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2013年01月21日 イイね!

NAVIアーカイブ(2006年1月26日発売3月号) (3)見え隠れする出自 VolvoXC90TE


NAVIアーカイブ(2006年1月26日発売3月号)
(3)見え隠れする出自 VolvoXC90TE

ボルボXC90トップエグゼクティブ
タイプ:オンデマンド4WD[スタンバイ型]
トランスファー:ハルデックス

 先代のV70 AWDではビスカスカップリングを用いた通常のオンデマンド4WDを採用していたボルボも、現行V70やこのXC90といった最新モデルでは同じオンデマンド4WDながら、電子制御方式を採用、確実に進化を遂げている。ビスカスの代わりにトルク伝達の役割を果たすのは、ボルボと同じスウェーデンのメーカー、ハルデックス社製のハルデックス・カップリング。優れたレスポンスを誇るのが特徴で、前輪のホイールスピンをセンサーが感知すると、瞬時(タイヤ1回転未満)に後輪へトルクを配分し、トラクションを確保することが可能。一方、左右のトルク配分はTRACS(トラクションコントロールシステム)により制御。ホイールの空転をブレーキにより抑えることで、反対側へのトルク配分を増やす。なお、システムは電子制御であるが、基本的には前輪のスリップを感知して初めて後輪にトルクを配分するため、スタンバイ型に分類できる。

@本文@
◇一番寒い北欧でなぜ4WDが主流にならない?
 1997年、ボルボとして初の4WDをV70に設定した。しかし、それは北米のスノーベルト地帯で売るために設定したのであって、本国用には今でも4WD車の必然性をあまり感じていないようだ。
 アウディ・クワトロが注目されるようになった1990年代初め、スウェーデンの自動車関係者に、「雪に閉ざされた長い冬を過ごすのに、スウェーデン車はなぜFRにこだわるのですか?」と質問をしたことがある。「4WDがまだ特殊なクルマであると認知されていると同時に、FRでもそれほど不自由を感じていないから」という答えが返ってきた。
 北欧には山岳路が少ないことや交通の密度が低いこと、道路自体もゆったりと整備されていることなど、そう答える理由はいくつか考えられる。今でもスパイクタイヤを使えるということもあるだろう(ドイツは70年代、日本は93年に禁止)。しかし、最大の理由は、極寒の北欧が、その“寒さ”ゆえ、日本の雪国などよりもよほど走りやすいということだろう。
 我々は、北国の道路というと、雪に覆われた山岳路やミラーバーンと呼ばれる極めて滑りやすい路面の北海道や東北を思い出す。実はその日本の北国の道路環境は、世界一厳しいのだ。
 北欧の冬の路面温度は常にマイナス10度以下だ。そこまで低温になると、路面の摩擦係数は返って高まる。冷凍庫の内壁に手を入れると皮膚がくっついてしまうのと同じ。ところが、氷が溶け始める0℃近辺の温度は、表面に水分がつき、驚くほど滑る。水割りの中の氷をつかむのが難しいのと同じだ。極端な言い方をすると、極低温ではサマータイヤでもグリップするという、我々の常識では考えられない路面状況になるからこそ、北欧のクルマは冬にFRでも活躍できるのだ。
 また、こんな理由も聞いたことがある。もしAWDが普及すると、たとえば深夜に隣街まで行く途中にコースアウトすると、FR車ではレスキューできないということ。人里離れた場所で脱出できないと、寒さのために死を覚悟する場合もあるそうだ。
◇極寒の地出身者(車!?)の面目躍如
 そうはいっても、普通のFRで雪道を走るには、なんらかの工夫が必要になってくる。北欧で生まれ育ったボルボには、雪道を安全かつ快適に走るノウハウが、DNAとして継承されていると私は考えている。
 今回テストしたのは、見るからにアメリカ人が好みそうな大型SUVのボルボXC90TEだ。ヤマハ製V8エンジンを搭載したこのSUVは、間違いなくプレミアム路線のSUVだ。こんなビッグパワーのSUVは、雪道ではじゃじゃ馬だろうと思っていた。ところが、とにかく乗りやすいことにまず驚いた。その理由はどこにあるのだろうか。
 ボルボは全車に共通して、スロットル・ペダルのストロークが非常に長い。当然、スロットル全開にするまでに時間がかかるので、サーキットなどではイラつく(私はせっかちなのだ!)こともあるが、滑りやすい路面では、このストロークの長さは幸いする。より微妙なスロットルコントロールをしやすいからだ。こういう些細なところに雪国育ちのDNAが見え隠れする。
 少し荒っぽくスロットルを扱っても、安定性に関する基本性能は非常に高い。ちょっとやそっとの出来事では、進路が乱れないのだ。ボルボの安定装置VSTCは、ステアリングを切ったりスロットルを多めに踏んだりすると、早めにエンジンを絞る。タイヤが滑る前に制御を介入させるという万全な安全思想を感じる。多少お節介な感じだが、ボルボは世界的に女性ドライバーの比率が高いので、サバイバル環境が厳しい欧米ではありがたいかもしれない。
 たとえば、アウディはドライバーとクルマの一体感をできるだけ高めるという、ボルボと正反対の思想で安全を成立させようとしている。どちらも超一流の思想家だ。
 ところで、XC90にVSTCは不可欠だ。V8のパワーは雪道には余りある。このエンジンが吠えたらどんなタイヤも滑りを止めることはできない。その一方で、2210kgの巨漢にもかかわらずブレーキは結構止まる。今回のテストで実感したのは、重いクルマは路面とタイヤの接地荷重が大きいため、予想以上にブレーキ性能が高かったということ。雪道のように慣性が大きくはたらくほどではない速度域では、“重いクルマは止まりにくい”という常識は通じないようだ。
 パワーステアリングは軽いが、手応えはしっかりある。アメリカ向けとはいえ、さすがに洗練された欧州車だ。
 XC90はカウボーイ相手のクルマであるが、全体のバランスが人間を安心させてくれる。厳しい環境で生まれ育ったボルボは、北欧育ちの面目躍如といったところか。実用的な領域をよく知っているのだろう。
 最後に雪のジムカーナを報告しておく。VSTCをオフにすると、ヤマハのV8が目を覚ます。どう猛な猛獣に遭遇した感じだ。スロットルを踏みつけると、巨漢は全身を身震いさせて、暴れ始める。ユーザーは雪道ではくれぐれもVSTCのスイッチに手を触れないでほしい。

<タイム>
VSTC ON 43秒69
VSTC OFF 44秒08


Posted at 2013/01/21 21:45:12 | トラックバック(0) | 日記
2013年01月21日 イイね!

目の毒です〜和子ママの割烹着


これ、やばいッス!病みつきになりそうw

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Posted at 2013/01/21 21:40:16 | トラックバック(0) | クルマの安全 | 日記
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