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2017年02月17日 イイね!

Def busta 第三章 ~legacy~ 第5話

Def busta 第三章 ~legacy~ 第5話

  11 Counter Rockets




「ほんっと、いい加減にして欲しいっす」


岩野にそんな小言を言われた俺は 「 ふんっ 」 と鼻を鳴らして無視してやった。 まったく、うるさい奴だ。









「あ、あ、なんスかその態度は !? 」



岩野は興奮気味だった。



「いきなり出て行ったかと思ったら、今度は怪我して帰ってきて何の説明も無しっスか?まったく、いい大人が何やってんスか !? ほんっと勘弁して欲しいっスよ」






確かに…。 喧嘩して顔に痣をつくってくるなんて、いい大人がやることじゃないよな。それにしても修二…。 お前はどうしちまったんだ !? 
スツールに腰掛け窓に目をやると、絆創膏だらけの自分の顔がガラスに映り、その姿を見て思わず笑ってしまう。












   12


今日の太陽は、灼熱の業火だ。空の一番高い位置から、ジリジリと地表を焼き、アスファルトの照り返しと、蓄熱させたコンクリートの壁で、周囲をオーブンレンジへと変化させる。まあ、本州にくらべ湿度が低いのは唯一の救いだが。









道民は長い冬を耐え忍び、あらゆる生命が活性化する真夏の躍動を待ち望む。 しかし、たとえ北海道といえども、今日の晴天は誰もが物陰に隠れ涼を取りたくなる。そんなひと時。更に熱を発する一団が現れた。表に数台のバイクの排気音が響き渡った。しかも聞き覚えのある爆音だ。

『 まさか !? 』 心の中で警鐘が鳴り、考えるより先に外へ飛び出した。

先頭にCB750F、続いてハーレーXLCHとXR750、更にはシボレーのV8エンジンを積んだバイクBOSSHOSSや、Z650ザッパーがそこに佇んでいた。
修二だった。わざわざ仲間を連れここまで来たのだ。




「修二…」

全員がヘルメットを脱いだ。修二、エミー、マリー、スキンヘッド、涙目のガキ。全員が知った顔だ。それから修二がゆっくり歩み寄ってきた。




「はは。さすがですね。あんな大立ち回りをして、ピンピンしているなんて」

修二は冷たい表情でそう言ってきた。










「20人、いや正確には23人ものバエルを、残らずノシてしまって」

「修二…あのな…」


それを横で聞いていた岩野は『はあ?』という表情をした。




「一体アナタは何がしたいんですか?人のシマを散々荒せば満足なんですか?」





「いや、違う…俺はただ」

言葉に詰まってしまった。何て言えば良いのか分からない。ジリジリと照りつける白い日差しのなか、修二の凍てつく視線が、鋭く突き刺さってくる。




「いや違わない。アンタは俺を潰しに来たんだ。昔からそうだった。好き勝手暴れて、飽きればポイだ。なんにも変わっちゃいない」

「お前まさか…俺を恨んでいるのか?」

「恨み?ああ、そうだね。そうかもしれない」

「SANTANAの解散がそんなに気に入らなかったのか?」

「そうだ。アンタは立石さんの死から逃げたんだ」




立石…。やはりそうだったか。今でも胸の奥につかえている、当時の俺の相棒だったZ400GPの立石。俺達はコンビだったんだ。そして修二の兄貴分だった男…。







「 SANTANA は少数精鋭で走りのチームだった。それに皆腕っぷしも強くて、アンタ達に助けられた奴等はたくさんいた。皆が憧れた SANTANA 。 そして Def busta 下村 。 僕はそのチームに入れて本当に嬉しかった。それにどれだけ誇らしかったことか」




修二の顔が一変した。凍てつく表情は見る間に赤みが差し、憤怒へと変わっていった。

「だけど、立石さんが事故で死んだ後、アンタは全てを捨てて逃げた ! 荒れていたあの時代、あの街を護ってくれるのはアンタだと、僕達は心の底から信じていた。なのにアンタは全てを捨て去ったんだ ! そうだろ !? デフバスタァーー !! 」









