ゆーさく＠アリスタント⑨州支部のブログ一覧

　今回の東北地方太平洋沖地震は未曾有の天災となり多くの犠牲者を出した、今回特に津波による被害が大きかった様に思われる。　そこである埋もれている歴史を紹介したい津波ではないが同じ様な水害でだが・・・・・今回は明らかな「天災」しかし此れは「人災」である。

　１９３８年、前年の盧溝橋事件それを発端とし本格化した日支双方の武力衝突は日本軍が首都南京を陥落させるも蒋介石率いる国民政府は首都を漢口へ遷都し徹底抗戦の構えをみせた。

　一時は不拡大方針をとった日本軍であったが台児荘の戦い（たいじそう/だいじそうのたたかい）にて有力な支那軍が存在する事を知ったため此れの撃滅の為一大攻勢を敢行した此れが後の「徐州会戦」である。

　作戦は日本軍優勢に進みその手が各主要都市にせまりつつあり焦りを覚えた国民政府はある作戦を実行した、これが今回取り上げる「黄河決壊事件」である。

　国民政府が実行した作戦内容は「黄河の堤防破壊により洪水を起すことによって日本軍の進撃を阻止」だった、こういう停滞作戦は古来より多様されてきたが黄河という非常に巨大な大河をつかった作戦は無く歴史上類をみないものであった。

　作戦は劣勢となる５月あたりより各所で住民を強制徴収しての作業が行われた、そして６月９日国民軍は堤防を爆破、連日の雨で増水していた黄河の水は瞬く間に各所に甚大な被害を及ぼした。

　氾濫は河南省・安徽省・江蘇省にまたがる54,000平方kmの領域に及んだ。水没範囲は11都市と4,000の村に及び、3省の農地が農作物ごと破壊され、水死者は100万人、被害者は600万人と言われる。

　数字だけみても今回の東北地方太平洋沖地震を確実に上回る・・・・・　無論進軍中の日本軍は停止し住民の救助や堤防の補修工事にあたることとなった。

　しかし中国軍は救助作業や補修工事を妨害、日本軍だけではなく故郷を守ろうと奮闘する住民に対しても激しい攻撃を行ったのだ。　此の影響により農作物に大きな被害を被った被災地、更に決壊により黄河の流れも変わり極端な増水や干ばつが襲った。1942年に河南省で干ばつが起こった際に飢饉が発生し、道端には凍死者と餓死者があふれ、飢えから屍肉が食べられたと伝えられる。劉震雲によれば1942年から1943年にかけて河南省における干ばつ、イナゴの発生、重税により、300万人あまりが餓死した。(オドリック・ウーによれば死者300万人、土地を捨てた者300万人、救援を待つ飢えた人々は1,500万人を数え、河南の西部、南部、東部の順に伝染病の被害があったことも指摘している。

当時の中国を支配していた中国国民政府は救済するどころか復旧お妨害をし更に只でさえ農作物の被害で困窮する住民から徴発の言葉のもと食料を奪い去ったのである・・・・・

　もやは言葉にならない、国民を助けるべき政府は逆に国民を妨げ・・・・いや殺戮したと言っていのではないか・・・・・　確かに戦争中の作戦であり同じ様な停滞＆焦土作戦は各所で行われ日本軍を困らせたがそれ以上に困ったのは国民だったのだ。　此れを見て人間は何処までも優しくなれる反面どこまでも冷酷になれると思った、戦争は勝たねば意味がないその為の犠牲、上の連中はその考えだったのだろう・・・・・それはある意味正しいが正しくも無い。

　どの戦争においても最も苦しむのは１番末端の民衆であることだと改めて気づかされる、上の大義名分のもとの「犠牲」となった人々に哀悼の意を捧げる。