
このサービスは高齢者が住み慣れた地域で、暮らし続けることを目指しています。
内容は、居宅介護支援(ケアマネジメント)、訪問介護(ホームヘルパー)、通所介護(デイサービス)、短期入所(ショートスティ)がセットになっています。
介護保険の課題として、それぞれのサービスの提供者が違うことで、利用者がとまどいを覚えるというものがあります。
通常は、訪問介護を提供する事業所は、ホームヘルパーによる介護サービスを提供します。
同様に通所介護事業所は、デイサービスセンターのようなところで介護サービスを提供します。
短期入所は、特別養護老人ホームのようなところで、お泊りサービスを提供します。
自動車でいえば、エンジンはA社が作成し、ボディメイクはB社が、サスペンションはC社が提供し、その調整を(チーム)オーナー等が実施するという流れです。
この場合、調整をするのが、オーナーであったり、(お金を出している)ドライバーであればいいのですが、もし、ショップの意向だったり、A社B社C社のそれぞれの言い分が優先されてしまうとどうなるでしょう?オーナーやドライバーの意に沿った車ができるでしょうか?
介護で言えば、これらを介護支援専門員(ケアマネージャー)が調整(ケアプラン作成)するのですが、実際にサービスを提供するにあたっては、それそれの事業所から様々な介護職員が提供します。
今日はA事業所のBさんがきて、明日はC事業所のDさんがきて、明日はE事業所で泊まるということがあり、そこで、利用者がとまどいを覚えるというものです。
そこで、小規模多機能型居宅介護では、一体的にサービスを提供できることで、Aさんが家にきて介護サービスを提供してくれたり、Aさんがいる施設で泊まることできるようになり、結果同じ介護職がサービスを提供できるので、利用者に安心感が生まれます。
車でいえば、オーナーのリクエストのもと、全ての作業を自社でするといった流れです。
もちろん、利用者と介護職の信頼関係があってはじめて安心感が生まれるので、小規模多機能型居宅介護は、利用者が安心感をもってサービスを利用できるきっかけを与えているにすぎません。
課題としては、利用者の囲い込みが行われ、質の高いサービスが提供されないことがあります。
というのも、通常は利用者はどこの事業所の介護サービスでも利用ができるのですが、小規模多機能型居宅介護に限っては契約した1つの事業所のサービスしか利用ができないからです。
これも車にあてはまると、質の悪いショップに囲い込まれ、散財させられたり、悪意はないけれど技術がなくて、結果的に無駄なお金を使うことになりかねません。
しかし、オーナーとショップにきちんと信頼関係があればどうでしょう?
顧客満足度という言葉がありますが、オーナーが納得さえすれば、たとえ壊れたり投資が高くついても問題はないように思います。
介護の世界も同じで、利用者とサービス提供者に信頼関係があれば、納得してサービスを利用することができ、利用者に安心が生まれるので、そのきっかけがちりばめてある小規模多機能型施設の充実は喜ばしいことです。
この小規模多機能型施設。本来の想定は、中学校区に1つ程度です。言い換えれば、近所の人が近所のサービスを利用するイメージです。
しかし、まだまだ介護には様々な誤解があり、サービスを利用することに抵抗がある方が多いのも事実です。
結果、近所ではなく、遠くのサービスを利用する傾向にあります。
昨日つぶやいたように、遠くになると移動のロスができます。小規模多機能型施設でいうとお迎えや訪問の時間にロスができ、多くのスタッフを抱えざるをえなくなったり、利用できる人数が制限されてしまい、事業所が安定したサービスを提供しにくい状態です。
もし、近所の人が近所の小規模多機能型施設を利用すれば、移動ロスも減り、介護への誤解がなくなれば近所の人が近所の人を介護するため、近所の事業所で働き、地域に雇用が生まれます。これが全国的に広まれば、地域でお金が回り、経済が上向くというイメージです。
介護といえば箱モノを立てるイメージがありますが、最近は大きな古民家を改修する事業所も増えてきています。
どちらかといえば投資が必要なのはハードではなく、介護を担う人材面です。いえば雇用です。
そして、経済の活性化、雇用の創出、福祉の充実です。
(参考)健康長寿ネット
Posted at 2011/12/16 23:01:47 | |
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