正の整数とその演算 ペアノの公理に出てくるのは数とよばれる定義なしの元の集合 N および数の間の定義なしの2項関係 s とである:x s y は“x は y の後継者である“と読む。公理は次のとおりである:
(1) N は 1 s x が N のどの x に対しても成りたたないような数 1 を含んでいる。
(2) x∈N ならば y s x であるような N の元 y が1個あって、ただ1個に限る。y は x の後継者とよばれる。
(3) y s x, y' s x' で、y と y' が同じ数ならば、x と x' は同じ数である。
(4) (数学的帰納法原理)G が N の部分集合で、(i) 1∈G、(ii) x∈G、y s x なら y∈G、であるときは、G=N である。
どの数の後継者も一意にきまるのだから、x の後継者を表わすのに S(x) という記号を定めてもさしつかえない。S(x) は N で定義され、その値が N のなかにある1価関数である。換言すれば、前述の意味での N から N の中への[公理(1)により N の上へのではない]写像である。