納車されて間もない新型ステップワゴン(RP8)にDIYでシラザン50重ね塗りキットを施行しました。数年後にコーティングを再施行する時のために、ベストプラクティスと失敗談をまとめます。
コーティング当日の流れ
シラザン50の薬剤(A液、B液、硬化促進剤)は混ぜると結晶化が始まるため、混合開始から24時間以内にコーティングの施行を終わらせる必要があります。また、施行が終わってから表面硬化が完了するまでの数時間は、施行不良が起きるため水分が厳禁です。更に、コーティングの作業直前に、
洗車・乾燥・イオンデポジット除去・脱脂の4つの工程を行う必要があります。
よってシラザン50の施行には、雨もなく風もない曇りの一日を選び、朝から作業を開始して、日が暮れるまでに作業を終了するのが良いです。また、作業場所としては、「高圧洗浄機による手洗い洗車」と「洗車機による機械洗車」の両方ができ、十分な拭き上げスペースのある洗車場を選びます。
ステップ1 予洗い
(蛇口を必要としない)フォームガンと筆などを利用して洗車機が苦手とする細部の汚れ落としを行った後、すすぎと洗車傷の最小化を兼ねて高圧洗浄機で車全体の水洗いを行います。
なお、ここでいう細部とは、ステップワゴンの場合は次を指します:
(フロント)
グリル、ヘッドライト周辺(ボンネットを開けないとアクセスできないい部分も含む)、ロアグリル、フォグライト周辺
(サイド)ドアミラー周辺、ドアハンドル、スライドドアレール、ドアステップ(要ドアの開閉)
(リア)エンブレム類、リアステップ(要バックドアの開閉)
ステップ2 機械洗車
信頼できる洗車機の泡洗車コースで車を洗います。シラザン50に付属する、脱脂効果のある洗車用シャンプーで手洗いするのが理想ですが、ステップワゴンのような大きなミニバンをまるごと手洗いして乾かすというのはそれだけでも大きな時間と手間がかかるので、ここはしっかりと手を抜きます。多少の洗車傷はつくでしょうが目を瞑ります。ただし、洗車機のシャンプーに脱脂効果は期待できないため、その代わりにステップ5の脱脂の作業はしっかりと行います。
ステップ3 拭き上げ
車全体をしっかりと乾かします。洗車機のブロワーが大体の水分を飛ばしてくれるおかげで、手洗い洗車してから乾かすのに比べるとずいぶん作業は楽です。シラザン50の施行には水分が大敵なので、充電式ブロワーやツイストパイル織りの大きなタオルなどもうまく使って、ここの乾燥の工程は特に念入りに行います。タイミングが合えば、乾燥がひと段落したらお昼休憩を取るのも良いです。時間が経ったり車を走らせたりドアやドアミラーを開閉したりしないと落ちてこない水分がどうしてもあるので、昼食後にそれを拭き取ればさらにしっかりと車全体を乾燥させることができます。
注意 これ以降のステップでは、私は次の二点を必ず守ることにします(妻との約束)。
まず、ゴム手袋と不織布マスクの着用が必須です(肌に付着したり吸引したりすると人体に有害な成分を使うため)。次に、作業に使用したクロスなどは全て廃棄処分します(再利用しようとすると家に臭いが残るため)。車の中に臭いが残ることも防ぐためには、作業後のクロスなどを密封できるビニール袋なども必要です。
ステップ4 イオンデポジット除去(上記注意参照)
シラザン50のイオンポジットクリーナーを正しく使います。
1. 水を入れたバケツ
2. 濡らしてかたく絞ったクロス
3. 乾拭き用のクロス
の3つを用意して、
① 2のクロスにイオンポジットクリーナーをスプレー
② 施行箇所を2のクロスで水拭き
③ 3のクロスで乾拭き
④ 2のクロスをバケツで水洗い
の手順を繰り返して水垢を除去していきます。④の工程は、クリーナーの濃度が必要以上に高くなってしまい施行箇所に白く残るのは防ぐために有効です。また、コツは次の通りです:
1. バケツの水が濁ってきたら小まめに取り替える。なので、蛇口が遠ければバケツは2つあった方が楽です。
2. 水拭き用のクロスが汚れてきたら別のクロスに取り替える。
3. 乾拭き用のクロスが濡れて拭き筋が付いてきたら新しいクロスに取り替える。
このイオンポジットクリーナーは諸刃の剣で、ボディやウインドウについた軽い水垢汚れを効果的に落とす代わりに施行箇所に油分を付着させてしまうため、この後の脱脂の作業が重要になってきます。なお、説明書通りに施行しようとするとこの後にもう一度洗車しないといけなくなりますが、時間と労力の問題で現実的ではないと考えたので、洗車はスキップします(ここもしっかりと手を抜きます)。
ステップ5 脱脂(上記注意参照)
