2008年09月22日
ある友達同士の男性二人がちょっとした話の流れで、某山の中の有名な心霊スポットへ行ってみようとなりました。一週間後にその近くで結構な人数でキャンプをする予定があり、そこでやる肝試し大会の下見をしようというのです。
そこは車を停めて歩いて数分で行ける断崖で、展望台になっていますが今まで何人も飛降り自殺があったところです。下見なんだから昼に行けばいいのですが、本番では女の子も来ますからちょっとでもいい格好する為に雰囲気に慣れておきたい、という考えもありました。
成り行きで決まった下見でしたので、懐中電灯などはありません。
携帯電話の小さな明かりをライト代わりにして二人は歩きました。
携帯電話のライトはすぐ消灯してしまいますので、ときおり辺りが真っ暗になる瞬間があります。街灯などあるはずもなく、二つの携帯電話の灯りが消えると辺りはまさに漆黒の闇となります。
そして目的の断崖に到着。
二人の話し声の他は崖を通る風と、それに揺れる草葉の音しかしません。
崖の縁までは柵があるため近寄れません。
身を乗り出して崖の方を見ても、携帯電話の小さな灯りでは照らすことはできず、
ただ深い闇があるだけで何も見えませんでした。
二人は不安からか口数が少し多めですが、崖の周囲を歩き回っていました。
少し離れるとお互いの姿は全く見えなくなってしまいます。
何も見えないし、やはり心細いし、片方の男性はそろそろ帰りたくなっていました。
すると、その男性は、自分の名を呼ばれました。一緒に来た友人の声です。
「こっちだ、もう行こう…」
ああやっと帰るのか、男性は少し安心しました。
でもやせ我慢して返事をしました。
「何だよ、もう帰るのか?」
ところが、友人はそれには答えませんでした。
「こっちだ、もう行こう…」
さっきより少し震えた声です。なんだ、あいつも怖いんだな。
男性はちょっと気が大きくなり
「おまえ、びびってんのか?」 と言いました。
しかし、また友人は答えませんでした。
「こっちだ、もう行こう…」
友人の声はさらに震えていて、もう一寸も待てない、という雰囲気です。
ようやく男性はただならぬものを感じました。友人の態度が普通では無いと。
一緒に行った者が無理やり皆を帰らせて、後からそこにこの世ならぬものがいて、近づいてくるのに皆には見えも気づきもしていなかったので強引にその場から離れさせた、と打ち明ける怪談を思い出しました。
もしや今友人はその状況なのではないか。
早くここから立ち去るべきなのではないか。
もともと早く帰りたかった男性は、とにかく声のする方へ歩き出しました。
「こっちだ、もう行こう…」
また友人の声がしました。男性の歩幅は大きく、早足になっていきました。
友人はどれだけ先に行ってしまったのか、声は聞こえても姿は全く見えません。
手にした携帯電話の灯りは足もとを頼りなく照らすのみ。
「こっちだ、もう行こう…」
男性はもはや駆け足に近いスピードになっていました。
しかし一向に友人のところへ追いつくことができません。
男性の不安はさらに高まり、たまらず友人に待つよう呼びかけようとしました。
そのとき、男性の腕を誰かが後ろから強く掴みました。
驚きと恐怖で、男性は叫び声を上げてその場に転んでしまいました。
半狂乱になって腕を振りほどこうとしたとき、友人の声がすぐ側で聞こえました。
「おまえなにやってんだ、そっちは崖だぞ?」
よく見ると、男性が歩いていこうとしたその先は、柵が途切れていました。
「おまえが見えなくなったから必死で探したんだよ」
「よく見たら携帯の灯りがふらふら離れて行ったから追いかけたんだ」
俺はお前の声が聞こえたから…男性が言いかけたとき、また声がしました
「コッチダ、モウ行コウ…」
崖から聞こえた声は友人の声とはまったく別の、暗く冷たい声でした…
って話を友達からされました。怖えぇ~(TwT。)
これ読んだ人も道連れ~
Posted at 2008/09/23 00:32:05 | |
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