格の60~70%だと思われますが、そりゃそうでしょ。
中古車は補助金もないしBAT交換時期も近づいているから不安増大となるばかり。財布にも厳しいので中古BEVを買いたがる人は少なくて当然です。
4.補助金は魅力だけど、よく考えてみると全然得じゃなくない?
BEV補助金は国と自治体併せて130万円以上出ます。(自治体によって異なる)
それに対してガソリン車、ディーゼル車、HEV(ハイブリッド車)は補助金が出ません。
しかしBEVは販売価格が高いです。
具体例を挙げてみます。
●レクサスUX HEV 565万円 BEV 705万円 (価格差140万円)
●プジョー208 ガソリン 318万円 BEV 469万円(価格差151万円)
●ボルボ XC40 HEV 529万円 BEV 699万円(価格差170万円)
●メルセデス GLA 599万円 BEV 782万円(価格差183万円)
●BMW X2 598万円 BEV 742万円 (価格差144万円)
意外にBEVと併売されるモデルが少ないので、世間ではあまり割高と気付かれていませんが、BEVは総じて通常モデルより140~180万円ほど高いです。
結局、補助金が出てもガソリンやディーゼル、ハイブリッドよりもBEVは補助金総額より高いので買得感は全然ありません。
それなら電欠の不安もなく実用的なHEVが選ばれるのが自然の流れでしょう。
5.BEVって実は全然環境に優しくないのでは?
「EV先進国」と言われるノルウェーは、2022年における自動車販売台数の88%がEV・PHEVです。しかしそれは内燃機関自動車に高額な税金を課して、EV・PHEVには購入補助金だけでなく様々な税制優遇措置を与えてきたから。
ノルウェーは石油生産量は世界第12位、天然ガス世界第8位の化石燃料産出国であり、国内の電力は自国の豊富な水力発電でまかなっているため、産出した化石燃料の大半を輸出して儲けています。
自国をクリーンにするため二酸化炭素・窒素酸化物を世界にばら撒いて儲けたお金で、自国ではEV補助金として配布するサイクルが浮き彫りになって来ました。
つまり自分の家のゴミを他人の家にばら撒いて、自分の家を綺麗にして満足しているようなもの。
オーロラの国、ノルウェーの美しさをよそに炭素ばら撒いて維持されていると考えると寂しいものがありますね。
どこが脱炭素なのかとノルウェーは世界中で批判され、今後は補助金削減などEV推進策を緩めることになると見込まれています。
日本では電力発電の70%以上を火力発電でまかなっています。
二酸化炭素を排出して発電した電力でBEVを充電して、脱炭素と言えるのでしょうか?ノルウェーと似たような話ですね。
そしてBEVの廃BATはさらに環境に厳しく、コバルトやニッケルなどの重金属、土壌や水や空気に汚染を与えるマンガンが含まれています。
また廃BATが劣化して膨張や液漏れが発生すると毒性の高いフッ化水素等の有毒物質が発生します。
つまりBEVの廃BATはむしろ環境毒になると言えます。
自分が数年乗ったBEVの廃棄BATが、もしかしたら環境に毒を与えると知ってしまったら怖いです。
廃棄BATの専用処理施設やリサイクル施設で処理されているから大丈夫という見方もありますが、自分が乗っていた車の廃BATに限って、悪徳処理業者が個別に不正廃棄をしてしまうかもしれません。
そんな事考えても仕方ありませんが、考えてしまうとモヤモヤしてしまいます。
より一層、廃BATリサイクル処理の規模が拡大してくれることを望みます。
まとめ
このように怖いこと、不安なこと、不便なことがたくさんのBEVですが注目度は高いのは間違いありません。
日産アリアを筆頭に、魅力的な車種もたくさんあります。
もしも日産アリアにハイブリッドがあれば、現状の5倍は売れていた(生産できたかどうかは別として)と思いますが、日産はアリアをBEV一本で発売しました。
メーカーとしての英断は素晴らしかったと思います。
第2の日産アリアを目指してbx4x/ソルテラも発売されましたが、トヨタはKintoのみ発売と、まだインパクトが弱いようです。
スバル ソルテラは一般販売されていますが、広告にも力を入れておらずあまり売る気がない(売れると思っていない)模様です。
私にとってBEVはまだまだ遠いところにあるので、想いを馳せるに留まっていますが、アリアに勝るとも劣らない魅力的な車種がどんどん開発されて、より近づいて来て欲しいと思います。
プラグインバッテリーとか本当に開発して欲しいと真面目に思ってます。