ゆーさく＠アリスタント⑨州支部のブログ一覧

１９４５年の今日、今から６９年前の事、太平洋で無敵を誇った連合艦隊はもはやその姿をとどめておらずマトモに動ける艦もそれを動かす油も殆ど底をつき、後は無かった。




猛進を続ける米軍は遂に沖縄にも上陸、空前の規模の艦隊が沖縄近海を埋め尽くし、無限とも言える物量をもって沖縄を襲った。　しかし陸軍の第３２軍は巧妙に構築した陣地と火点、そして徹底的な死守の精神で圧倒的な敵に勇敢に立ち向かい善戦していた。




しかしそれも補給の望めない状況ではもはや玉砕以外ない。　陸軍が頑張っているのに海軍も黙って観ている訳にはいかなかった。　しかし　マリアナ　レイテ　の両海戦で　空母戦力　水上打撃戦力の組織的抗戦能力を喪失してをりもはや基地航空隊による特攻が主な戦力であった。





だがまだレイテで生き残った艦もあった。　しかしながら全てを動かす事は出来ない。　そこで白羽の矢が上がったのは当時世界最大最強を誇った大和型戦艦一番艦大和だった。




１８インチの砲とそれを防ぐ装甲　基本排水量６４０００トン　満載排水量７２０００トン　間違いなく世界最大　最強の水上戦闘艦艇だった。　しかし姉妹艦の武蔵は先のレイテ沖の海戦にて敵航空機の猛爆を前にシブヤン海にその身を没した。　今はそれ以上に状況は悪くなっていた。





しかし海軍軍令部は航空機に特攻と共に大和を含めた水上特攻作戦を立案した。所謂「菊水作戦」だった。　




そうして編成されたのは戦艦大和の第1戦隊そしてその旗下に

第二水雷戦隊　

軽巡矢作以下　

第41駆逐隊
冬月
涼月
第17駆逐隊
磯風
浜風
雪風
第21駆逐隊
朝霜
初霜
霞

の戦艦１隻　軽巡１隻　駆逐艦８隻　これがあの偉容を誇った大日本帝国海軍の最期の水上艦隊だった。　さらにこの作戦は、「大和」以下の艦隊を沖縄本島に突入させて艦を座礁させたうえで、固定砲台として砲撃を行い、弾薬が底をついた後は乗員が陸戦隊として敵部隊へ突撃をかけるという生還を期さない特攻作戦であった




無論このような無謀な作戦に数々の反対はあった。　しかし最早手がいない・・・・・　いやこれは帝国海軍の「意地」であった。　無論良い意味での「意地」ではない。　つまらない自尊心だ。




司令官の伊藤整一中将は航空支援の無い中での作戦の成功は望めず受ける事は出来ない。といったが軍令部参謀神重徳大佐はただ「一億総特攻の先駆けとなってほしい」と言ったそうである。




そうして出撃した艦隊に待ち受けていたのはマーク・ミッチャー中将率いるアメリカ海軍空母機動部隊第58任務部隊が空母１１隻述べ１０００機を超える航空機の容赦ない猛攻だった。



直衛の無い丸裸当然の艦隊に米艦載機は群がる様に急降下爆撃　雷撃　機銃掃射　ロケット弾攻撃を行った。　各艦は決死の対空砲火で応戦した。　しかしそれはその圧倒的な攻撃に対して余りにも微弱なものでしかなく次々に被弾　沈没　落伍　する艦が相次いだ。



そして遂に戦艦大和も遂に最期の時がきた。14時20分、「大和」は転覆を開始。14時23分、完全に転覆すると大爆発を起こした。この爆発は弾薬庫の誘爆または、機関室の水蒸気爆発によるものと考えられている。北緯30度43分 東経128度04分にその身を没した。



この作戦で戦艦大和　軽巡矢矧　駆逐艦　磯風　浜風　朝霧　　霞　を失い総勢 3,700名もの戦死者を出した。　因に米軍は戦死１２名　航空機１０機喪失に止まる。



この作戦　いやこの戦争に「意義」を求めるのは余りにも「酷」だ。　多くの人が命を散らした。　しかしその命令を下したものの大半は生き残った。　ナニが正しくナニが間違っているのか？？　もはや割り切れる程生易しいものではない。




人の成せる「業」は成した人自身滅ぼす。　意地と面子は何よりも優先される。　そう人命さえも・・・・・・　こういう出来事を繰り返してはいけない・・・・・・　絶対に。




今の日本を見つめながら６９年前に亡くなった多くの人に哀悼の意を捧ぐ。