ソフト99のシリコンオフを使って、コーティング施行箇所の脱脂を行います。薬剤をスプレーして塗り広げるためのクロスと乾拭き用のクロスを別々に用意しておくとスムーズに作業が進みます。ステップ4と同様に、クロスは新しいものに適宜交換します。なお、シラザン50付属の脱脂剤(小瓶に入ったアルコール)もありますが、車全体を脱脂できるほどの力はありません。
ステップ6 シラザン50でのコーティング(上記注意参照)
ここまで来たらあと一息です。シラザン50は「スプレーして拭くだけ」とは言うものの、施行不良を防ぐためには、そこに至るまでの下準備を注意深く進める必要があります。コーティング用のクロスと乾拭き用のクロスを別々に用意して、必要なら新しいクロスに適宜交換しながら、拭きムラができないように十分注意をしてコーティングしていきます。
失敗談
1. イオンデポジットクリーナーの付けすぎはヤバい
イオンデポジットクリーナーを、シュアラスターのゼロクリーナーのように思って大量に使って施行したら、乾燥して白い跡が残って水で流しても取れなくなってしまったため、かなり焦りました。全部取り切るために何度も洗車をする必要がありました。
2. ステップワゴンってこんなにデカいの
前に乗っていたクロスオーバーSUVの時は、洗車バケツに乗ればルーフの全面に手が届いていたのですが、ステップワゴンは車高が高く、そのやり方だとルーフの中央部分に手が届きませんでした。そこで、ホームセンターで洗車台を急遽購入することになってしまいました。また、洗車からコーティングまでの一連の作業が、単純に車の表面積が大きいという理由で、思っていたよりかなり大変でした。
3. 除去しきれなかった窓ガラスのウロコ
元々はシラザン50を窓ガラスにも施行しようと思っていました。しかし、新車だからとタカを括ってシュアラスターのストロングリセットで簡単に取れると思っていたら、ウロコが想定以上に頑固で、予定時間内に綺麗に取り切ることができませんでした。そのため、窓ガラスへのシラザン50の施行は泣く泣く諦めました。
4. 手磨きで取れなかった洗車傷
納車時から洗車傷がありました。直射日光の下ではよく見え、夜のガソリンスタンドの明るいLED照明の下では目を凝らすと見え、曇りの日や日陰では全く見えないレベルの洗車傷でした。特に、ピアノブラック塗装が施されたピラー部分の洗車傷が気になったため、ソフト99のコンパウンドやシュアラスターのスピリットクリーナーダークで手磨きしたのですが、うまく取り切ることができませんでした。この程度の洗車傷なら、コーティングをすれば隠せるのでは?という期待を抱きつつシラザン50(重ね塗りキット)を施行しましたが、施行した日に同じ環境で確認したところ、残念ながら洗車傷の見え方に特に違いは感じられませんでした(若干見えづらくなったかな?程度)。
5. 傷つけてしまったフォグライトまわりの無塗装樹脂
納車時からヘッドライトの汚れが気になっていたので、コーティング施行前にシュアラスターのゼロリバイブでピカピカにしました。その流れでフォグライトにもゼロリバイブを使ったのですが、フォグライト周りの無塗装樹脂を避けきれず、よく見ると分かる白い傷をつけてしまいました。今回シラザン50は無塗装樹脂には施行していないので、シュアラスターのレジンコーティングなどを使って後日綺麗にしようかなと思っています。
6. なんか頭が痛い気がする
シラザン50にはマスクが付属していますが私にはサイズが合わなかったため、マスクなしで一連の作業を行いました。屋外で施行していたものの、特に(ソフト99のシリコンオフを使った)脱脂の作業中から少し気分が悪くなって来ましたが、もう後には引けないと思い最後まで突っ走ってしまいました。せめてマスクをちゃんとするべきでした。ちなみに、シラザン50にはマスクの他にゴム手袋も付属していますが、こちらもサイズが合わない場合があるので事前確認した方が良いです。
7. 洗濯機が臭くなっちゃった
コーティングに使ったクロスは全て廃棄したのですが、イオンデポジット除去と脱脂に使ったクロスは再利用しようと思い、水洗いしてから洗濯機にぶち込んだところ、洗濯機からドライクリーニング的な臭いがするようになってしまいました。洗濯機用の漂白剤で洗濯槽を丸洗いしても臭いは取れません。幸い洗濯物に臭いがつく訳ではないのでとりあえずはなんとかなっていますが、妻を悲しませてしまい本当に反省しています。日々の洗濯で徐々に臭いが取れていくことを祈っています。
Posted at 2023/12/22 20:36:00 | |
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