修二の叫びは、俺の心に深く、悲しく、そして重々しく響いてきた。確かにそうだった。あまりにも悲しいその出来事から、俺はバイクを降りようとも考えたほどだった。




「ふんっ。でも僕だって馬鹿じゃない。人それぞれ、事情があることくらいは理解できる。だけど2年くらい前から、アンタ達の噂が耳に入り出した」




こんどは俺を憎らしげに睨みだした。

「アンタは無責任に投げ出したSANTANAの名を使い、TSW(十勝スピードウェイ)で走り出した。無敵の速さを誇る、TEAM SANTANA としてね」




修二はまた憤怒の表情となった。

「この肩のバンダナ覚えていますか?アンタが作ったSANTANA章。車輪デザインに、闘う者の勲章・鉄十字…。そして聖なる SANTANA の名前」




修二は肩のバンダナを解き、俺の足元に投げ付けてきた。

「これはお返ししますよ。永遠に仲間を護るために闘い続ける?笑っちゃいますね。それにSANTANAとして走り続けていたのは僕だ。アンタじゃない。それを今更…ショップの名前にまでして」




俺はゆっくりとした仕草でバンダナを拾った。それは長年の風雨で劣化が見られるものの、しっかりと補修しながら使われていた形跡がたくさんあった。それから、バンダナをじっと見つめながら静かに言葉を発した。

「修二、ありがとな。今まで頑張ってきたんだな」




憎しみの炎を帯びた、修二の紅蓮の瞳を真っ直ぐに見つめ返した。

「そう、ケリをつけよう」








修二は怒りの表情で小さく頷き、踵を返して自分のバイクに跨った。











つづく


Posted at 2017/02/17 15:48:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | Def busta≪デフバスタ≫ | タイアップ企画用
2017年02月12日 イイね!

いつもありがとうございます 『Z Car DAYS』 

いつもありがとうございます 『Z Car DAYS』 










じゃっきーwaka
さんが運営するWEBサイト

Z Car DAYS に Def busta 第三章 ① が掲載されました









スマホからもダウンロードしやすいよう、PDFファイル化してますので

興味のある方はぜひどうぞ(=^▽^=)









ごめんなすって







Posted at 2017/02/12 13:29:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | むらっち劇場 | タイアップ企画用
2017年02月11日 イイね!

猟犬はじめました!②

猟犬はじめました!②










クルマの後部座席で寝ているだけなのに、目的地に到着すると “いや~疲れた” なんてホザく奴!

よく居ますか!?実は当方の身近に居ます!  誰とは言いませんよ! ヨメさまに怒られるのでw









ども! 日本全国のお疲れオトーさん

むらっち2は好き勝手やっているので、そんなに消耗してませんwww











さて、我が家の猟犬フチは昨日でめでたく4ヵ月となりました!
ノーリードでも自分勝手にぶっ飛んで行かないので、初猟に連れて行くことに♪


そろそろ鉄砲の音にも慣れてもらおうと思いましてね










で、最初の獲物を100m先に発見! 初矢を発砲!! ダァーーーン!!!



しかし外れ… フチの反応は!? その場で固まっていましたw






おお! 良い反応だ。 大概、どんなになついている犬でも
リードで繋いでおかないと、初鉄砲の音にはビビって逃げ出すのに

フチは逃げなかった!















そして次の猟場でも発砲の機会に恵まれ、二の矢を放つものの、また外れ(´・ω・`)




フチの反応は…







その場でグルグル回って興奮しておりましたw







おお!コイツ凄いかも!? 期待が高まります♪














この日はツイてました。 なんと3番目の猟場でも獲物が!!



3の矢を発砲





あたぁ~~りぃ~~! 見事に獲物GET♪









フチの反応は…










鉄砲の音にはだいぶ慣れた模様、そしてビビリながらも初めての獲物を目の前にし






ニオイをクンクン…











あっ!咬みついた!!








確信しました。 コイツには間違いなく猟犬の血が流れています

自分より大きな獲物に立ち向かえるテリアはエアデールテリアだけ!

そんな謳い文句に偽りはないと感じました







その後も、解体したエゾシカをペロペロ、ガブガブw






お前ほんとスゲーな!



