2009年05月23日
緑鮮やかな府中の杜を彩る乙女たちの競演。今年は近年でも屈指の好メンバーが集い、レベルの高いレースが期待される。桜の女王ブエナビスタの二冠達成が成るか、それとも珠玉の切れ味を誇るレッドディザイアが雪辱を果たすのか、あるいは新星の誕生か? 初夏の風を受けて華麗に舞う3歳牝馬たちの姿は必見となるだろう。
上がり3ハロン33秒3(推定)の末脚で桜花賞を制したブエナビスタ(牝3・松田博資)。二冠目を目指して府中の杜に登場する。単勝オッズ1.2倍の圧倒的支持を受けた桜の舞台は、直線で大外に進路を取り、前を行く馬を並ぶ間もなく差し切るという、まさに圧巻の内容だった。安藤勝己騎手をして「精神的にどっしりしているし、折り合い面に何の問題もない」と言わしめた逸材だ。距離延長は歓迎のタイプだけに、5連勝で“樫の女王”に輝く可能性は非常に高いと見るべきだろう。3歳の春にして、早くも歴史的名牝の風格すら備える馬。果たしてどんなパフォーマンスを披露してくれるのか、注目を一身に集める。
桜花賞でブエナビスタに食い下がった末脚が実に印象的なレッドディザイア(牝3・松永幹夫)。キャリア3戦目での内容としては秀逸で、前途は洋々だ。結果2着とはいえ勝った馬は別格の存在。父がマンハッタンカフェで距離延長は大歓迎、脚質から広い府中コースも追い風になりそうだ。レース経験が浅いだけに、伸びしろは非常に大きいはず。ライバルは強力だが、この馬の資質もかなり高く、逆転の可能性は十分に残されている。
東の期待馬ディアジーナ(牝3・田村康仁)。早くから桜花賞をパスして、オークス一本に狙いを定めてきた。前走のフローラSでは好位追走から危なげなく抜け出して、クイーンCに続く2度目の重賞制覇を達成した。また、昨年暮れの500万下、ひいらぎ賞(中山・芝1600m)から5戦連続連対中の安定感には高い評価が必要だろう。東京の芝コースは3戦2勝3着1回と、コース適性も申し分ないものがある。相手は強力だが、2400mは願ってもない舞台。好位から長く良い脚を使える強味を活かして、女王の座に挑む。
桜花賞3着のジェルミナル(牝3・藤原英昭)。上位2頭が強すぎた感じだが、この馬の末脚も目を引くものがあった。ブエナビスタとの対戦成績では劣勢だが、牡馬を相手に500万下の黄菊賞(京都・芝1800m)を勝ち、フェアリーS優勝の戦績は胸を晴れるもの。福永祐一騎手は「桜花賞の内容なら、距離延長も大丈夫でしょう」と前向きなコメントを残しており、東京・芝2400mも対応できそうだ。藤原英昭厩舎3頭出しのエース格的存在が、息の長い末脚を武器に女王の冠を狙う。
ワイドサファイア(牝3・藤原英昭)は、前走のフローラS2着でオークスの優先出走権を獲得。まだ1勝馬で、やや勝ち味に遅い点はあるが、相手なりに走れるタイプ。牡馬相手の毎日杯(7着)でも、勝ち馬との差は0秒3とわずかだった。馬体を併せる形になると持ち味が存分に活きる馬。多頭数でこの勝負根性は強味になるはずだ。コース経験の利もあり、軽くは扱えない存在になるだろう。
4戦2勝のハシッテホシーノ(牝3・手塚貴久)は、前々走で当該コースの500万下(東京・芝2400m)を勝利している点が大きなセールスポイント。この時は牡馬を相手にしての快勝だから、なおさら価値が高い。その後はオークスに目標を絞り、リフレッシュ休養。復帰戦のフローラSで3着に入り、優先出走権を獲得した。デビュー以来、馬体が減り続けており、当日の馬体重には注目が必要だ。スタミナは十分で、追ってから長く脚を使える馬だけに、強豪を相手に回しても、魅力溢れる存在と言えるだろう。
ジェルミナル、ワイドサファイアとステイブルメイトのブロードストリート(牝3・藤原英昭)。オークストライアルのスイートピーS(東京・芝1800m)を快勝して優先出走権を獲得した。馬場の中央を力強く伸びてきた末脚は見事なもので、まだまだ強くなる印象を感じさせた。前々走の忘れな草賞(阪神・芝2000m)は脚を余しての2着だけに、まだ底を見せていない。兄のフィニステールは青葉賞で3着に好走と、血統的にも2400mは歓迎だろう。未知の魅力あふれる1頭だ。
