
ひっさびさのブログです。
インプレss・・・もとい、WRX STI(以降「VA」)の試乗レポを書きたいと思います。
今回はN氏に同行、店長が応対してくれました。
このレビューを通じて、クルマをあまり知らない人にも、
スバルのクルマ作りへのこだわりや、良さをもっと知ってもらえたらと思います。
[外観]
(デザイン)
パッと見、先代(以降「GV」)と比べて、そこまでゴツいという印象は無く、それは運転していても体感できることでした。
まず運転席に座っても、ボンネットのエアインテークの高さが、歴代モデルから見ても、
随分と抑えられているお陰で車両感覚も掴みやすく、狭路走行時でも怖がる心配は随分と無くなったと言えます。
某つーちゃんねる掲示板では、公開前のニュルのテストカーを見て、
「フロントフェンダーがドアパネル直前でストンと落ちすぎていて、迫力に欠けるのでは」
「リアのフェンダーラインがつまらなくなるのでは」と心配する声が多くありましたが、実車を見るとその心配はすぐに消えました。
今回標準モデルではオプションではありますが、TypeSに標準装備となるリアスポイラーは、
過去にない立体的なデザインから、迫力があります。
フロントは、LEDヘッドランプです。
ボンネットはアルミらしいですが、ボンネットダンパーが付き、超軽いです(小並感)。
(ホイール周り)
BBSホイールに関しては、外からみて分かる場所に刻印は無しでした。
タイヤはまさかのダンロップできました。「SP SPORT MAXX」です。
RT(?)と書かれており、恐らく専用設計なのでしょうか。
(カラー)
私のインプ(以降「GDB」)と比べる…ところではありませんが、
同じブルーでも、従来のWRブルーマイカではなく、WRブルー・パールになった点は、個人的には特筆する点かと。
追加料金が要らないのですが、一応「パール」という名前が付いています。
恐らくC型になるまでに消えるであろう()ライトニングレッドも、ちゃんとあります。
[内装]
(運転席周り)
公式ページで写真をみて、「絶対見にくい」と思っていた、9時の位置から始まる回転計と速度計。
実際に乗ってみると、そこまで気にするほどのものではありませんでした。
それよりもスバルお得意の「マルチファンクションディスプレイ」の方に興味を持ちました。
普段使いで気になる燃費の表示や、ピークホールド機能付きのブースト計が表示できる等、
時間がすぐ狂う緑文字のデジタル時計よりかは、役に立ちそうです。(ソースは私含むGDB乗り)
トランクスルーも着いており(6:4分割)、長尺物も詰めたり、その気になれば横になって車中泊も!?
まぁ、中にはここを塞ぐ人種もいるんすけどね…(笑
帰ってきて内装を見ていると、ステアリングのセンターのエンブレムが、STIではなく、六連星なんですよね。
3スポークの6時の位置に、STIの刻印があります。
(質感)
皆さん気になるであろう質感ですが、もう従来の安いインプレッサではありません。
「従来のインプレッサ」をイメージして乗ると、上質に感じることはできるのではないでしょうか。
現行インプレッサシリーズ同様、「従来のインプレッサ」より1ランク上の内装になっています。
はい、大事なことなので3度言いましたが、内装デザインについては、従来のインプレッサより良くなっています。
(ただしスバル的には、ですが。)
BL/BPレガシィぐらいで、個人的にはスバルの内装としては期待値以上です(だから車両価格だけで400万超えたのか?)。
逆に言えば、BL/BPレガシィをイメージして乗ると、しっくりくると言うこともできます。
(最も、レヴォーグはダウンサイジング・レガシィとスバルは公言しており、
似た外観のVAは、ダウンサイジング・レガシィセダンと解釈しても間違いではないだろう)
従来のスバル車の車格及び質感は
歴代レガシィ>歴代インプレッサ
と明確だったものが、
現在のスバル車の車格は、
レガシィ>レヴォーグ&WRX>インプレッサ
質感・デザインは