今日は鹿肉パーティーだな♪









フチの可能性を感じた、実りの多い日でした♪






ちなみに次の日、フチのウンチはタール便っぽい黒色ウンチでしたw

鹿肉を食べるとこうなるんだってwww









おしまい( ̄∇ ̄*)ゞ









ごめんなすって







Posted at 2017/02/11 13:47:57 | コメント(2) | トラックバック(0) | 狩猟 | 日記
2017年02月08日 イイね!

White grenede 第四話

White grenede 第四話


      


レース当日、帯広市のオープンエリアは、とんでもない賑わいを見せた。
『 D C C (ダートチャレンジカップ) 』 は、以外にも人気種目であることを物語っている。












色とりどりにペイントされた派手な4駆のクルマが駐車場には溢れかえり、どれもコンテストさながらの完成度を誇っている。ほとんどがリフトアップされ、極太マッドタイヤでビルドアップされたクルマ達だ。更にはキャンピングカーや牽引トレーラーまで。それからテントなんかも持ち込み、バーベキューをしている家族の姿も見受けられる。まるでお祭りだ。すっごくワクワクした気持ちになる。










そんな様子に眼を輝かせていた私の頭を、タカ社長は後ろから小突いてきた。

「端野ミホ、ボケッとしてないで、よく聞いとけ」




もう~。なんでフルネームで呼ぶの?

「このレースは4月から10月にかけて4戦あるシリーズ線だ。今回は10月期の最終戦でウチはスポット参戦となる。基本的には、ナンバー付き車両のオフロードタイムアタックで、フラットコースとモーグルコースを同じ車で走るのが決まりだ。フラットは多少のアップダウンがあるダートコースで、モーグルは傾斜角が40度もある谷や丘の凹凸路を走る。両方のコースを2本ずつ走ってタイムの良い方を合計し、順位が決められる。ドライバーは2人1組のペアが決まりで、どちらかがそれぞれのコースを走る事になるぞ。フラットならフラット、モーグルならモーグル、といった具合に専従化されるんだ。つまり両方のコースを一人で走る事は出来ない」




うん。うん。ああ早く走りたいなぁ。




「今回は端野ミホがフラットで、ヨッシーがモーグルだ。いいな」

うん。だからなんでフルネームなの?




「ええ。自分もそれで問題無いです。フラットはミホちゃんの方が速いですからね」

「ああ、すまんなヨッシー。本当はエースのお前をフラットで走らせたいんだが、今年こそトップを獲りたい。万年2位はもう御免だからな」




そうなんだ。そんな大事なレースなのに私を使っちゃうの?いいの?それからつい口に出てしまった。

「あの…タカ社長…私なんかを出しても良いんですか?タカ社長が走った方が…」

「バ~カ、端野ミホ。お前それが謙遜のつもりなら俺達をバカにしてるぞ!お前はウチに入社してからこの半年で、一番のスピードを手に入れちまってんだからな。みんな納得済みなんだよ。まあ、穴掘りはド下手だがな(笑)」



みんな小さく頷きながら微笑み、私に視線を集めていた。私は思わず下を向いてしまう。





「ミホ頼んだぜ。きっとお前なら、このレースの目玉になれるぜ」

はい。無言で頷いた。ジョーさんありがとう。




「フラットは一番時計でボクに繋いでね。そうしたら、気持ちに余裕ができるからさ(笑)」

はい。またもや無言で頷いた。必ず一番でヨッシーさんに繋ぎます。



「ミホちゃん、無茶し過ぎてクルマを転倒させちゃ駄目だよ。レースは無事に帰るまでがレースなんだからさ」

はいスミさん。ちゃんと走らせます。




「いまやお前がエースだ。 穴掘りはビリッケツだがな。ははは」

はい。タカ社長。しつこいなぁ。でもどうして 『 カトウタカ 』 って言ったら怒るんですか?
聞きたいけど聞けない。




すごくすごく、みんなの気持ちが嬉しかった。




「アンタなに泣いてんのよ」

突然の、エリのセリフに顔が赤くなる。



ちょっと!なに言ってんの !?

