このブログは
素人 SQUARE が語る、補強の話。 - その2 (フロント編) からの続きです。
ここからの内容は、主にMy オーリスとその仲間たち…トヨタ 新 MC プラットフォーム※の車種で話を進めています。登場するパーツは、それらの車でしか使用できませんが、考え方はその他の車種でも同じなので参考にはなると思います。
※その他の新 MC プラットフォーム車…2代目オーリス以外では、初代オーリス (NZE15#、ZRE15#)、ブレイド、カローラルミオン、Lexus CT200h / HS250h、SAI、プリウス / PHV / α (ZVW3#,4#)、マークX Zio、アベンシス (ZRT272W)、MIRAI などがあります。(SUV、ミニバンを除く。)
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実は、私のオーリスはトヨタのGR、G's シリーズをマネして結構な補強が入ってます。
でも、補強を行うことで乗り心地が損なわれるのでは?という意見も多いですし、私もそう思っています。
そこで、その3では 「実際の所、乗り心地はどうなのよ?」を、これまでに行った補強の効果を皆さんと一緒に考察し、意見を出し合って、一緒に考えてみましょう。
あ、素人のたわ言ですから、内容に間違いもあるかと思います。乗り心地の感じ方も異なると思います。
もし、ご意見があれば、そして間違いがあればご指摘ください。
その2ではプリウスα GR (G's) で使用されている、
②フロントサスペンション ブレーズ LWR CTR (53689-WY050) を流用して取り付け。その効果を記事の最後に取り上げました。(赤く塗ったところです)
これはその2で説明したフロントクロスメンバー SUB-ASSY を後ろから支えるという以外にも、車体…フレームのゆがみを防ぐ狙いがあります。むしろそちらがメインの効果だと思います。
写真の様に左右をつないでいる鉄板になるからです。
そもそもフレームって?左右をつなぐ?
フレームとは枠…車で言うと幹、骨格とか考えてもらっても良いかもしれません。そのメインの部品にいろんな部品がついていくため、一番強度を求められるところです。
図は、オーリスの車体の図なのですが、これを2本の割り箸というか、フレームに見立てると図中の下のようになります。
(車両の下から見た写真)
(車両後端を下から見た写真)
写真だとこういうイメージです。ここに骨格の一部があるわけですね。ちなみにこの骨格の作りが同じ車種がブレイドであり、初代オーリス、ルミオン、CT200h、プリウス、SAI…という感じです。
骨格の基本設計が同じ…強度設計は同じでしょうし、ねじ穴なども同じになることが多いです。
これがいわゆるプラットフォーム。オーリスでは
新MCプラットフォームが採用されていますし、4代目プリウス / PHV (ZVW5#) や、C-HR、10代目カムリ (AXVA70,ASV70,GSV70,AXVH70)、3代目オーリス?では 新しいプラットフォーム
TNGA が採用されています。
※TNGAは、本来であれば設計思想の名称でもあるので、プラットフォームの名称だけを意味しているものではありませんが、TNGA の考え方でできあがったプラットフォーム名称も 「TNGA プラットフォーム」と一般に説明されています。
車体の背骨、骨格ですからこの部分の強度はしっかりと作ってありますが、その他のフレームをつないでいくと、フレームだけではねじれを起こします。
イメージとしては小学生が割り箸で簡単な家…もっと簡単に言えば、フレームだけの立体的な四角を作ったとしましょう。指でおしたりすると、四角が傾いたり、ねじれませんか? 接合はちゃんとしているにもかかわらず…です。
このねじれを車であらわすと…
こういうイメージでしょうか?
これが車の挙動が安定せず、サスペンションがうまく動かない理由です。
つまり車がねじれるとそのねじれた部分についているサスペンションの力が抜けて (ちゃんと縮まなくて) コーナリング中の車の正しい姿勢を作ることができません。
ただ抜けることが悪いわけでもないんですよ。この抜け方を車の開発時に総合的に見ているのが、各メーカーのテストドライバーの方々です。開発思想やどのような車に仕上げたいのか、それに近づくようにアドバイスする。
つまり、抜けることは想定済みでダンパーの固さや車両姿勢の保つ足回りの機能 (スタビライザー) の効果などを決めていくわけですね。それで最終的に決まった味付けで市場へ投入。おいしいオーリスのできあがりです。
でも、よりスポーティーに仕上げる味付けはどうしたら良いのか? = GR シリーズ、G's シリーズ。スポーツモデルでの車はどのように改善したのか?
