門飯こと鷲宮の"ラーメン屋"さん
「門前飯店」さんが、本日をもって52年間に渡る歴史に終止符を打ちました。
ここ最近の材料費の高騰、とくに業務用食用油の価格が倍近くになったのが一番響いたと聞きました。大将は兼ねてから「ウチの店の値段はあまり高くしたくない。」と言っていて、残念ながらこれ以上続けるのは断念するしかなかったようです。
鷲宮が「らき☆すた」の聖地となって一躍脚光を浴びたのは、今から15年前の2007年、アニメ版の放映があった年。自分が初めて鷲宮を訪れたのもその年の12月でした。
ただ、最初はどこにどういう飲食店があるのか把握しておらず、門飯を初めて訪れたのも鷲宮に通い始めてから暫く経ってからです。
その鷲宮の飲食店が注目を浴びたのは、何回か開催された
「らっきー☆すたんぷらりー」です。鷲宮の飲食店で「らき☆すたメニュー」を食べてスタンプを集めると記念の景品をもらえるという企画。ここに「門前飯店」も参加していました。
第1回目は2008年4月から9月まで開催され、この時はまだ「らき☆すた飲食店スタンプラリー」と言っていました。
2008.08.30
2008年8月、そのスタンプラリーで初めて門飯を訪れました。
古い写真を見返していて改めて思い出しましたが、この当時はまだお店の壁は黄色ではなくグレーだったんでしたね。
2008.08.30
この時、店内にはすでにファンが持ち寄った「らき☆すた」グッズが飾られていました。
2008.08.30
門飯で初めて食べたのは、らき☆すたメニューの
「つかさのコーンいっぱい味噌ラーメン」です。
スタンプラリーで「鷲宮の飲食店、どのお店も美味しいじゃないか」と思いましたが、このコーン山盛りの味噌ラーメンもそのうちの一つです。
2009.02.14
店内のグッズも増えてくると、後に陳列用の棚が増設されていました。
2009.02.14
結局、門飯では一度しか食べなかった固焼きそば。お店で揚げたパリパリの麺にあんかけがかかっていて美味しかったです。
閉店が近くなって、もう一度食べようと思ったらその時はもうメニュー落ちしていました。
2009.12.17
40周年を前にしてお店の外装がリニューアルされ黄色くなりました。
入口の脇には有志により「門飯神社」が建立。
お賽銭はらき☆すた行事のために鷲宮町商工会に寄付されます。
2009.12.17
この頃はメニューも華やかで、らき☆すたメニューだけでなく頻繁に訪れるお客さんに因んだメニューもなぜかありました。
2010.04.03
らっきー☆すたんぷらりーが回を重ねるにつれ、門飯のらき☆すたメニューもバラエティーに富んで来ました。
2010.04.03
ツンダレソースかつ丼(つかさ味使用)
鷲宮の名産品
ツンダレソースを使ったソースかつ丼です。
この当時のツンダレソースは「柊かがみのツンダレ甘辛味」と「柊つかさのバルサミコ酢入り」の2種類あって、このソースかつ丼には「柊つかさ」の方が使われていました。
つかさのコーンいっぱい冷やし中華。
2010.08.21
コーンいっぱいシリーズの冷やし中華、夏の暑い日にさっぱり食べられる一杯です。
40周年となった2010年には門飯グッズまで作られました。
鷲宮限定「門飯☆神社キューピー」根付。
2012.05.26
毎年7月になるとらき☆すたの柊姉妹誕生日を祝うイベントが商工会主催で開催されますが、門飯でも7/7に500円以上の食事をするとバースデーカードがもらえるイベントを開催したことがあります。
2012.07.07
これが門飯で配布したバースデーカード。
この年と翌年の2年間行っていたかと思います。
その他の門飯思い出メニューの中から・・・
なぜか「キューピー」と名付けられた醤油味ジャージャー麺。
ジャージャー麺と言えば普通はみそ味ですが、醤油味というところがこのメニューの特徴。
冷たい麺に暖かい醤油味のひき肉のあんがかかっていて、お気に入りのメニューの一つだったのですが、いつの間にかなくなってしまいました。残念。
ラージャンみそラーメン。
野菜たっぷりのピリ辛みそラーメン。食べると癖になる味です。
2013.06.01
メニュー表。
これは一度メニューの整理が行われた後のものですが、バラエティに富んでいて何度通っても飽きさせない工夫が垣間見えます。
自らをラーメン屋と語っていましたが、数が出るらしい「かつ丼」や「カレーライス」など"らしからぬ"メニューも。
その門飯が閉店するのでは?という話が流れてきたのが今年の5月。
慌てて次の週末に訪れたら、大将に「話を聞いて来たか」と言われました。
この時は「まだ今すぐ閉めるわけではない」とのことでしたが、ただ、材料費の高騰が辛くていつまで続けられるかはわからないという感じでした。
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そして、その約1か月後・・・
ついに閉店のお知らせが。
8月末までならこれ以上値上げせずに、店にある材料でやれるんじゃないかということで閉店日を決めたようです。
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そして、8/20(土)。
次の週末は通院日なので、門飯行けるのはこの週末が最後だろうと思い、夕飯を食べに行きました。
到着すると、まだ6時半ごろなのにもう暖簾が中に入っていて「今日は終了しました」という札がかかってるではないですか。
駐車場で「あれ?」と思っていたら、大将が出てきて「一人ならいいよ。カウンター開いてるから入って」と無事お店に入ることができました。
何でもお名残り客が多くて、集団が来てももうさばききれなくなっていたとのことでした。
門飯での最後の食事は、門飯で一番好きだったメニュー「豚肉みそ辛炒め定食」。
かつて、門飯に何度も通ううちに、たまには変わったメニューを頼んでみようと思ったのがきっかけでした。メニューに「辛」って入っているので、大将に「これ辛いんですか?」と聞いたら「大したことないよ」ということだったので注文してみたら、豚肉は柔らかいし味噌だれもコクがあってとても美味しく、それ以来、お気に入りのメニューとなりました。
聞くと、2種類の味噌とごま油を使っているとのこと。でも他では味わったことのない門飯だけの味です。これがもう味わえないのは残念でたまりません。
結局、材料のストックがなくなるということで、告知より1日早く最終日となったようです。
冒頭のスタンプラリー用紙にあったお店のうち、すでに半数が店主の体調不良などで店を閉めていますが、そこへ門飯が加わる日が来るとは・・・
門飯の大将は厳しくも優しくファンに接し、「らき☆すた」ファンと地元との橋渡しもしてくれました。自分にとっては鷲宮を象徴するお店の一つです。
門前飯店とお店を支えてきた大将と女将さん、ほんとうに長い間お疲れ様でした。
追記
2023.5.14に大将が亡くなられたそうです。
正月に神社でご挨拶したのが最後になってしまいました。心よりご冥福をお祈りいたします。
Posted at 2022/08/29 20:32:48 | |
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