桜花賞と同じ日に阪神競馬場で行われた忘れな草賞を制したデリキットピース(牝3・鹿戸雄一)。これで通算成績は2戦2勝。レースキャリアは浅い馬だが、センスの塊のような存在だ。難なく好位を奪える器用さがあり、スピードも十分で、追ってからもしっかりしている。前走時は、長距離輸送が影響してか、体重が大きく減少(マイナス12キロ)していたが、今回は関東圏でのレースでもあり、馬体の回復は見込めるだろう。まだ全貌を現していない東の新星、いやがおうにも期待は高まる。
3番人気に支持された前走の桜花賞で8着に敗れたダノンベルベール(牝3・国枝栄)だが、この時は1枠1番からのスタートで馬場の荒れたインコースを通ったことや、阪神競馬場に入厩してからテンションが上がってしまった影響もあったようだ。阪神ジュベナイルフィリーズ2着の実績があるだけに、前走の敗戦だけで見限るのは早計だろう。東京の芝コースは〔1・1・0・0 〕と好相性。母系には長距離系の血も流れており、まだ巻き返しの余地は残されている。
武豊騎手との新コンビで登場するツーデイズノーチス(牝3・斎藤誠)。桜花賞ではキャリアの浅さを出してしまった印象だが、内枠で終始馬場の荒れたところを走った影響も少なからずあったようだ。素質の高さは、前々走のアネモネS(中山・芝1600m)快勝で証明済み。大駆けの可能性を秘めた馬である。
サクラローズマリー(牝3・友道康夫)は、前走のスイートピーSで勝ったブロードストリートの上がり3ハロンタイムを0秒1上回る、この馬自身33秒7(推定)の末脚を発揮して2着に入り、オークスの切符を手中に収めた。牝馬にしては恵まれた馬体から繰り出す追い込みは迫力十分。左回りコースはスムーズで、〔1・1・0・0〕と、まだ底を見せていない面があり、上位食い込みがあっても驚けない。
桜花賞を12着と大敗したヴィーヴァヴォドカ(牝3・勢司和浩)だが、前々走でディアジーナを退けてのフラワーC優勝の実績が光る。まだレースキャリアが浅く、もまれた場合は心配だが、すんなり逃げる形になれば、上位進出可能な能力を秘めている。父がダンスインザダークで母の父がトウカイテイオー。府中のクラシックディスタンスを乗り切るだけの血統背景があるだけに、まだ見限れない。
他にも、ファンタジーSの勝ち馬イナズマアマリリス(牝3・松元茂樹)などが、虎視眈々と上位進出を狙っている。
(片野昌一)
1 01 マイティースルー 牝3 55.0 小野 次郎 東 大久保 洋吉
1 02 パドブレ 牝3 55.0 西田 雄一郎 東 相沢 郁
2 03 レッドディザイア 牝3 55.0 四位 洋文 西 松永 幹夫
2 04 ヴィーヴァヴォドカ 牝3 55.0 村田 一誠 東 勢司 和浩
3 05 ダノンベルベール 牝3 55.0 後藤 浩輝 東 国枝 栄
3 06 フミノイマージン 牝3 55.0 太宰 啓介 西 本田 優
4 07 ブエナビスタ 牝3 55.0 安藤 勝己 西 松田 博資
4 08 ディアジーナ 牝3 55.0 内田 博幸 東 田村 康仁
5 09 ルージュバンブー 牝3 55.0 田中 勝春 西 佐藤 正雄
5 10 ツーデイズノーチス 牝3 55.0 武 豊 東 斎藤 誠
6 11 イナズマアマリリス 牝3 55.0 武 幸四郎 西 松元 茂樹
6 12 ダイアナバローズ 牝3 55.0 角田 晃一 東 小笠 倫弘
7 13 ブロードストリート 牝3 55.0 藤田 伸二 西 藤原 英昭
7 14 ジェルミナル 牝3 55.0 福永 祐一 西 藤原 英昭
7 15 ハシッテホシーノ 牝3 55.0 松岡 正海 東 手塚 貴久
8 16 ワイドサファイア 牝3 55.0 岩田 康誠 西 藤原 英昭
8 17 デリキットピース 牝3 55.0 柴田 善臣 東 鹿戸 雄一
8 18 サクラローズマリー 牝3 55.0 三浦 皇成 西 友道 康夫
今年のオークスはブエナビスタの2冠が濃厚ムードです(^v^)まあ、ここは2着争いが激化しそうなので、少ない点数で馬券GET!といきたい所ですが、明日の東京はあいにくの雨予報です。特にブエナビスタは雨が顔にかかるのを極端に嫌うらしいです。雨なら大荒れになる可能性もありますので、天気や馬場も気になる点です。いちおは、良馬場を見込んだ予想を記載します。
では、過去の傾向を探ります!
