測定データを見ればわかるようにしておいたつもりなんですが、
文章で はっきりとは書いてませんでしたね😜
無効時間言っても時間じゃなくて、噴射量を測ります。
体積は精密測定がめんどーなので、重量を測って密度で換算してます。
インジェクターパルス幅2msecでの噴射量と
インジェクターパルス幅10msecでの噴射量を
測ります。
都合によって3msecと20msecでも、なんでもいいので、パルス幅ごとの噴射量を2か所以上測ります。
短い側は直線性が得られる範囲でなるべく短いパルス幅がいいわけですけど。
電圧8Vとかまで低くすると2msecでは全開していない感じがあります。
1回だけ噴射しても噴射量の測定は無理ですから、
500回とか1000回とか噴射します。
そしたら、1回噴射あたりの噴射量に換算します。
パルス幅と噴射量をグラフにします。
3点以上の測定をしても、実験がうまくいっていれば、一直線上に並ぶはずです。
(この直線を書くための最低2点の測定です)
しかし、この直線は原点Oはとおらずに 噴射量0のときのパルス幅が正の数になるはずです。
コレが
いわゆる無効噴射時間。
ジムニの測定値集計 (再掲)
燃圧を変えると傾きが変わる
電圧を変えると切片が変わる
追記 (2020.9.25) ーーーーーーーーーーー
これは、
電気を流し始めても、すぐにはインジェクタが開かないのと、電気を切ってもすぐには閉じないので、通電時間と噴射量が正比例になるように補正するための数字になります。
詳しくは、
開き始めの方は、
コイルが磁化する時の遅れ、
プランジャがリターンスプリングに打ち勝って動いて全開になるまでの時間、
弁が開いて燃料が一定流量になるまでの時間。
(具体的な数値は1.2〜1.5msecくらいのことが多いようです。)
閉じ側は、
電気を切ってから、コイルの磁気が消失するのにかかる時間、
プランジャのリターンスプリングが燃料の圧力に打ち勝って全閉するまでの時間。
(具体的に閉じ側の遅れについて書かれた資料は見たことが無い。。。実験もちょっと難しい。。。)
開き閉じ側両方とも中途半端に開いている時の流量特性などによります。
プランジャーには燃圧がかかっているし、
コイルにかかる電圧は、始動時とかでは低いため、
磁力も弱く開くのに時間がかかります。
もしインジェクタの設計時に
開き側と閉じ側の特性を揃えることができたなら
無効噴射時間がゼロなインジェクタというものもありそうですが、
現実には開き側の方が閉じ側よりもいろいろ時間がかかるようで実現できそうにないです。
インジェクタ内のプランジャーにかかる燃料の圧力は燃料リターン式のシステムでは、吸気圧力によって変動します。
どんなしたってエンジン始動時のバッテリー電圧は、エンジン回転中の発電電圧よりも低いです。
条件を一定に揃えることができないので、
インジェクタごとに特性を測定し、ECUで補正して使うというのが必然なんでしょうね。
また 例えば、
無効時間が0.7msecと求められたとして、通電時間を0.9msecにしたとします。
この場合、補正計算では0.2msec分の燃料が噴射されることになりますが、
実際には、通電時間0.9msecではプランジャーが動き始めてなかったりするため、
噴射量はゼロかもしれません。
また通電時間を1.2msec(全開する時間)としたとします。
この場合、補正計算では0.5msec分の燃料が噴射されることになりますが、
実際には、0.9msec後にやっと開き始めていたりするとすると
1.2msecまでは開いていく過程なので、全開時の1/2程度の流量しか出ないんじゃないかな。
とすると、0.5msec分よりもずっと少ない0.15msec分とかの噴射量になっているものと思われます。
これらから、
昔から言われているように、
"噴射時間は2msec以上になるようにする。"
ということなんでしょうね。
LINK G4では、
この短い噴射時間のところで、さらに補正する機能
Inj 短パルス幅追加テーブル = Injector short pulse width adder table
っていうのがありますね。
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某メーカー極秘資料は2msecと20msecのデータでした。
グラフが出てくるのでどうしても算数用語を使わないと書きにくいですね。
Posted at 2020/09/25 14:23:08 | |
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