★Y!ニュースより
<札幌の模型店>113年で幕 3代目店主「体力の限界」
札幌市中心部の狸(たぬき)小路商店街最古の店で、1902(明治35)年から営業を続けてきた「中川ライター店」(中央区南3西4)が12日、113年の歴史に幕を閉じる。体力の限界を感じた店主が閉店を決意。レトロな店の天井からつり下げられた飛行機の模型や棚にびっしり積まれたプラモデルに胸を躍らせてきた元少年たちが子どもを連れて別れを惜しみに続々と訪れている。
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戦時中、海軍航空隊に所属し飛行機が大好きだった3代目の中川昌三さん(88)が復員後に店を継いだ際、それまでの喫煙具などに加え、飛行機の模型をたくさん仕入れ店に並べた。おもちゃに魅せられて集まってくる子どもたちに竹を使った模型の作り方を教えたこともあったという。
中川さんは2008年に店を次男功清(のりきよ)さんに引き継いだ。ところが功清さんは13年12月、50歳で急逝。体調がすぐれず入退院を繰り返していた中川さんだったが、「店と一緒に死んでもいい」と2本のつえで体を支えながら店に立った。だが、体力の限界を感じ昨秋、閉店を決意。「頑張ってきたよなあ」と、しみじみ周囲に漏らした。
年季が入った「中川商店」の看板の下に「閉店、売りつくし大セール」のはり紙が掲げられると、少年時代に通っていたお父さんたちが子どもを連れて店を訪ねてきた。当初1月末に閉店予定だったが、在庫が予想以上のペースで売れ、12日に早まった。飛行機の模型を見て涙を流す客もいたという。
11日、小学生から高校生の頃までよく通ったという稲川貴博さん(44)は10歳の息子を連れて来店。「宝物が置いてある場所だった。狸小路に来たら用がなくても立ち寄った。模型の多くはおこづかいで買える値段ではなかったが、見るだけで楽しかった。いつまでも当然のようにあると思っていたのに」と寂しげに話した。
年明けからふたたび入院中の中川さんに代わって店の最後を見届ける、功清さんの妻瑞恵さん(50)は「店は義父にとって人生そのもの。気力だけで踏ん張ってきた」と振り返り、「たくさんの客が『お疲れさま』と声を掛けてくれる。皆さんに愛され、少年たちにとっては『聖地』だったのだなと改めて実感しました」と語った。12日は午前10時半開店で、午後5時にシャッターを下ろす。【日下部元美】
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2015/01/12 12:26:58