08(35.9-38.4-38.8-35.7) 2.28.8 トールポピー
07(35.2-36.7-37.6-35.8) 2.25.3 ローブデコルテ
06(34.7-35.8-39.5-36.2) 2.26.2 カワカミプリンセス
05(38.9-39.4-37.9-34.4) 2.28.8 シーザリオ
04(36.6-38.1-37.5-35.0) 2.27.2 ダイワエルシエーロ
オークスは昔から、軽い馬を狙え!という格言があります。これは、ほとんどの馬は2400mという距離は初体験なわけで、東京コースの長い直線勝負になると、特に牝馬の場合、大きい馬格がキレ脚を殺ぐという訳です。
この格言の例外に当たる2006年のケースは、第6ハロンまでの時計が70.5秒と異常な程の速さで、上がりが掛かる勝負!カワカミプリンセスが大得意の必勝パターンでした。これだけ、前半の時計が速ければ、上がりのキレ脚勝負にはなりません。
2006(1~3着馬の馬体重)
1着カワカミプリンセス(484キロ)
2着フサイチパンドラ(494キロ)
3着アサヒライジング(488キロ)
2000年のケースでは、桜花賞馬のチアズグレイスの馬体重が490キロで2着でしたが、この時の走破タイムは2.30.2と重に近かった稍重の馬場が影響しての事。
実は過去10年で3着以内に入った480キロ以上の馬は上記の4頭だけ。その他では、1999年3着のプリモディーネの476キロ。2005年2着のエアメサイアの470キロ。
極端に前半の時計が速く、上がりの掛かるレースや重馬場などでキレ脚が殺がれるレースにならなければ、470キロ以上の馬体があると苦戦すると思われます。
今回の該当馬(前走の馬体重)
・ヴィーヴァヴォドアカ 480キロ
・サクラロ-ズマリー 478キロ
・ツーデイズノーチス 480キロ
・ディアジーナ 484キロ
・ハウオリ 482キロ
・パドブレ 490キロ
・マイティースルー 480キロ
・レッドディザイア 478キロ
・ワイドサファイア 470キロ
今年は非常に該当馬が多く、人気のディアジーナ、レッドディザイアは危険と思われます★
逆に、2006年のようなラップでヴィーヴァヴォドカがレースを作れば、ブエナビスタを筆頭とした、キレ脚タイプの馬が苦戦する可能性もあり、ここは安藤騎手の腕の見せ所でもあります。
レース展開は、ヴィーヴァヴォドカが逃げレースを作ると思われます。調教もテンからガンガン飛ばしてましたから、向正面の坂の下りまでは思いっきり逃げる戦法で2007年のケースに酷似しそう。展開的には、先行集団でヴィーヴァを追走した馬は前半で脚を使ったぶん最後の直線の坂で垂れそう。この展開でいったなら、あきらかに差し馬有利。道中に脚を溜められてコースロスのない内枠を追走できたら理想でしょう。
◎ブエナビスタ
桜花賞前は、持ち時計が平凡でスローからの瞬発力勝負ばかりしてきたが、流れが速くなった桜花賞を4コーナー16番手から差し切った能力には脱帽!安藤騎手が1番不安視していたマイルでの速い流れも克服。今後、マイル路線は走る事はない!と断言したのは、道中に息が入る2400m戦などの瞬発力勝負では絶対の自信があるからと思われる。今後のプランで行くと、ガチンコ勝負になりやすい天皇賞(秋)2000mでは苦戦するかもしれないが、2200m以上のレースでは、破格の強さを見せると思われる。極端な重馬場にならなければ2冠は濃厚で、ここは本命!!
◎レッドディザイア
上記に記載した馬格のある馬に該当!桜花賞は外差しが効いた馬場の恩恵、外枠、展開の恩恵があっての好走と見る。キャリアが3戦という事で今回フルゲートの2枠3番は、馬込みに揉まれる可能性があり、当馬の気性からいくと不安もある。四位騎手の乗り方を推測すると、最後は外に回しての瞬発力勝負に持ち込むだろうが、コースロスをするに加え大きな馬格がキレを殺ぐというパターンも考えられる。ここは消しで!
◎ディアジーナ
当馬も上記に記載した馬格のある馬に該当!明日はヴィーヴァに付き合うとテンで脚を使い、最後のおつりがなくなる可能性がある。下げて競馬をしてもキレる脚は皆無なのでそうは信用出来ない!母父は短距離血統で、2400mは長いと見て消し!
◎ジェルミナル
桜花賞で見せた末脚はここでも驚異!これといったプラス材料もないが、マイナス材料もほぼなく勿論馬券圏内!!押さえは必要!!
◎ダノンべルベール
桜花賞では伸びない内を通り、1.0秒差に食い下がったのは立派!!末脚も確実で、コースロスの少ない内枠に入ったのは幸い!今回長距離輸送がない関東圏での競馬で巻き返しは確実で相手候補1番手!!
◎母父サンデーサイレンス
ルージュバンブーとデリキットピースが該当!!2頭共、時計的な価値はないのだが、馬券は押さえる必要はある!デリキットピースは、オークス馬アドラーブルの姪で、ホワイトマズル×SSは、ダービー2着のアサクサキングスと同配合!
◎ハシッテホシーノ
レースを見ると、エンジンがかかるのが遅いタイプ!!雨でも降れば1発あるかもしれないが、ここは消しで!新馬戦で、上がり33.9の脚を使っているが、53キロの斤量にこの時、三浦騎手はまだ減量騎手だった!
◎ブロードストリート
何と言っても、中2週での再度長距離輸送がネック!!忘れな草賞は、騎乗ミスから脚を余しての2着!!あの位置からの追いこみは立派!!スイトピーSでは、2着以下を子供扱い!!極端に馬体減りをしていなければ、相手候補2番手!!
馬券はブエナから、ダノン、ブロード中心に絡める予定です。
Posted at 2009/05/23 20:40:33 | |
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