「ちょっエリッ!私は泣いてなんか…て、あ…」




みんな私を見てニヤニヤ笑っていた。 ああ、やられた。悔しい。エリにまんまとかつがれた…。










     


 今回のレースは 『 ジムニー&軽クラス 』 にエントリーしてある。そのクラスでは総勢15台と30名の選手達が一台ずつ出走し、タイムアタックすることとなる。私はフラットダートのスタート付近で順番待ちをしていた。







今回ウチで使用する車両は、会社のデモカーでもある特別仕様・ジムニーJB23で、APIOというメーカーから出されている “ スーパーつよし君ビルシュタイン・安心サスペンションキット ” を始めとした “ TSB ” フルキット装備のカスタムマシンだ。しかもオプションのヨシムラ・チタンマフラーまで取り付けられ、豪華絢爛もいいところだ。もちろんオレンジ色にオールペンされ、ドアには鷹のマークも入っている。











ちなみの私の “ ロックさん ” も TSB のキットが入っている。
しかし、ヨシムラマフラーは高価なので着けられなかったけど…。

JB23はレカロのシートで私を迎え入れ、程よいホールドで包んでくれた。MOMOのステアリングを撫でてみる。
手に吸い付くような形状が心地良い。









「うん。今日はイケそう」

そう呟いた時、無線が鳴った。




「ガガーー」「ミホ聞こえる?」


エリだ。




「うん。聞こえるよ。どうしたの?」

「う~ん、まあ、なんていうか実況中継。他の車両の状況を、リアルタイムで伝えようと思ってさ」

「そう。ありがと。そうだ、さっき聞きそびれちゃったんだけど、このコースのレコードってどのくらいなの?」

「ああ、ちょっとまってね、今教えてあげるから…どこだったかな…ああ、あったあった」




エリは手元資料を探しているようだ。

「そうね、私らがエントリーするのは『ジムニー&軽クラス』なんだけど、フラットがだいたい全長1.7㎞位のコースで、1分5秒が一つの壁みたいね。トップタイムで1分1秒台。モーグルは1㎞位の長さなんだけどタイムは2分25秒が壁で、トップタイムは2分21秒台ってとこかな」

「そうなんだ。転がったら失格?」

「ううん。 オフィシャルがすっ飛んできて、すぐに車を起こしてくれるみたいよ。 走行可能ならそのまま続行するみたい」

「う~ん、じゃあ要注意のチームとかは?」

「ああ、なんて読むんだろコレ?ベクター…グ、グラ…」

「わかった!ベクター・グライドでしょ !? 」

「う~ん多分そう。知ってたの?」

「うん。さっきね、私のスキー板と同じ名前のチーム名があったから覚えてたの」

「そうなの?でも、そんな堂々と名前をパクッて大丈夫なのかね?」










エリと会話していると、なんだかとても気持ちが落ち着く。ずっと一緒だったからかな?
やっぱり私達は2人で1人なんだ。

「エリ、一つお願い」

「なに?」

「ここのコースは頭に入っているんだけどね、私が走っている間、ずっとナビしててくれない?」

「それは良いけど…。 うん。そっかわかった。2人で闘うんだね!」

「そう。よろしくね」

「GPSでしっかり見ていてあげる。 うん。 きょうでぇ~、しっかりアクセル踏めよぉ~(笑) 」




他愛のない会話。でもやはり、エリが近くにいると思うと、私には元気が湧いてくる。




その時、軽快な排気音と歓声が響き渡り、第一走者がスタートした。











つづく






2017年02月06日 イイね!

Def busta 第三章 ~legacy~ 第4話

Def busta 第三章 ~legacy~ 第4話





    



 それから、何か少しでも情報収集をしようと思い、給油も兼ねエネオスのガソリンスタンドに立ち寄った。


「いらっしゃいませーー」








元気な声が響き渡り、若い店員が駆け寄ってきた。名札には 『 田城 』 “ たしろ ” と読むらしい。
そんな田城は落ち着きのない様子で俺の姿と、バイクをあれこれ見た後、少し “ ほっ ” とした様子で話しかけてきた。

「いやー、びっくりしちゃった。旭川ナンバーっすねオニーさん。バイクフェスタに行く途中っすか?」




ん?何がびっくりしたんだ?