(出典:プリウスα G's のWebサイトから。写真は他のブログからの再利用のため、関係ない部分の一部を加工しています。)
それがフレームの溶接部分を増やしたり、補強部品を付けることにより、車を丈夫な箱状にしているんですね。
つまりこのことをマネしたら、車はもっとスポーティーに仕上がるはず!
(さすがに個人で溶接スポット増しは無理ですが)
ノーマルが普通のスパゲティで、スパゲティの味付けはプロがまとめたものならば、カスタマイズはスパゲティにお好みで粉チーズをかけること。
もちろんチーズが嫌いな人いるでしょうし、チーズなしで満足できる方もいますよね?もしかしたら醤油を大量に…どばぁ~っとかけて元より悪くする人もいるかも。
私はチーズをかける派…これが私のオーリスのカスタマイズの考え方でした。
とはいえ、自分の好きな仕様に持って行くにはどうしたら良いのか?もしかしたらプロの料理にお好みでトッピングを付けすぎていないか?スパゲティに醤油を大量にかけていないか?
車も同じだと思います。せっかくプロが味付けしたのに、素人の味付けがぼろぼろにする。私はコレはできれば避けたいところです。開発者の人も「あーあー」とか「あらあら」って見ているかも。開発者の思いも尊重したい…。
ということで、これまでにいろいろと調べてマネをしました。
左右をつなぐ補強は冒頭の
②フロントサスペンション ブレーズ LWR CTR (53689-WY050) の他に…
車両前端にプリウス G's の
①フロントサスペンションメンバーブレース SUB-ASSY (51403-WY020) を装着しています。
車両の中央にトヨタ純正部品
③フロントフロアブレース CTR (57501-12020) をもともとの補強部品から換装しています。(もともとの部品はどんなの?とか、流用元が気になる方は
パーツレビューをご参照ください。このブログでは説明を割愛します。)
また、プリウス用のパーツ流用として、
④株式会社末次製作所 リヤ補強ブレースバーを車両後端に取り付けていますし、
同じようなものは、Lexus CT200h にも装着されています。 (リヤバンパ リインホースメント SUB-ASSY)
(フロント)
(リア)
フレームの
前端と
後端には Lexus HS250h (フロント) / Lexus CT200h (リア) などに装着されているパフォーマンスダンパーも取り付けています。
実はこれらの装着か所をよく見ると、車体の芯というか、左右2つのフレームぽい部分にボルト止めされていることがわかるかと思います。
これを図にすると…
(図6)
こうなります。こうすることで、
・直進安定性や直進性が良くなる。(車がまっすぐ進む。)
・サスペンションの動きが確実になる。 (よく動く。衝撃の吸収性がよくなる。)
・コーナリング中の車両の姿勢が良くなる。
・不快な振動、揺れ、衝撃が減る。
スポーツ選手…アスリートが体幹を鍛えるのと同じですね。ボディーがしっかりしていないと周辺部位がしっかりと動けない。そういうことなのだろうと思います。
まとめると、
これらのパーツを取り付けることにより乗り心地に変化は現れます。
・前後のパフォーマンスダンパーで、ちいさなゆがみや振動を吸収。直進性が上がる。
④株式会社末次製作所 リヤ補強ブレースバーで、リアのフレームがしっかりすることで、リアのサスペンションがしっかりと動くようになる。
・フロントの補強 (①~③) で、サスペンション周りのフレームを固定。直進性の向上や、ブレーキング時のフレームのゆがみを抑制。しっかりと進んで、しっかりと止まることができるようになる。
補強の影響は確実に現れていると思いますが、これまで説明した理屈から、サスペンションが固くなるのでは無くて、元々のサスペンションの性能が発揮されるようになったと言うのが正しい表現なのだろうとおもいます。
ただ、テストドライバーが全体最適をとるように、車体も…ゆがむ車体自体がバネの一部なのだ…と考えたら、そこは個人の好みなのだ…と思います。
私の個人的な見解は、「タワーバーを入れるほど固くはならないのでは? やっていることはトヨタの GR、G's シリーズ、そして Lexus CT200h がやっていることをまねているだけなので、乗り心地が『極端』に悪くなる」という印象まではないのでは?
そう考えていますが、博識ある皆様の見立てはいかがでしょうか?
(その4 につづく)
【関連ブログ】
・調査報告と考察 (オーリスのサスペンション / 補強編) - 2016年11月14日
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/blog/38855361/
・パフォーマンスダンパー流用について、自分なりに考えてみる。 - 2017年10月13日
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/blog/40571921/