レガシィ>BL/BPレガシィ≧レヴォーグ&WRX=インプレッサ
と言って良い水準になったように感じます。
とりあえず、インプレッサの進化というより、WRX STIのスポーツイメージをそのままに、
質感をレガシィにした…ような印象です。
(居住環境)
特筆する点は、左右独立エアコンになったこと。
これは人を乗せて走るには、非常に便利なところで、至れり尽くせりです。
本当にBL/BPレガシィクラスです。
あと、「人を乗せて走ること」を本当に意識しているのが伝わってくるのが、
運転者以外の居住環境の改善でしょう。
助手席は座っていませんが、後部座席に関しては、足元が驚くぐらい広くなりました。
(座っていて、足元が狭いと思わなかった)
[実走]
(走る前に)
運転席に座りますと、まぁ色んな情報が入ってくるクルマです。
最初にも書きましたが、とにかくシートを一番下にしても見切りがよく、左側と右側がイメージしやすい。
従来よりシンプルなフェンダーデザインのお陰でしょう。
クラッチはGVよりちょっと重くなったかな?という感じですが、かえってフィーリングが掴みやすい。
同行したN氏も同じ意見でした。
重さに関しては、
重い←GD←←VA→GV→軽い
ぐらいの印象でしょう。
シフトに関しても、GVよりもストロークが短く感じられるようになっています。
ただこれもちょっとの違いなんですが、GDとは大きく違いを感じることができます。
GVと比べると、感触が良くなっています。
硬すぎず、でもマイルドすぎない。それでいて、扱いやすい。
(BRZは、確かにカッチリしているが、単にいたずらに硬いシフトで、私個人としては「全く」合わなかった)
(私見としては、フィーリングはGD>VA>GV>>(越えられない壁)>>BRZ)
(BRZ乗ってる人ごめんなさい。まぁそれぐらいすぐ変えられるのでどうにでもなりますが)
(走る)
走り始めると、GVの時と同じく「静か」。
前席に座っていても、声を大きくしなくても後部座席の人と喋れる、最早最近のクルマでは常識になっているのでしょう。
試乗したクルマは、WRX STIの最上級グレード、Type S。
このクルマは標準仕様に比べ、
BBS鍛造ホイール、リアウィングに加え、走りの上で大切な、
ショックアブソーバが、有名な「ビルシュタイン」製であること。
これはインプレッサWRXシリーズには、純正装備されたことの無かったものです。(レガシィでは定番(?))
この足がまた、GDBの純正でも酷かった、所謂スポーツカー特有のゴツゴツ感が「一切」無く、
イイ感じに吸収してくれるんですわ…。
こればっかりは乗ってもらわないと、口では伝えられないです。
リアの独立懸架ダブルウィッシュボーンのお陰で、接地性・安定性が素晴らしい。
4輪ストラットのGDBの比じゃないです。
加速に関しては、言うまでもありません。
普通の人なら308馬力、43キロのトルクがあれば…大体お分かりいただけるでしょう。
不足は無いですね(それどころか十分である)。
デフに関しては、フロントはヘリカルLSD、リアはトルセンLSDです。
ちなみに、Uターンした際、リアタイヤが少し「かきました」。
町乗りのしなやかさと、ちょっとスポーティな感覚が両立しているんでしょう(適当)。
不満がある人や、求める人は、勝手に変えるでしょう(投げやり)。
(GDB-Eは、リアは機械式なので(察し))
さて、運転席周りの走行に関するスイッチは、SIドライブというものがあったり、DCCDがあったりします。
(SIドライブ、DCCDが分からない人は、自分で調べてね)
試乗の際、DCCDは触らなくていいですが、
スバル車に共通して言える、SIドライブに関してはオススメアドバイスがあります。
まずはI(インテリジェント)モードで走りましょう。そして次に、S#、最後にSモードを使うのがオススメです。
とにかく従来型と比較したい人は、いきなりS#でいいですが、
そもそもSIドライブを試したいという人は、I→S#→Sで体験することをお勧めします。
