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2013年01月17日 イイね!

NAVIアーカイブ(2006年1月26日発売3月号)心を入れかえたか否か Ford EXPLORER XLT

NAVIアーカイブ(2006年1月26日発売3月号)心を入れかえたか否か Ford EXPLORER XLTNAVIアーカイブ(2006年1月26日発売 3月号)
2)心を入れかえたか否か
Ford EXPLORER XLT

タイプ:オンデマンド4WD[アクティブ型]
トランスファー:電磁クラッチ



 フォードに搭載される“コントロールトラック”は、センターデフの代わりに電磁クラッチによりトルクを配分するオンデマンド型の4WDシステムだ。ドライバーは状況に合わせて“オート”“ハイ”“ロー”の3モードから4WDの振る舞いを選択することができるが、ほとんどの状況はオートでカバーできる。オートでは、通常時はすべてのトルクを後輪に伝達するが、スロットルペダルの踏み方や前後車軸の回転差などを1秒間に50回チェックし、必要に応じて前輪にもトルクを配分する。ハイとローは前後車軸を直結状態にして走破性を高めるモード。ローを選択すると副変速機によって2.48倍に減速される。

@本文@
◇横転が教えた教訓
 数年前に横転問題で話題になったフォード・エクスプローラーは、心を入れ替えて新開発されているのだろうか。雪道なので横転はまず心配ないが、開発コストが安い昔のトラックベースで作られていたエクスプローラーが最新型でどこまで進化したか、興味深い。
 ファイストーンとフォードが引き起こした横転問題は、タイヤとクルマの双方に問題があったようだが、その話題がクローズアップされていた98年のパリサロンで、フォードのCEOであったジャック・ナッサー氏主宰の晩餐会に参加したことがあった。
 フォードジャパンの広報ウーマンに背中を押され、ナッサーCEOに突撃インタビューを行った。「横転事故はクルマの技術的な問題が大きいと思うが、御社は技術的にどのような対策をするのか?」。彼はオーストラリア訛りの英語でまくし立てた。「ロールオーバーを防止できる画期的なアイデアを用意しています」と話していた。
 この時にナッサーCEOが語った画期的なアイデアとは、メルセデスが考案したESPのことを指していた。もともと高速の安定性を高める装置として生まれたESPを横転防止に役立たせようとしているのであった。メルセデスの初代Mクラスも同様の考えを持って登場し、今後、背の高いSUVには不可欠な技術になるだろうと思ったのを覚えている。
 エクスプローラーの横転問題以来、アメリカ政府は本腰を入れて事故再発防止に乗り出した。NHTSA(全米ハイウェイ道路交通安全局)は、2000年に乗用車やライトトラック(SUV)に対し、横転のしやすさを示すスタビリティファクターを公開する意向を表明し、警鐘を鳴らした。スタビリティファクターは、正面から見たときのクルマの重心点とタイヤの接地点を結ぶ三角形の角度(タンジェント)で規定される。NHTSAでは01年モデルから指標を5段階に分け、1つ星から5つ星まででレイティングして公表している。1つ星ではクルマが横転事故を起こす可能性が40%以上、5つ星では10%以下と規定された。
 これで十分というわけにはいかない。実際の事故はもっとさまざまな要因が複雑に絡み合うからだ。15年くらい前から本誌DSTでは、こうしたテストを繰り返してきたが、車両の安定性は、単純な重心だけでは割り切れない。横転のしやすさは、実際には重心点だけではなく、サスペンションの幾何学的なロールセンター(ロールする中心)の高さや、タイヤの性能にも深く関係する。さらに、ユーザーが標準装着とは異なるタイヤを装着した場合、どこまでメーカーが保証するかという問題もつきまとう。アメリカでは、地方によってはリ・トレッド(再生タイヤ)が使われていたりするし、空気圧が適正でない状態で使用された事故も少なくない。
 とはいえ、政府がいち早く動いたおかげで、ユーザーの意識が高まり、メーカーの対応も迅速に行われた。かくして失敗から多くのことを学んだフォードは、同社の基幹車種であるエクスプローラーを一から見直し、徹底的に安全なSUVの開発に力を注いだようだ。
◇先入観を捨てる時期
 先にボルボの北欧生まれらしいことを見せつけられたが、エクスプローラーが生まれたミシガンの冬も、大量の雪こそ降らないが、寒さは北海道級だ。この地で生まれたエクスプローラーはボルボと同じように雪に強いSUVなのであろうか。興味を持ちつつエクスプローラーのステアリングを握った。
 まず、フロントウィンドウの大きさに対して、ワイパーで拭き取る面積が小さいことが気に入らない。走り出すと、ロードホールディングがすばらしい。路面との接地感がステアリングホイールから伝わってくるのだ。タイヤが地面に吸い付き、しっかり踏ん張っている感じがする。さらに、ボルボと同じようにブレーキはしっかりと利き、ABSのチューニングも悪くない。ロール・スタビリティ・コントロール付きアドバンストラックと呼ばれる安定装置には、ナッサー氏の公約通り、横転防止を可能とした電子制御も含まれている。タイヤが滑る前の領域での安心感も高い。
 サスペンションは適度にしなやかで気持ちよく走れる。快適性はボルボやメルセデスMLより上だ。ハンドリングはボルボ以上メルセデス以下。ちょうど2台の欧州車の中間だ。価格は2台の欧州車の半分ということを考えると、十分に納得できる。
 トラクション・コントロールをオフにすると、なんとオンよりも速く走れた。までるBMWのハンドリングが乗り移ったような印象だ。フォーカスと同種のDNAを感じた。ボルボはアンチスピンデバイスが必須だったが、エクスプローラーはボルボよりも基本性能が高かった。
 雪道でも高速でも安心感と快適性が備わり、価格もリーゾナブルなエクスプローラーは、今回のテストした9台の4WDのなかで、最も賢い選択と言えるかもしれない。アメリカ車はヘボという先入観は捨てる時期にきているようだ。

<タイム>
ESP ON 44秒53
ESP OFF 42秒79
4WDモードHIGH 44秒32

参考サイト SYE清水和夫主宰 
Posted at 2013/01/17 10:48:37 | トラックバック(0) | クルマの安全 | 日記
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