91年の「ジロ・ディ・イタリア」は、世界のロードレースファンが予想だにしなかった
結果となった。
それまでプロとして輝かしい成績を上げたことのないフランコ・キョッチョーリが総
合優勝したからだ。しかも、31歳とキャリアの終盤にさしかかった選手だっただけ
に、誰もが信じられない思いだった。
キョッチョーリは8人兄弟の末っ子で、小さい頃、勉強が嫌いでサッカーと自転車
レースが大好きだった。家が貧しく、息子が町のクラブで自転車を始めたときも、
父親は野良仕事の働き手が1人減ることになるので、いい顔をしなかったという。
18歳のとき腎臓の病気になり、2年間自転車に乗ることができずに左官屋で働い
たが、病気が治ってからまた自転車を始めた。そして82年にプロ入りした。
40~50年代に活躍した伝説的英雄ファウスト・コッピに顔がすごく似ていたので、
“コッピーノ”(コッピの子供)とデビュー当時から呼ばれたが、エースになったことは
一度もなかった。しかも無口で内向的な性格で、自転車に関しては異常なほど神
経質だった。レース直前でもメカニックにパーツの交換や調整を要求した。こうした
ことがどのチームでも問題になって、10年間で7回もチームを移った。
貧しい家庭に生まれた元左官屋のチャンピオン。
今の選手の多くはジュニア時代からセミプロのような生活をしてるから、こんな例は
最近ほとんどない。
Posted at 2008/05/21 01:50:22 | |
トラックバック(0) | 日記