「なにか驚いたかい?」


つい聞いてしまった。




「ああ、すんません。いや、どこのチームの人かなって、思ったもんで」

「ああ、そういうこと。縄張りみたいな?」

「そうなんす。それらしいバイクやクルマのお客さんは、まず新規では入ってこないんで」




なるほど。つまりこうだ。誰かしらチームの人間がそこに勤めているとか、OBがいるとか。この街じゃ、そんな感じに繋がった固定客が大半だと言いたいんだな。

「ところでオニーさんは、スティール・ランナーに会いに来たんすか?」




ああ、そのとおりだが…




「今日のフェスタはSANTANAが催してんすよ」




ああ、そうなんだ…




「いやぁ~、自分も行きたかったっすよ。このフェスタの売り上げってね、自分たちの収益にするんじゃなくて、恵まれない子供達へのチャリティーイベントなんすよ !! 」




ああ、そうなんだ…




「あっ ! そうそう、いまSANTANAの人達、少しピリピリしてるから気を付けた方がいいっすよ」




ああ、それしても君はよくじゃべるなぁ…

「え~と… “ 人達 ” って? チームなのかい?」

「そうなんすよ。スティール・ランナーの所属する、チーム『SANTANA』っす。いまサイコーにクールなチームなんすよ~♪




ああ、キミなんだか楽しそうだなぁ…




「で、イチャモン付けたりするのは、絶対にダメっすよ!何故なら、スティール・ランナーには常にボディーガードが近くにいて、そんな連中はそく排除されるんすよ!」

「はあ?ボディーガードぉ?」

なんじゃそら?




「ええ、ええ。たまに走りで勝てないハネッ返りが、スティール・ランナーにケンカふっかけたりするんすよ。んで、おっかねーボディーガードがそういった連中を排除して、スティール・ランナーには走りに集中して貰うって寸法なんす」




ああ、なるほど。それは有益な情報だな。




「それでね、それでね…」




田城はすっかり話に夢中になり、給油の手が少しおぼつかない様子になってきたので、俺は一瞥してからこう言ってやった。

「おい、こぼすなよ」




“ はっ ” とした顔の田城。それから妙に脅えた様子となり、彼は黙って給油を続けた。
あれれ?脅かすようなことは、何もしてないつもりだけど…













    


バイクフェスタのイベント会場は、少し郊外にあった。元は小型飛行機の滑走路だったらしいのだが、現在は使用されておらず、こういった催し物が開催される時に開放し、利用されているのだという。
コレもアレだね、行政のやる3セク(第3セクター)の失敗例の一つって訳さ。でも用途は違えど、こうして大いに利用されてんだから、まあ、良いんじゃねーの。と、俺は思う。
それにしても、人と出店の数が凄い。縁日でよく見るような屋台はもちろん、ヘルメット、ウェアー類を売る店、パーツ屋、個人のフリーマーケット、なんでもござれだ。









なかでも一番目を引いたのは 『 ウォッシュ屋 』 なる存在だ。つまりこいつは、1回三千円で、バイクを洗車してくれるのだが、普通そんな事に、そこまで金を使ったりはしない。だが、その洗い手がビキニを着たモデル並みの美女だったらどうだ!?その美女が泡にまみれ、水浸しになりながら艶めかしくバイクを洗うのだ。どうだい?気になるだろ !?





まだまだある。 『 ポールダンス屋 』 『 タトゥー屋 』 『 シャワー屋 』 『 シャツカット屋 』 に 『 チョコバナナショー実行員会 』 ? もうなんだか訳がわからない。








音楽に合わせ踊っている奴、ビールを飲み過ぎてフラフラな奴、ナンパに精を出している奴。まったく様々だ。それに女達のファッションも過激で、ビキニの上に破れたTシャツや、ショートパンツを身に着けている。これはさっきの 『 カット屋 』 で切ったのかな?












