エブリイ車中泊仕様自作

エブリイの車中泊仕様が完成した。方向性のきっかけは、キャンピングカー・フェアでお会いしたほぼ個人の出展者。「派手な内装を売りにする業者が多いけど、本当に必要なのは平らな床と遮光カーテンだけだよ。他は必要になったら付ければ良い」。実装後何度か車中泊したが、必要なのは確かにそれだけだった。私はカーテン用の布地にこだわったので少し高くなったが、それを除けばおそらく総費用は2万5千円位だと思う。

私のグレード、JOINターボは商用ながら乗用を意識した作りとなっているため、後席を畳んでもフルフラットにはならない。この段差を埋めるため、1×4材と2×4材を組み合わせて嵩上げした。交互に組んでいるだけなので、バラバラにして降ろすことが出来る。

その上に一応ベニヤ板を1枚敷いてから、幅30cmの床材を4枚敷いた。内装に当たる部分は切り欠いている。床材の長さは182cmだが、この状態で前席が運転できるポジションであることにこだわった。災害時の利用も視野に入れているので、寝ていてもすぐに運転できるようにしたかったのである。そこまで深刻でなくても、車中泊中ちょっと周りがうるさいような時、気軽に移動できて良い。

後席の左右には、ハイエース用の車内カーテンレールを使用し、内張りに簡単にねじ止めした。今回の車中泊仕様で唯一のカー用品である。スライドドアの受け部を避けるためにねじり曲げが必要なので、細くて曲げやすい専用品を使用した。これはキャンピングカー・フェアを見る限り、どの業者も同様だったようである。カーテンはインテリア店に売っていたアルミ付き遮光裏地カーテン(1×1.8m)を縦横替えて使用し、手芸店で売っているカーテンフック用のナイロンリボンを縫い付けている。最初の写真にあるように室内側に模様のある布地を縫い付けているが、これは無くても良い。

前席3方の窓。フックはホームセンターで買ったものを内張りにねじ止めしている。カーテンはアルミ加工された断熱用の紙に布地を縫い付け、写真のようなハトメリングを打ち付けている。引っ掛けているだけなので、落ちやすいのが欠点。前席左右のカーテンは意外と形が複雑になるので、現物合わせで制作している。一番大変なのはこのカーテン作りで、妻が手芸を趣味としているので作って貰えたが、ミシンが使えない人にはちょっと難しいかも知れない。

後方の窓も前席同様だが、フックは簡単にマグネットフックをバックドアに貼っただけである。

ニトリの4分割マットレスを敷けば、車中泊仕様の完成である。単価で言えばこのマットレスが一番高く、約1万円であった。4分割のうちの1つを写真のように起こしておくと、ちょうど前席の背面に添う形で枕のようになる。枕としては少し高さがあるが寝具として使うシュラフを敷くと私にはちょうど良い高さになった。

普段は4分割マットレスを、写真のように畳んでいる。一部分を起こせば背もたれ付きのソファになるのだが、今のところその使い方はしていない。前席が普通に使えるので、起きている時は前席にいる方が楽である。これで2泊3日2回を含む車中泊を何度か行ってみたが、必要十分に感じる。少なくとも私にはシンクだの格好良い棚だのは不要である。その分車内スペースが広い方が良い。唯一の欠点は、オイル交換する時に後席を起こして前席を後ろに倒す必要性からこの内装を全て降ろす必要があることだが、それほどひどく手間でもない。逆に言うと業者の派手な内装を組んだ場合、オイル交換やバッテリー交換はどうするのだろうか。