
今年2月、都内でフェラーリジャパンが主催するクラシケのイベントがあった。クラシケとは、生産から20年以上が経過したフェラーリ車の認証プログラムで、簡単に言うと血統書みたいなものを発行してもらう&そのレベルまでレストアするサービスだ。カーセンサーとかでフェラーリの中古車を検索すると、たまに「クラシケ取得済」みたいな文言が入っている個体があると思うが、まさにあれは、「この車両はフェラーリ本社がそのコンディションを認めたものですよ」という証明になり、その分車両価格も高くなる。私の348も年式的には20年どころか30年落ちなので、当然クラシケの申込対象車となり、このイベントへの参加を許されたわけだ。とはいっても、会場に車で来ることは許されず、地下鉄と徒歩で参加した。
会場に車を停められるのは、参加者の中でも選ばれた人(車)のみ。古くは365GT 2+2から、ディーノ、デイトナ、BB、そしてテスタロッサや、新しいものでいくと612スカリエッティや430スクデリア、そしてエンツォまでの歴代スペチアーレと、とにかく豪華なラインナップだった。348もtbが一台あり、そのコンディションは自分のGTSと比べてもかなり良さそうだった。そうした参加車は既にクラシケ取得済のものもあり、我々地下鉄勢は寒空の下そんな極上のマシンと、暖かいカフェで振舞われるイタリアンランチを楽しみながら、「あなたの車もクラシケ取得しませんか?」というプレゼンテーションを拝聴した。
とにかく、曲がりなりにもフェラーリオーナーになり、初めて公式イベントに参加できたので、とても良い経験だった。ただやはり参加者様のエレガントな感じというか、お金持ち感というか、住む世界が違うなと感じた。プレゼンでは、「クラシケは50万〜数百万円の非常にお手頃な値段で取得できます」的なニュアンスだったが、私にはたとえ50万でも払うのは難しい。実際の内容を考えると確かに50万は安いが、それよりも日々のメンテや故障に備えて置いておきたい。その点で、考え方の違いがあると思った。参加者へのアンケートで、普段自分のフェラーリにどのぐらいの頻度で乗るかという質問では、半年〜一年に一回、年間走行距離数百キロという方が多かった。半年で2000km走った自分は、彼らの10年分は乗っていることになるかもしれない。「乗る」ためのフェラーリか「持つ」ためのフェラーリか。クラシケは後者の方のためのサービスだと思った。
Posted at 2025/07/28 07:17:17 |
トラックバック(0)