ありがとう　そして　よろしく

　長いのか短いのか、それはわからない。出会いあれば別れもある。今日９年の月日を共に走った相棒とお別れをした。

　９年という月日は、ある意味あっという間でありながら、非常に濃い時間だったと思う。多くの人と会い語らい走った。その多くの思い出の中に　愛車　は居た。


　世間的には決して評判の良い車じゃなかった。でも乗る人皆が「良い車だね」と言ってくれた。お世辞があっても決して駄作ではない。と確信して一種の誇りを持って乗ってきた。







ボデーに刻ままれた経年劣化や飛び石傷も車の歩んできた「歴史」を物語る。洗車して各種私物を取っ払った愛車は、あの納車時のようなこざっぱりした感じがあった。　出会う時も別れる時もどこか同じ匂いがする。　書類を交わして愛車が愛車で無くなる。　愛車（かれ）が「さよなら」の一言も発しないのが奇妙にすら思えてしまう。


　でも今回は愛車を最後まで操り受け渡すことが出来た事を、非常に嬉しくホッとする。納車時とほぼ変わらぬ「元愛車」を眺め、ピカピカの「愛車」を眺めると妙な気持ちになってしまう。　互いに並んだ姿が重なる。


　多くの思い出と出会い。それを共に歩んできた。　本当にありがとう。本当にお疲れ様。　そしてこれからよろく新しい「愛車」。





















　あの頃の思い出も、あの出会いも、そしてこれからの出会いも、道は続いていく。　自分と関係を持ってくださった皆様、もしよろしければこれからも自分と新しい「愛車」をよろしくお願いします。