あと、チーム看板が背中に入った、Gベストや、革ジャンを着た奴もたくさんいる。まあ、なんにせよ楽しい雰囲気が溢れているイベントだ。







「さて、どこにいるんだ修二…」

俺は修二の姿を探した。














    10


人ゴミのなか、辺りを眺めながら、ふらふら歩いていると、突然前方から、怒声が響いてきた。

「おいテメェーー!●×△※Д!!」




途中、なにを言っているのか聞き取れない。周りの人達もどよめきと共に、その声の方向を目指し、あっという間に人だかりのステージをつくってしまった。

「はは、修二みつけた♪」




どうやらそこは 『 SANTANA 』 のブースだった。修二はもちろんだが、10人ほどの仲間と CB750F。スティール・ランナーのバイクが、堂々と展示されていた。




「テメェーー、俺ぁゼッテー認めねぇーー !! 」

尚もその男は喚いた。素肌の上に着た革ベストの背中には 『 BAEL (バエル) 』 と書かれている。




「東の悪魔王か…」

なかなか面白い名前を付けるもんだ。俺のいた施設はカトリック系だったからな。そういうのはなんとなく知っている。
そして突然、この息巻いているバエルの男は、手に持っていたバドのビール瓶を割り、修二に向かって構えたのだ。




「きゃあーーー !! 」

今度は女の金切り声が響く。修二は少し悲しそうな顔をして、首を小さく横に振って一言つぶやいた。




「ハック…もうやめろよ…」

「スカシてんじゃねぇーー ! 」




ハックと呼ばれた男は、尚も興奮した様子で、修二に襲いかかろうと踏み込んだ瞬間だった。修二の横に控えていた2人の女、しかも双子が同時に飛び出し、一人がスラッと長い右脚で、男の手にあるビール瓶を横から薙いだや否や、もう一人が、胸元に強烈なサイドキックを放ち、バエルを弾き飛ばした。それは見事な連携だった。









だが、当然それでは済まない。ヤラレた方の仲間がワラワラと集まって来て、その場は大乱闘に突入しそうな様相を呈してきていた。




「そろそろ、こりゃヤバイな…」

そんな風に思い、仲裁に入ろうかと考えていた時、これまた修二の側近?ボディーガード?と思われる、身長2メートルはありそうな筋骨隆々のスキンヘッドが、バエルの数人を掌で弾き飛ばし、その場を制圧してしまった。




「ははぁ~。なるほど。鉄壁だね」

そう、鉄の壁である。修二の近くには、常にこの3人が寄り添い、がっちりガードされている。さっき田城が言った事は、嘘ではなかった。そして一つ気付いた。

「あっ !? あの女共…、さっきの XLCH と XR750 だな」





完全に見落としていた。だが今はっきりと確信した。何故なら、2人ともライダースの左肩エポレットに、赤いバンダナが特徴的な形で結ばれていたのだから。同時にもう一つ大事なことを思い出した。アレはその昔、俺達 SANTANA のメンバーがやっていた、仲間の証なのだ。

なんてことだ。俺は捨てたつもりだったのに、修二はSANTANAの誓いを、いまだに守っているんだ。捨てた?いや違う、忘れようとしていたんだ。永遠と言ったあの誓いを。




「くそっ ! くそっっ !! 」

思わず舌打ちをしてしまう。




修二、修二…。お前って奴は…。お前って奴はよぉ…。涙が流れそうだった。ああ、今いくぞ。




「お~~~い。修二ィ~ ! 」

この際、その場の空気なんて関係ない。修二と話さなきゃいけない。あの誓いを。




「お~~~い」

もう一度、人だかりの中から、修二に声をかけ、こう着状態のピリピリムードの中に、ずかずかと割って入っていった。
当然周囲はざわめき、全員が俺へ視線を集める。ふんっ、関係ない。俺は修二と話さなきゃいけないんだ。