まずIモードで走り、スロットルのフィーリングを確かめます。すると、ゆっくりとクルマが反応します。
次に、S#にしてみると、スロットル操作に対し、クルマは非常に俊敏に反応してくれます。
最後にSモードで「こんなもんか」と思いながら、普段の自分の乗り方をイメージして走るといいです。
IからS#にすると、楽しみ倍増です。逆だと絶対、Iを退屈に感じてしまい、一生(?)使わなくなってしまうでしょうから、
一般ユーザにも、自動車ファンにも、共通して、「Iから始める」ことを、強くオススメします。
最後にもう一度。
「I→S#→S」
(曲がる)
ステアリングの俊敏さは健在で、スッと反応してくれます。
ただ、やっぱりGDとは明らかに違う。
ちなみにVAは、純正でストラットタワーバーが付いていません。
そう。
今のSTIは、「ガチガチに剛性強化をする」ということをしません。
適度に「いなす」ことにより、快適性を損なわず、ドライバビリティを損なわず、
これらを両立させることを、高い次元で実現させているのです。
(実際は、目には見えないこういう所にコストをかけているのだ)
なので、GDBほどのガチガチ感は無いものの、
元からシャシー(フレーム)がしっかりしている所に加え、GDBに比べ、遥かに高いボディ剛性を持ちながら、
いなす所はいなす設計がされているんです。
例えばオプションにある「フレキシブルタワーバー」を例にすると、
横方向の力にはきっちり作用しながら、縦方向には逃げをつくる(=いなす)ことで、乗り心地を犠牲にすることなく剛性アップ、
また、接地性の向上等の効果があります。
(止まる)
第一印象。「純正でここまで来たか。」
なかなかのカッチリ感があるじゃないか(←何故か上から発言)
これは、今までのGD・GVよりも、一番カッチリしているのでは。
GDBのA型から現行まで、全てを試乗しているN氏も感心。
小細工してある私のGDなんかよりも、よっぽどフィーリングが良く、それでいてコントロール性も純正なのでバッチリ。
安心してワインディングも楽しめるのではないでしょうか。
[総評]
このクルマは、誰でも家族や他人を乗せて、ワインディングを安全・快適に楽しむことができるクルマと言えるでしょう。
最近のスポーツカーに共通して言えることは、
「快適性を損なわない」
「誰でも、どのようなフィールドでも楽しむことができる」
これらに非常に重きをおかれている点です。
GDBは、300万円台で買える、ドライバビリティの高いクルマでしたが、
「正直、GDBはファミリーカーにはちょっと…」という人は沢山いたはずです。
GVになってからは、遊び心のある内装デザインや、居住快適性も手に入れました。
今回VAでは、質感も加わり、このモデルについては、最新型=最高の完成系であると言えましょう。
最近のスバルは、正直飽きてきていましたが、このクルマで見直しました。
スバルには、こういったクルマを、これからも作り続けていってほしいです。
(値段について)
VAは質感(スバル車にしては)も、性能も申し分なく素晴らしいです。最高です。
が、カタログモデルとしては、値段も記録更新してしまいました。
今回このType Sについては、消費税込で4,114,800円、
標準グレードについては、消費税込で3,790,800円。
そりゃぁ、400万超えてたら、ケチの付けどころが少ない、良いクルマなわけでして…。
(参考:GVB…3,844,800円、GRB…3,790,800、GVB spec Cエアコン車 3,564,000円)
今後、勝手な予想ですが、
Spec Cが出てきます。 恐らく17インチ仕様も出ると思いますが、これらでもまぁ、350万~はするだろうなと予想。
(限定車は550万で出たら御の字?)
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以上、自称スバリスト(←最近スバリストって言わない?)のレビューでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。