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頑固一徹カズですのブログ一覧

2008年06月22日 イイね!

徳さんとメルセデス談義

徳さんとメルセデス談義徳さんとメルセデス談義その1~

昔昔、徳さんとメルセデスに関する対談をしました。
その時の原稿をブログで使わせてもらいます。
ちょっとだけアレンジしてますが。



清水:マイバッハの話からしましょうか。100年前のブランドを引っ張り出してきたというのは凄いですね。
徳大寺:凄いね。マイバッハというのはダイムラーの草創期に活躍したエンジニアの名前だよね。
清水:ちょうど100年くらい前のエンジニアでしょ。カール・ベンツ、ゴットリープ・ダイムラー、ウィルヘルム・マイバッハですよね。
徳大寺:マイバッハはエンジニアだった。メルセデスというのはイルネックというパトロンの次女の名前。長女はサーシャという女の子でね、この名前も使ってたのよ、メルセデスは。でもこれが売れなくて、で、結局、メルセデスの方が売れた。
清水:カール・ベンツは、実際になにをやっていたのかなあ。
徳大寺:カール・ベンツは最初、ダイムラーのライバルだよね。で、ベンツという会社とダイムラーという会社が、1926年に合併したんだよね。
清水:じゃ、マイバッハというのは当時、どっち側にいたんですか。
徳大寺:ダイムラー側にいたんだ。
清水:それで、当時12気筒を出した。
徳大寺:エンジン屋さんとして優秀だったんだよね。あのツェッペリンのエンジンはほとんどマイバッハが設計したと言われている。
清水:あと航空機のプロペラとか。当時は天才技師だったんですね。
徳大寺:だね。
清水:マイバッハというクルマも実際にあった。戦前に。それは、もう超スーパー高級車だった。
徳大寺:あのオペルがね。当時のマイバッハ1台買うと、300台買えたというくらいなもんですよ。
清水:ダイムラーが出してきたというのは「世界一」は誰かを教えてやろうというわけですかね。エンジンが12気筒ターボで、500馬力でね。徳さん、どう?
徳大寺:うん、やたら凄いね。
清水:ショーファーですよね。
徳大寺:そうそう、62はねえ、終始運転手がついた。で57は運転したけど。
清水:ドライブフィールというのはS600に似ているのですか?
徳大寺:似ているんだけど、基本的な違いは、バカバカしいほど安定感があるというか、Sクラスが、ちょっとね、おもちゃに見えてくる。
清水:ヘーっ。ライトウエイトに見えちゃうんだ。
徳大寺:うん。だから、200キロというスピードがね、ホント200キロっていう感じ。メーターを見ちゃうって感じ。おれ、あんな高速安定性のいいクルマ乗ったのは初めてだ。
清水:FRですよね。2輪駆動。
徳大寺:まったくの2輪駆動。Sクラスには今回、4輪駆動出しましたけどね。
清水:メルセデスの高級車というのは、どういう風に理解すればいいんでしょうかねえ。
徳大寺:あのねえ。メルセデスは生産が100万台になったでしょ。だから、当然、高級じゃなくなるってことをメルセデス自身が凄く恐れているんです。
清水:たくさん売れることでね。
徳大寺:でも、その100万台は崩したくないわけですよ。そうすると、本当の高級とか、上澄みの人たち、それも離したくないんで、マイバッハを、ということ。だから、いま本当の高級車って、ロールスとマイバッハ、あとベントレーかな。
清水:本当の高級の世界っていうのは、ボクら、かいま見ることができないし、でもやっぱりショーファーなんだろうね。
徳大寺:やっぱりそうでしょう。で、しかも、マイバッハというのは時代を凄く意識しているね。たとえば、我々が乗ったマイバッハ、もちろんオプションリストにはあるんだけど、パーテイションがないのよ。パーテイションがないってことが凄く大事なことでね。現代は後に乗っている人と前に乗っている人と、人種が違わないという意識ですよね。

清水:昔は違ったから、パーテイションつけてた。サーバントだもんね。
徳大寺:でも、そういう時代じゃないんだってことをメルセデスがいちばん意識しているんじゃないかな。それは大したもんだな、と思う。ボクの横に座ったフッバートさん(乗用車担当役員)との話でも、これ、どんな人に売るって聞いたらね。いま、運転手と後に乗る人が同じ人種だからね、たまたまお金をもっていた人が後に乗るけど、それは昔のセブンパッセンジャーなんかとは違うと思うと、でもオプションではそういうのもあるんだよって言っていた。我々には1回も見せなかったけど。
清水:そうすると、パーソナルっていうか…。
徳大寺:おれの理解だと、中小企業で成功したオヤジとか、そこみたいだね。
清水:土日にゴルフに行くときは前に乗るとか、わかりやすいね。これ年間、何台くらい売るんでしたっけ。
徳大寺:えーとね、とりあえず、1000台。これ1000台は売れると思うね。世界中だからね。日本の割当が80台でしょ、年間。


清水:昔、ベンツのSクラスが高級車だなんて思ってたけど、上には上があるもんだということだよね。
徳大寺:だから、高級の概念が違ってきたよね。
清水:徳さん。昔、メルセデスっていうのは、「高級は性能だ」って言っていたじゃないですか。その辺はどうですか。
徳大寺:やっぱりメルセデスの高級というのは、高性能っていうのが売りだったよね。
清水:それはスピードが出ることが高級ってこと? ドイツ人らしいね。
徳大寺:だからアウトバーンで、抜かれないというのがメルセデスの高級の証だったんだよね。
清水:抜かれたら、高級じゃないのね。
徳大寺:だから、どんどんエンジンのキャパシティを大きくしてさ、最大6・9リッターまで行ったでしょ。だけど、いまはそんなこと出来なくなってきたから。燃費が一方であるから。それでも、あれはツインターボだからなあ。
清水:トルクが800ニュートンメーターなら十分だよね。
徳大寺:オレ、試乗会で燃費を知りたかっただけどさ、教えないんだよね。
清水:S600と同じエンジンだから。ボディが違うだけだから、そこそこなんじゃない。でも、燃費なんて関係ないっていったら、関係ないね。ところで、技術的になにか感心したことってあります?。
徳大寺:ひとつはブレーキだね。凄い。これは本当に凄いねえ。200キロから2回やったんだけど、それ以上やると危ないから、やめたんだけど、200キロから100キロに落ちるスピードは本当に凄い。ハンドリングはちょっと重い感じがするな。
清水:音とか振動とかは、トヨタよりいいんですかねえ。
徳大寺:音振は凄く静だ。
清水:トヨタなみ?
徳大寺:ぼくがトヨタを上回ると思うのはねえ。ハイスピードなとき。100キロまではトヨタの方がいい。セルシオっていうのは、160キロくらいになると結構うるさいからねえ。エンジンの音やなんかが、それから駆動系のドラミングも感じるしね。
清水:高速ではトヨタに勝っているわけですね。
徳大寺:プロペラシャフトの回り方なんて、本当に芯が出ているなあという感じですよ。
清水:じゃ、完全バランスみたいなんだ。微動だにしないっていうやつですね。当然、乗り心地もしっかりしていて。
徳大寺:乗り心地はすごくいいね。だって、2トン近くあるわけでしょ。それにしちゃ軽いんだよな。ぼくは軽いと思ったよ。ホイールベース3メートル40センチだもんね。

Posted at 2008/06/23 03:37:15 | トラックバック(0) | 日記
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