「久しぶりじゃねぇーのよ。元気だったか?」

「下村…さん…!?」

修二は、一瞬呆気にとられた顔をした。




修二、お前は…お前は…。懐かしさと同時に、あの頃、俺達が味わった痛みも思い出す。そしてそこに邪魔が入った。




「おい!てめぇどこのモンだぁー !? 」

スキンヘッドの大男だ。邪魔すんな。俺は修二と話がしたいんだ。話さなきゃいけないんだ。が…。




「うるっせぇ!黙れぇぇぇーーー!!」


いけない。つい怒鳴りつけてしまった。違う、俺は修二に用があるんだ。




「うがああああーーー ! 」

興奮の臨界点。スキンヘッドが言葉にならない奇声を発し、右拳を大きくスイングバックして、突然殴りかかってきた。




「待てぇぇぇぇーーーーー !! 」

修二の叫び声、だがもう遅い。まるで隕石の墜落だ。大上段からデカイ拳が、凄いスピードで落ちてくる。俺はその隕石の墜落に対し、左足から一歩前に踏み出し、かがみ込むようにダッキングで隕石を交わした。それから間髪を入れず、強烈な右のボディーアッパーを突き上げ、鳩尾の辺りに、拳を深々とめり込ませてやった。

 スキンヘッドは体を “ く ” の字に折りながら、目を剝き苦悶の表情で、一度大きく息を吐く。次には膝が折れ、スローモーションのように前向きに倒れ、そのまま立ち上がってはこなかった。




「ちょっとアンターーー ! 」

XLCH と XR が、2人同時にステレオで叫んだ。




「おい、邪魔すんじゃねぇよ」

俺は少々凄みを利かせ周囲を睨みつけたのだが、修二の仲間は臆することなく、俺の前に立ちはだかった。しかもすぐ目の前に現れた、まだ10代と思われるガキは、瞳に涙を浮かべ、ガタガタと震えながら、 “ とうせんぼ ” するように両腕を広げ、逆に俺を睨み返している。









「止めるんだ !! 」

威きり立つメンバーの前に、修二は割って入った。

下村さんお久しぶりです。ほんと突然ですね。全く気が付きませんでしたよ」




それは冷笑だった。以前、あんなに明るく笑っていた修二からは、考えられないほどの冷たい笑みだった。




「急にこんな場面にまた…。おい、この人があのDef bustaだ。僕の先輩だよ」

更に周囲の空気が張り詰め、ざわめき立つ。




「修二、あのな…」




言いかけた時、また邪魔が入った。

「オイ ! てめぇーー !! 」



バエルだった。後ろから左肩を掴んできた。
『 邪魔だ 』 俺は力任せに左鉄槌のバックハンドブローを顔面に飛ばし、一瞬で打ち倒した。








「なんだぁーてめぇ ! 」




 は?なんなんだコイツら…。

「なんだって聞いてんだよコラァーー !? 」




くっそ邪魔くせぇ…。 俺は更に違うバエルを、右フックで殴り飛ばす。




「てめぇーー ! 」

「なめんなぁーーー!」




次々、次々、ワラワラワラワラと、邪魔なバエルが湧いてきて、俺はあっという間に取り囲まれた。




「ふざけんな…」

小声で呟いた。




「ああーーん?なんだぁ !? 」

「邪魔だ…」

更に小声で呟く。




「ああ~~ん!?」




それから、少し溜めをつくってから、腹の底からおもいきり吼えた。

「退きやがれぇぇぇーーー !! 」




そう叫んだのと同時に、目の前の奴を殴りつけ、次には宙に跳び上がり、バックスピンキックを見舞った。


「だらああぁぁぁーーー !! 」








右に左に激しく動きながら、次々とバエルを打ち倒したが、その間、何発も殴り返され、蹴り倒されそうになった。しかし、それでも動き続け暴れまわった。




「俺は修二に話があんだーー !! 」

だが、どんどん目の前に敵が現れ、修二が更に遠のく。




「修二に話があんだよ !! 」

何発もの拳が飛んでくる。




「修二ィーーー」

俺は倒れず、更に暴れ続けた。










つづく


Posted at 2017/02/06 12:03:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | Def busta≪デフバスタ≫ | タイアップ企画用

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「カントクの時間⑧ ドライビング編・始動! http://cvw.jp/b/381698/42287030/
何シテル?   12/12 00:16
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