CB450に乗る前の親父の単車。
450よりも軽くて燃費が良いのでVT250F降りてから暫く借りて乗ってました。
↓昔のブログの文章を、そのまま貼ってみる。
京都の夏、真っ盛り。
京都に生まれたとはいえ、京都に育ったわけじゃないので「三大祭」は見た事がない。
祇園祭に関する思い出だけが、この時期の、心の真ん中にちょこんと居座って離れない。
小学校3年生の頃、単車がやって来た。
CB250T、グリーンのタンクに少しアップされたマフラー。
「本当は4フォアが欲しかった。」と親父は言ってたが、賃貸アパート住まいで自家用の360cc軽乗用車より大きな単車の購入は経済的に無理だった筈だから、親父にとっては精一杯の新車購入には違いなかった。
突然やってきた単車に少し驚いたが、親父から購入理由は「仕事の為」だと聞かされた。
京都・四条河原町の「バラの包み」で有名な百貨店に勤めていた親父は、「警備の都合で泊まりになる事が多く、祇園祭の山鉾巡行近くになると市電もバスも利用出来ず、日勤でも通勤が出来なくなり宿直室で一週間近く過ごすことになる。単車なら駐車場所にも困らないし、通勤可能だ。」と説明してくれた。
しかし年間通して考えると、夏場の繁忙期の為にだけ単車を購入したというよりも、ただ「欲しかった」モノの為に家計からの出費を正当化させる理由が欲しかったのだと思う。
子供心に「仕事って大変だ」と思っていたけど、それよりもピカピカの単車が玄関先にある事が、妙に現実離れしていて嬉しかった。
以来、祇園祭が近づくと、親父は通勤手段を単車に切り替えて朝早く出勤し、夜遅く帰宅していた。
朝6時頃になると、表通りまでCBを押して行き、近所迷惑にならぬ様に始動させ、深夜遅くに帰ってくる時にはアパートの100m以上手前でエンジンを切り、惰性で玄関先まで転がして戻り、いつ帰ってきたのか判らない日が何度も有った。
「雨降りの京都市内は怖い」と、何度も聞かされた。
市電の石畳やレールは雨に濡れると余計に滑り易い。
晴れていても派手にアクセル開くと簡単に単車は滑る。
何度も何箇所も怖い思いをしたらしい。
「京都市外からバス通勤しているヤツより早く出勤出来る」って言うのはちょっと大袈裟だったけど、当時の山陰線や奈良線の国鉄ダイヤを考えると、有得る事だったかもしれない。
山鉾巡行も終わり、四条河原町に平穏が戻る。
もし今、親父が「バラの包み」のお店に通勤するとしたら、やっぱり「単車」を選ぶんだろうか。
JR-京都地下鉄-徒歩でゆったりと涼みながら通うのを選ぶんだろうか。
親父の事だから上下黒の革ツナギ着て、若手女子社員にキャーキャー言われても単車通勤すると思いたい・・・。
2012年の夏、こんな事かいてましたw
(画像はソロツーリングでの休憩中、野麦峠にて)