
街でちょっと古いユーノス・ロードスターに出会いました。
ダークブルーのボディーカラー、アイボリーのインテリア。
これってもしかしたら
M2の1002?
道路脇にちょこんとさりげなく停めて。幌は下ろしたままで。あの頃憧れたあのままの姿で。
確か100台余りしか生産されなかったはずです。
同じM2の1001とは異なりエンジンには手を加えられていませんが、内装はとびきり上等に仕上げられて。
でも本当に1002だったかな~?もっとよく見ればよかったんですが。リアプレートとかも見ておけばよかったのに…。
ロールバーは元々無いはずだし…。東京のディーラーで1002の内装使って限定販売された"TOKYO LIMITED"かもしれない。
いずれにせよ貴重なクルマに会ったと思っています。
私が乗っていたのも、これと同じロードスターのNA6CE型でした。
ロードスターは、発表されたときからもう一目惚れ。こんなクルマが手の届く価格で出るなんて…センセーショナルでしたね。
その頃イギリス贔屓だった私にとって、その後追加されたタン色内装と革シート、ナルディのウッドステアリングとウッドシフトノブを採用したVスペシャルは、まさにこれしかないという仕様でした。
モーターショーで展示された車両を食い入るように見つめたことを今でも想い出します(^^;)。
そしてついに購入。ミニバンや軽自動車しか売れない今のクルマ状況では信じられないことですが、その頃ロードスターは大ヒットし、道を走っていると頻繁に出会いました。
イギリスのライトウェイト・スポーツカーに憧れていた私は、もちろんVスペシャルをベースによくあるパターンでプチドレスアップです。
幌をベージュのものに換装し、ウッドパネルを付け、メーターパネルもクラシックに、メッキパーツを付け、ミラーはもちろん砲弾型…(^^;)
オープンにしてドライブすることがとても楽しく(その頃は花粉症も発症しておらず^^;)、夏の暑い中でも冬のスキーでも息苦しいトンネルの中でも開放的なドライブウェイでも、一生懸命カッコつけて乗っていました。
会社帰りの夜遅くに幌下ろして軽く流して帰れば、一日の疲れはたちまちどこへやら、でした。
このクルマには色々教えてもらいました。
○軽量であること
○MTであること
○FRであること
○オープンであること
○そしてシンプルであること
が、いかに楽しいことか(^^)。その当時でさえ既にローテクなクルマでしたが、それであるが故に価値が光るというクルマでした。
林望先生のエッセイ
「テーブルの雲」の中でこのクルマについて書いている「やせ我慢の理由」の一節をご紹介します。
「私がこういう車を買ったについては、その『性能』を買ったのではない。『快適な居住性』を求めたのでもない。いわば、それによって幻の自分を、見果てぬ夢を、手に入れたのである。」
「ホントは、広々とした青天井のもと、気持ちのよい外気に顔をなぶらせながら、小さな車を思いのままにくるくると操縦してみたいのではないか。そのためには、色々な不便や性能の不充分なんかちょっと我慢したっていいじゃないか。」
「私は、やせ我慢してユーノス・ロードスターに乗る。そうすると、わざとこういう不便な車を作ったマツダの技術者たちに喝采を送らずにはいられないのである。」
いつかまたこの世界に戻りたい…。もちろんそのときに感じたことを味わうことはひょっとしたらもう出来ないかもしれません。
でもいつかはまたもう一度、所有してみたいですね。
Posted at 2008/08/23 00:15:22 | |
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