
今朝のニュースを見ていると、
「大谷翔平の活躍に世界がかたずを飲んだ!」
「ドジャース優勝で世界が熱狂!」
──そんな見出しが並びましたね。
確かに、大谷選手は素晴らしい。
彼のプレーには、スポーツを超えた美しさがあります。
でもふと冷静に考えると、「世界がかたずを飲んだ」って本当でしょうか?
⚾ アメリカではNFLが王者
実はアメリカで一番人気のスポーツは、アメリカンフットボール(NFL)なんです。次にバスケットボール(NBA)、そして野球(MLB)はその次あたり。
つまり、ドジャースの優勝や大谷選手の快挙が「全米が涙した」みたいに語られるのは、ちょっとオーバーな表現なんですね。
もちろん大谷選手は間違いなくスターですが、
アメリカの人たちにとっては「数あるヒーローのひとり」という感覚に近いのかもしれません。
🌍 「世界」という言葉のマジック
日本の報道ではよく「世界が驚いた」「世界が注目」と言いますが、実際の“世界”って、けっこう狭いんです。
欧州ではサッカーが圧倒的で、クリケットが人気なのはインドやパキスタン、イギリスなど限られた地域。
だから「世界が熱狂した」と言っても、実際はアメリカと日本が盛り上がっていたというのが正確かもしれません。
🪞 アメリカの物語を借りて、自分を語る(借景報道)
日本のスポーツ報道には、少し面白い特徴があります。
それは、アメリカの舞台を借りて“日本の誇り”を語るということ。
「世界に認められた日本人」
──この響きが、なんとなく嬉しいんですよね。
だから私たちは、アメリカの大舞台を“借景”として見ているのかもしれません。
まるで、外国の美しい景色の中に自分の車を置いて写真を撮るように。
🎌 文化の日だからこそ考えたい
文化の日は、「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」。
その“文化”の中には、私たちがどんな物語を信じているかも含まれます。
もし“大谷フィーバー”を語るなら、
アメリカの視点をそのまま真似るのではなく、
日本人の言葉で、私たちの感じ方で語る物語があってもいい。
それが本当の意味での「文化の成熟」なのかもしれません。
🚗おわりに
クルマもそうですが、どんなに性能が良くても、“文化の匂い”があるものに人は惹かれます。
大谷選手の活躍を通して、日本の報道もそろそろ「自分の言葉」で語る走り方を
見つけていけたらいいですね。
Posted at 2025/11/03 09:16:33 | |
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