トヨタと富士重工の提携が本格的に始動し、今日
正式発表がありましたね。いよいよ来るべきときが来たという感じです。具体的な施策は以下となっています。
1)
トヨタは富士重への出資比率を引き上げ(8.7%→16.5%)
2)
小型FRスポーツ車をトヨタと富士重が共同開発
3)トヨタから富士重へ小型車をOEM供給
4)ダイハツから富士重へ軽自動車と『クー』をOEM供給
5)
国内の販売体制の再構築
6)
富士重は軽自動車の開発・生産から撤退
大体予想されていた線ではありますが、6)は大変残念です。
以前トラヴィックに乗っていた縁が元で妻が現在プレオに乗っており、スバルの軽自動車には馴染みがありました。今後R1、R2というようなスバル独自の個性派軽自動車が出てくることがなくなってしまう訳です。
経営的にはその方が効率いいのでしょうが、クルマ好きにとっては選択肢のバリエーションが減り似たクルマが増えてしまうことはとても寂しい。
3)4)によりスバル販売店のラインナップもトヨタ・ダイハツ系の車種が多くなり、今まで水平対向エンジン・4WDをセールストークとしてきた営業マンも複雑でしょう。5)販売網再編でそれどころではないかもしれませんが。
スバルのコア・コンピタンスは水平対向エンジンと4輪駆動にある訳ですが、その独自技術が諸刃の剣になっているような気がします。
元々富士重はGMと提携していましたが、このときも目立った提携効果は挙げられませんでした。その原因の一端として、水平対向エンジンと4輪駆動の独自性によりGMグループへのシャシーの提供・共有化が困難だったことがあるということを聞きます。
結局それはサーブにインプレッサを供給しただけで失敗に終わります。
逆に国内販売にGMグループのオペル・ザフィーラをトラヴィックとして導入した試みもありましたが、これもスバル独自性に固執し販売に意欲を見せなかったのが主因(色々原因はあると思いますが、ディーラーとメーカーのそんな姿勢が最も問題だったと思っています。クルマはよかっただけに…)で失敗に終りました。
で、GMと別れトヨタとお付き合いとなりましたが、スバル自身が変わらない限り同じ轍を踏むことになるのではと危惧しています。
販売の前線が変わらなければ、トヨタ・ダイハツのOEM車はトラヴィックと同じ扱いになるのではないでしょうか。
また2)の小型FR車開発も水平対向エンジンということでスバルの独自性をトヨタが尊重した形となっていますが、これが失敗に終るとスバルの独自技術も認められなくなり全面的にトヨタが主導する1ブランドになるのではないでしょうか。
トヨタディーラーでもこれが売られトヨタディーラーで水平対向エンジンのメンテナンスをするのも現場では抵抗感ありそうで不安材料ですね。
(というか、これ水平対向・FRというコンセプトの意義が自分にはよくわかりません…)
結局スバル自身が自らの存在意義を水平対向エンジンと4輪駆動にのみに求めそれに固執するならば、グループでのシナジー効果を余り求められないようなブランドになるか、もしくはそれではグループに入る意味が少ないので全く単独に細々としかし一部マニアに強烈に支持される形で生きていくか、どちらかしかなくなってしまうんじゃないか、と思ってしまいます。
一体スバルはどこへ行くんでしょうか…
もちろん私は独自性高いスバルは大好きで今回の提携をうまく活かし光るメーカーになってほしいという思いはあるので、頑張ってほしいです。
Posted at 2008/04/11 01:42:14 | |
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