いつも時々購入している「
RACERS」ですが、最新号はカワサキZX-RRの特集でした。今回は立ち読みさせていただきましたが、巻末に昨年発行された
NR500の特集号の増刷のお知らせが書いてありました。それほど発行部数が多くないと思われる本誌ですが、結構増刷のリクエストがあったのでしょうか。
増刷と言えば、1984年初版の大友克洋の名作
「AKIRA」が、増刷を続けてなんと!!100刷になったそうです。36年目の偉業達成で、漫画本としては画期的ではないでしょうか。映画版も最近4Kでリマスターされて劇場でも公開されましたが、今観ても凄いクオリティと音楽ですね。
脱線ついでですが、「AKIRA」の舞台は2020年の東京ですが、「オリンピック阻止」などというデモもあり、まさかこんな事になるとは作者も思わなかったでしょう。事実はSFよりも奇なり、ですね。
閑話休題で、「RACERS」の増刷のお知らせのところに、NR特集の第3弾のお知らせがありました。今度はNR500のGP撤退後の開発の中で生まれたNR250ターボとNR750の特集だそうです。
1982年でGPからは撤退したNR500ですが、今度は250ccの排気量にターボを付けての参戦が計画されたようです。NR500のエンジンの縦割りでV型2気筒にツインターボを装着して、153ps/18500rpmの出力を叩き出したようです。これは当時のF1の1500ccターボに換算すれば918psですから、かなりの高出力ですね。もちろん当時のどのGP500マシンも上回っていますが、「HONDAが今度はターボで参戦するらしい」という噂が出た途端、レギュレーションでターボ車は禁止されてしまいました(涙)。
実際の開発段階ではターボラグや発熱など色々問題はあったようで、実際に参戦したらどうなったかは分かりませんが、自然吸気で果たせなかった夢をターボでリベンジ出来たら凄かったですね。F1でのターボ車の進化具合を考えると、リッター当たり1000馬力の250馬力くらいは叩き出せたかもしれませんね。
GPレーサーとしてのNRプロジェクトはこれで一旦終了したようですが、エンジンそのものの開発は続けられており、1987年のルマン24時間にプロトタイプとして参戦しました。賞典外のレースなので、ライダーはプロライダーのマルコム・キャンベルに加えて当時のライダースクラブの編集長の根本健氏とフランスのジャーナリストのジルベール・ロイ氏の3人でした。
マシンは当時のワークスマシンのRVF750にほぼ準じた車体にエンジンだけ長円ピストンのNRエンジンという構成でした。完全にプロトタイプなので市販車ベースのTT F-1マシンのRVF750と比較しても数Kgしか重くなかったようです。
当時のワークスマシンのRVF750が130ps/12000rpmであったのに対してNR750は開発当初のスプリント仕様では180ps/17000rpm!その後耐久用にデチューンしても150ps/15000rpmとかなりの差があって、しかもパワーバンドも広いという異次元のマシンだったようです。
予選では2位、本戦でも2位を走行中にコンロッドのトラブルでリタイヤとなってしまいましたが、GP時代のNR500に比べても進化している事を立証した感じでしょうか。MotoGP初年度では2ストロークの500ccに対して4ストロークマシンは1000ccでしたが、1987年当時にNR750でGP500に参戦していたらかなりの好成績を残せたかもしれませんね。
この辺りの経緯は
ライダースクラブの1987年7月号に詳しいですが、今度のRACERSの第3弾ではどこまで詳しい話が載るのか楽しみです。特に、ほとんど情報がなかったNR250ターボの記事が載るのが凄いですね。
発行は来年春、との事ですが今から楽しみです。発行日をチェックしてしっかり本屋さんにダッシュしなければ(爆)。
Posted at 2020/09/29 12:10:12 | |
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