2009年01月26日
愛車のカバーをかけ忘れてることに気がついて、薄暗くなっている冬の世界に再び身を躍らせた。
まるでモスクワにジャンプしてしまったんじゃないかと錯覚しちまいそうな寒さに業界用語が頭をよぎった。
しばれる。
愛車に優しくカバーを掛けてやるだけだからと薄着で出てきたことに後悔した。
手早くカバーを掛けて、さっと踵を返して部屋に駆け込む。
「寒いですね~、雪でも降っちゃいそうですね」
途中でご近所に住む老婆とすれ違いざまにハードボイルド的な挨拶した。
老婆はなぜか鰹節の袋を抱えており、気温のこととなにか別のことを話した。
部屋の扉を閉め愛車の鍵を所定の場所に置いた後、そういえば老婆は最期に何を言っていたのかと思い返してみた。
猫がどうの……。
どうやら飼い猫が部屋から逃げ出してしまったらしい、 それを華麗にスルーして部屋に戻ってきたのだ。
最近の気の無さといったら特筆モノだな。
こんな寒い中猫探しなんて大変だな。
しかし、猫なんて探して捕まえることができるのか、鰹節なんかでだませるのか。
きっと偶然見つけたとしても華麗にひょいっと逃げられるに違いない……。
寒い中を無駄に動き回るより部屋で待ってればひょっこり帰ってきたりするんじゃないのか。
部屋で待ってればいいのに。
気がついたら猫探しを手伝わない理由を一生懸命考えていた、人間関係の悪影響だろうか。
ハードボイルドじゃねぇな、自分の信じた事をすればいい、それだけだ。
俺はさっと服を着込むと部屋の鍵もかけずに外に出た。
外に出ると近くを老婆が鰹節の袋を胸にうろうろしていた。
名前を呼ぶでもなく、ただうろたえているだけのようだ。
話を聞くと、部屋の扉を開けた途端、扉の隙間から逃げ出してしまったらしい事、その後何回か見つけたが逃げられてしまったらしい事などが聞けた。
とりあえずペット禁止かどうかについてはこの際おいておこう。
二手に分かれて探すことにした。
アパートの周りをぐるりと見て周り、駐車場を見て周り、やがてまたアパートに戻ってきたところで重大なことに気がついてしまった。
そういえば、猫の名前も色もなにもしらないな……。
これでは探しようが無い、いったいどんな空回り正義感なんだ。
気温もどんどん下がってきて、厚着も役に立たなくなってきてる。
地面に座り込んで自分の愚かさを嘆いていると、アパートの向かいにある家の生垣の向こうからナーという泣き声と鈴の音が聞こえた。
ちりりんともう一度鈴が鳴ると、座り込んでいる目の前の生垣の隙間から灰色の猫が出てきた。
なんだお前は、俺を慰めてくれるのか?
そっと手を伸ばすと頭をなでた。
逃げられると思ったのになでられるがままになっている。
首輪をつけてるからこの家の猫なのか、今度はそっと抱き上げてみた。
すごくあったか~い。
あまりにも和んだので当初の目的も忘れてナァナァと猫の鳴きまねをして話しかけていた。
「あらあら! どこにいたんだいミーちゃんは!」
気がつくと老婆がそばにいた。
聞かれた!猫の鳴きまねを聞かれた!!!
……って、え? こいつ?
「ほんっと困った子ね~。ありがとうね~」
翌日の夕方、ほとんど何にもしてないのにお礼にと高そうなケーキをもらった。
というネタのような本当の話
まだ感がもどってきてないな……「猫探しと言えば探偵の仕事」とかのキーワードは思いついたが、入れ込む位置が思いつかなかった。
Posted at 2009/01/26 12:44:41 | |
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事件簿 | 日記
2009年01月22日
シャーロック・ホームズも真っ青の華麗なる帰還になるはずが、人間関係やらなにやらにもまれてボロボロだったぜ。
いや、今も続いているのか。
ハードボイルドだがガラスのハートだぜ。
いや、コンクリートのハートでも同じ目にあったらボロボロになるはず。
籐のバスケットにお茶セット、革のトランク荷物を詰めて愛車で気ままに旅行したい現実逃避にかかりそうになるぜ。
いや、籐のバスケットも革のトランクもないが……。
「いや」が多いな……。
Posted at 2009/01/22 18:41:19 | |
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事件簿 | 日記
2008年08月12日
午前11時、既に世間では就業開始時間を過ぎている時間だ。
世間といったが俺もだ。
正確に言えば午前8時59分までに席に着き、午前9時から就業開始となる。
しかし、俺はまだ住処がある駅にいる。
ハードボイルド的に言うところの壮大なる遅刻だ。
寝坊したわけじゃない。
第一、寝坊なんて響きがかっこわるい。
かっこわるいことはしない。
だから、寝坊じゃない。
ちょっとだけ目覚ましを無意識のうちに止めてしまっただけだ。
俺みたいに日々修羅場を潜り抜けていると無意識のうちに体が動いてしまうことがあるからしかたないことだ。
卓越した剣士が無意識に攻撃を避けてしまうのと同じだ。
お天道様がほぼ真上に来ているこの時間に自宅最寄り駅にいる理由なんてどうでもいい。
さすがに小腹が空いて来た。
『お腹がへった』とは言わない、なぜならお腹の数はへらないからだ。
そんな屁理屈をこねていると視界にマクドナルドが入ってきた。
マック…関東ではマック、関西ではマクド。
…まてよ?
