江夏の２１球を久しぶりに見て

10月19日BSで再放送が有った江夏の２１球。
以前の放送はコレクションしていたが、故野村さんが解説していて興味深い。
400勝の金田さんや神様仏様稲尾様の現役時代は映像でしか見ていないので実感は無いが、長嶋さんのデビュー戦４三振を見ると金田さんの凄さは判る。
長嶋さんは1958年３割、ホームラン打点の２冠王、1959年から３年連続首位打者の時である。
稲尾さんは1955年防御率1.06、21勝〜30勝や42勝と鉄人なのにキャッチャーミットが動かないコントロール145キロの速球とシュートで276勝した投手なのは知っていますが、やはり現役時代を知っている江夏さんが一番である。
野村さんをして一番と言うのだから間違え無い。
あの王さん長嶋さんをキリキリ舞する速球は157キロは出ていた筈だ。
入団2年目329回投げて401三振はメジャーを含めて記録で有る。
日本記録354個を王さんから取る為、森さんや高橋一三投手に打たせるのに苦労したの名言。
延長ノーヒットノーランを自分がサヨナラホームランで決めた。
オールスターゲームの９連続三振も見たし、前年から翌年に掛けて１５連続三振は圧巻だった。
9個目の三振前にバックネットへのファールを追うなの話も有名だ。
名言や伝説に事欠かない。
1974年以降はスピードは落ちたが、抜群のコントロールと配球でリリーフエースの地位を確立してMVPを両リーグで獲得、200勝も達成193セーブ。
セーブ規定無い時の37セーブを足したら物凄い事になります、
前置きはこの程度にします。

さて江夏の２１球は3勝3敗の日本シリーズ7回から投げて4対3の９回裏の２１球で有る。
これ以降敬称省略。
先頭打者にヒットを打たれ代走藤瀬の場面、アーノルドがヒットエンドランのサインを見落としアウトのタイミングだが、水沼がワンバウンド送球をショート高橋が取れずノーアウト３塁。
アーノルド４球に代走、次打者敬遠でノーアウト満塁の絶対絶命のピンチに池谷と北別府が延長に備えてブルペンへ。
これまで1年間江夏に任せていたのにプライドが傷付いた処にファースト衣笠が駆け寄りお前で負けても悔いない等の声掛け。
ここで後に首位打者を取る佐々木恭介が代打。
初球ボールのカーブを体制が乱れず見送る。
カーブ待ちを見破りストライクの直球を投げ見送り、以降ボールのカーブでファール、ボールの直球で佐々木恭介は頭が混乱。
最後はボールのカーブで三振。
佐々木は打席に入る前に打てると思っていたと述懐しているが２球目の見逃しを後悔している。
近鉄西本監督が次打者平野に最初から打っていけと指示したのに1球目を見送った。
ここで西本監督はスクイズのサインを出す。
水沼と江夏はスクイズを察知。
投げ掛けた時に平野がバットを寝かせたので頭上でウエストに変更した。
カーブなのでバットの下をボールが通り空振り。
藤瀬はホームベース手前約5mでタッチアウト。
古葉監督はサインのままでウエストを練習させていた。
しかし、そんな事は実戦で２度と出来ないと江夏は言っている。
次の打者が三振でゲームセットで優勝で終わり。
これが私が知っている最高の投手江夏豊さんを挙げた所以である。