
福祉避難所をご存知でしょうか。
福祉避難所とは「地震災害などで長期の避難生活が見込まれる場合、健常者と同じ施設では生活が困難だったり救援物資が十分に行き渡らなかったりする障害者や高齢者、妊婦を対象に開設される(神戸新聞newsより引用)」施設のことです。
国がガイドラインで示しているのは、小学校区に1つ程度の設置ですが、朝日新聞社の調査によりますと、1つでも設置している自治体は全国で3割程度とのことで、特に福祉避難所の議論のきっかけとなった阪神大震災の被災地、兵庫県ではまだ半分程度の自治体しか設置されていません。
認知症家族会の方にお聞きした東日本大震災の避難所での悲しい出来事を紹介しますと、一般の避難所に認知症の方もおられ、環境に慣れないことから、不安定な行動をされていたようです。
結果、周りの方から疎まれ、避難所を追われた認知症の方が行き場をなくし、寒い屋外で亡くなられたということです。
今回の震災では、東北という土地の事情もあって、避難所が点在していたことから、様々な支援の時間と距離のロスがありました。認知症や障がいのある方等への支援も例にもれず、適切にできなかった実態があると聞いています。
もし、避難所間の距離が遠くなかったり、福祉避難所があれば、そこに各種専門職を集中的に配置でき、より適切な支援を効率的に提供できるようになります。
これは、災害時だけでなく、平常時でも有効です。
現在、様々な福祉サービスがありますが、今注目されているのが小規模多機能型の施設や、サービス付き高齢者住宅です。
正式な名称や内容は難しい言葉を使うことになるので、専門用語を使わずざっくりとした紹介になりますが、いわば利用者がある一定の地域または住宅にかたまって住んでいることで、安定的にサービスが提供できるというものです。
移動のロスを考えると、ホームヘルパーに代表される訪問型のサービスは、安定的なサービス提供が難しいです。
これは、デイサービスでも言えることで、利用者が点在していると移動効率が悪く、安定的にサービス提供ができません。
今、国は小規模多機能型の施設や、サービス付き高齢者住宅を推奨しています。
次はそれを選ぶ、利用者にアクションが求められています。
少子高齢化時代、働き手は減り、要援護者は増えます。
安定的な福祉サービスの利用を考えると、一定の地域に需要と供給があることが必要です。
これがうまくいけば、経済回復のきっかけともなりえます。
サービスの地産地消、引き続きつぶやいていきます。
写真は、気仙沼支援の仲間たち。みんな元気でいてくれるといいな。
Posted at 2011/12/15 23:50:14 | |
トラックバック(0) | 日記