もしかして関西では朝マクドやマクドシェイク、ビッグマクドなるものがあるのではっ?!!!
ぐー(腹)
「面白くなってきやがった」
時計なんてきにしてたらハードボイルドじゃない、俺は心を鬼にして真相を解明するためご飯を食べていくことにした。
尾行が無いかを一瞬で確認すると、素早く店内に踊りこんだ。
「なんたる涼しさ、これが文明か…。」
涼しさに圧倒されながらも手早くメニューを見る。
メガ…メガマック?
そこには下品な大きさのバンバーガーが俺を挑発していた、お前に俺が喰いきれるのかと。
やってやろうじゃないか…。
俺は不適に笑うと華麗に注文をした。
「チーズバーガーのセットで飲み物はオレンジジュースですね」
あぁ繰り返すなっ!
さて、久しぶりのマック、そして久しぶりの店内。
トレイを見れば山盛りのポテト。
そうだった、マックにこなくなったのはこれが原因だった。
この天高く積み上げられた山盛りのポテト(普通のMサイズ)、これを半分も食べきる前に飽きてしまい、さりとてもったいないので残すのも心苦しく、そんなんならもーこないっと心に決めたんだった。
こいつどうやっていわしてやろうか…。
その時、おでこに白い稲妻が走った。
見える、俺にも見えるぞ!
見えた映像はコニチワとかバンザイとか言いながら美味しそうにホットドッグを食べるマイケル・J・フォックス。
なんていう映画か忘れたがマイケル扮する映画俳優(笑)は勉強の為に警察署へ行き、そこで刑事の一人と下町を歩いた時にフロッグドッグなるものを美味しそうに食べていた。
フロッグドッグ…ホットドッグの上に別に渡されたポテトを乗せケチャップやマスタードを下品にぶちまけ、それを包装紙で無理やりまとめて口に放り込む食べ物だ。
これだ!
俺は躊躇なく目の前のチーズバーガーの上に載っているパンを外すと、綺麗にポテトを積み上げ始めた。
ケチャップやマスタードが無いのが少々問題だがこの際仕方が無い。
出来上がったフロッグチーズバーガーはメガマックを超える大きさになっていた。
なんてこった…。
映画は何テイクもあってやり直しが聞くが、人生は常に1テイクだけだ。
後には戻れないっっ、いくぜ。
Posted at 2008/08/12 14:51:24 | |
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事件簿 | グルメ/料理
2008年08月04日
キリンは泣かない、理由は知らない。
ハードボイルドもそう簡単には泣かない。
例えば暑さにやられて買ったペットボトルのビタミンウォーター。
そのキャップが緩んでバッグの中に広がり、やがて染み出す。
「なんだか右足だけ太ももから汗かくぜ…」
などと5分ほど不思議体験をした後それが驚愕に変わったとしても、だ。
そう簡単には…ううっ、しくしくめそめそ。
Posted at 2008/08/04 09:20:08 | |
事件簿 | 日記
2008年07月23日
和風にあこがれる俺だが、和風について詳しいわけでもない。
和風な習い事をする俺だが、侍について知ってることといえば…サムライキモノのハラキリ…あえて言うなら映画のラストサムライから得た知識しかない。
そして、和風に魅かれる俺だが苦手なものもある。
やつの名はあんこ。
やつは甘い顔して近づいてくるが気を許した途端に牙をむいてくる。
食うか、食われるか(食われる?)、やつとのやりとりは常に命の駆け引き。
奴らの中でも特に強敵が「みずようかん」だ。
実家にいた頃、よくお歳暮と言う名で俺のテリトリーを犯してきたやつらは、紙の箱に詰められ大人数で押し寄せてきた。
何が強敵ってあの写真と見た目だ。
ぺきっ、しょわっっと缶の蓋を開けばテカテカつやつやとし瑞々しそうな外見に目を奪われる。
な、なんて美味しそうなんだ…じゅるっ。
いや待てだまされるな俺、前回も同じ過ちを犯したじゃないかっ!
これが奴らの常套手段だ…って開けてるし!!
驚愕すべきことに、既に奴ら尖兵たる水羊羹の術中にはまりつつあったのだ!
でも開けちゃったし…今回は美味しく食べれそうな気がするし…。
うーん…。
いただきまーす♪
ぱくり、もさもさ。
ばたり。
今年もダメだったぜ。
ということを若さゆえの過ちということで去年まで毎年繰り返していたが、今年は嬉しいことがあった。
九州土産でもらったあんこまきカステラ(?)を、あんことしらずに食べたところこれがんまい!
思わず二つも食べてしまったほどだ。
ふふ、どうやら…、どうやら今年は俺の勝ちは確定の様だな。
まってろよ水羊羹っ!
〇〇七九年七月二十三日、かくしてかたばみのミズヨウカン反攻作戦は開始されたのだった…。
Posted at 2008/07/23 12:42:59 | |
事件簿 | グルメ/料理