
いつか行こうと思っていたメイド・カフェへ行ってきた。結論から言うと実に千差万別、とても「メイド・カフェ」と一括りにはできないと感じた(と言っても2軒しか行っていないが)。
きっかけは『
乃木坂春香の秘密
』。アニメを観ると従業員がメイド服を着ているだけであまり普通の喫茶店と変わらないように観えたので、行ってみようと思いたった。
1軒目は秋葉原にある「
@ほぉ~むcafe」。『乃木坂春香』にも実名で登場する典型的なメイド・カフェである。
驚いたのは、入店料が一人700円かかること。ホームページのどこにも記述がない(と思ったら
FAQに書いてあった)。店の入り口で説明があるので一応入店しないこともできるのだが、『乃木坂春香』にも登場することだし、経験料と思い切って、入ってみた。
まぁ、なんというか、「萌え~」な世界である。「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様!」はデフォルトだとして、「萌え萌えじゃんけん」だの「メイドさんと
チェキ撮影」だの、「萌え~」を演出する仕組みが色々あるが、逐一有料。数百円という値段が微妙で、結構楽しんでいる人がいた。店内は、BGMが爆音仕様のクルマみたいにうるさかった。
とりあえず初メイド・カフェなので、紅茶を飲むだけにする。一応ポットで出てくるが、2杯分とそれほど多くない。持ってきたと思ったら、「紅茶に愛情を込めます」。メイドさんがやってくれるのだと思ったら、何と自分達もやるのであった。手でハートの形を作り、紅茶の上で「にゃんにゃん!」。…BGMがうるさくなかったら、とてもじゃないが恥ずかしくて出来ない。
頼んだ紅茶は出てきたので、これで終わりかと思ったらさにあらず。適度な間隔をおいてメイドさんが入れ代わり立ち代わり話をしに来てくれる。なるほど、入店料が700円かかる訳だ、と納得。少しでも評判の良いメイドさんは他店に引き抜かれるそうだから、人件費が高いのだ。
典型的な萌え型メイド・カフェ体験としては良かったが、好みではないので多分二度と行かない。逆に、萌え要素を求める人には最適な店だと思う。
2軒目は、池袋にある正統派メイド・カフェの代表、「
Wonder Parlour Cafe(ワンダーパーラーカフェ)」。
ヴィクトリア朝メイドを手本にしており、萌え要素はほとんど無い(「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様」も無い)。その代わり、接客態度の品格が素晴らしく高い。間違いなく、日本一の接客態度だと思う。入店料100円も、この接客態度に比べれば充分安い。
その分、客にも品格が要求される。店にいるうちに自然と背筋が伸びてくる。物音を立てるのが憚られる。クラシック・コンサートを聴く時のように自然と落ち着いた雰囲気になり、とてもリラックスできた。
接客態度がどう素晴らしいかというと、落ち着いていて動作がゆったりとしており、言葉遣いが丁寧。しかしトロいのではなく、お茶を淹れる時の動きなど無駄がなく早い。片手に1リットルの紅茶と茶器2セットを載せたお盆を持って微動だにさせない。頭を下げる時など、品良くゆっくりと丁寧に頭を下げる。ヴィクトリア朝メイドは確かにこうだっただろう、と思わせる接客振りである(『
マナーハウス
』を観ると実際はもっと凄いようだが)。
紅茶の種類も素晴らしい。
フォートナム&メイソン、
フォション、
ハロッズ、
マリアージュ フレール…。紅茶専門店ほどではないが選ばれた15種類が揃っている。紅茶の淹れ方にも感心した。お湯と空気の混ぜ方など、こうやるのか、と勉強になった(が、真似出来そうもない)。
唯一萌え要素を感じさせたのが、写真のデザート、りんごのシブーストのお皿に描かれたメイドの顔である。むしろ何となく、場違いのような感じがした。萌え型メイド・カフェと違って、メイドさんは普通にオーダーを聞き、給仕するだけで、話しかけることは無い。その分、むしろゆっくりと過ごすことが出来た。
結局、食事・デザート・お茶と1時間半ほど滞在して、大いにリフレッシュした。この店は、また必ず訪れるだろう。逆に、品格の高いところが苦手な人は、肩が凝るだけかも知れないが。
なお、イベント時には様相が一変する。ヴィクトリア朝メイドを期待する場合は、電話で通常営業であることを確認する方が良いだろう。
店を出て、通称「
乙女ロード」の何店舗かを覗く。10年前、サンシャイン60にある会社に通っていた頃は
アニメイトしかなかったのだが、随分様変わりしたものだ。
アニメ・ショップの後は、道路を挟んで向かい側にある
巣鴨プリズン絞首台跡の「平和の碑」を訪れる。東條英機ら
A級戦犯の他、BC級戦犯合わせて59名が絞首刑
(他1名が銃殺刑)となった場所である。このギャップは、多分アニメ・ショップを訪れるほぼ全員が知らないことだろう。
Posted at 2010/06/21 07:03:56 | |
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