
レガシィB4 BL5を,2005年に新車で購入し,後数カ月で20年になります。1年に1万キロ弱乗ってきましたが,最近は通勤でBEVのコムスを使うようになって,オドメーターを見ると18万4千㎞ほど乗ってきました。コムスは2万㎞を超えていますが,中古で買ったときは3千㎞だったので,ちょうどB4とコムスで20万㎞を乗っている計算です。1年1万㎞と通勤や旅行でかなり乗っている感じです。
最近の車のラインナップはハイブリッド車がメインになってきました。ハイブリッド車は動力源にモーターも使うため,巨大な駆動用バッテリーが必要です。駆動用バッテリーはディーラーやカー用品店の情報や,AIに聞くと,一般的には年数では5~8年、走行距離では約10万kmが寿命の目安と言われています。長くても走行距離15万km前後または、10年以上の経過がひとつの目安という感じでした。トヨタが1997年に世界で初めてハイブリッド車を量産し始めたので,まだ20年も乗り続けている人が少ないですが,たまに20万キロまで駆動用バッテリーを無交換で乗り続けている例も見つけました。逆に運悪く数万キロで交換する羽目になる方もいました。
自分はガソリン車のレガシィB4 BL5が気に入っていて,更に乗り続けて30年30万㎞を目指そうとしています。その年数や距離は,ハイブリッド車だと,まだ量産型ハイブリッド車が発売されてから30年経っていないので,未知の領域です。でもさすがに駆動用バッテリー30年無交換は不可能だと思われます。
通常は,ハイブリッド車を20万㎞乗り続けるということは,10万kmで一度駆動用バッテリーを交換し,20万㎞となってそろそろ2回目の駆動用バッテリーを交換する時期が来る感じだと思われます。
ハイブリッド車の駆動用バッテリー交換の費用は,工賃を含めて20万~60万前後だそうです。ボルテージセンサーを交換するなどすると,更に5万ほどいるようです。
ハイブリッド車は燃費がいいというのがセールスポイントですが,ハイブリッド車のほうが車両価格が高く,その差額をいつペイできるか,ガソリン車と比べた損益分岐点を調べてみました。ハイブリッド車は燃費がいいので,長い距離を乗り続けて初めて,最初の車両価格の差を浮いたガソリン代でペイできます。ネットで調べると,カローラフィールダーの場合,24万㎞走ってやっと損益分岐点を迎えるそうです。トヨタ・ヤリスでは12万5千㎞で損益分岐点を迎えるという情報もありました。最初の税金の軽減や補助で縮小される価格差でさえ,10万㎞以上も乗らないとペイできないようです。10万㎞といえば,一般的に駆動用バッテリーの交換時期となるので,20万円以上もかけて交換することになります。すると,ハイブリッド車に長い距離乗って,やっと損益分岐点を超えて燃費の良さでお得感を感じていたのが,パーになってしまいます。得になっていた差額分を超えてしまい,更に長い距離を走らないと,ガソリン車の維持費の方が安くなってしまい,損益分岐点を超えられません。
ハイブリッドのお得感を訴えようと,ハイブリッドは回生ブレーキが利くため,ブレーキパッドの交換が少なくて済んで得だという情報もありました。しかし,ガソリン車のB4を20万キロ乗ってきて,ブレーキパッドの交換はほんの数回しかありません。
何より,20万キロB4に乗ってきて,もしハイブリッド車だとして,運良く駆動用バッテリーが持ってきたけど,駆動用バッテリーの交換時期を知らせるランプが点灯してしまい車検が通らなくなり,仕方なく駆動用バッテリーの交換を考えるとしたとします。20万キロ乗ってきた経験から考えると,その間,様々な部品が故障したり劣化したりするので,ディーラーや修理店へ持ち込んだり,自分はできるだけ費用を抑えるためDIYで修理し続けたりして,比較的安価に車を維持してきました。DIYで修理したり, オーディオを取り付けたりすると,だんだん愛着が沸いています。でも,20年20万キロ乗った後で,更に乗り続けるために駆動用バッテリーを20万~50万の費用を掛けて交換できるかといえば,他のタイヤ交換や部品交換の大きな費用もかかるだろうし,そんなに費用は掛けられないと思います。先日,B4と同じ時期に販売されたスバル車のウェザーストラップの部品が廃盤になったというニュースを見ました。20年を超えると,もう部品も手に入らない現実にも直面しなければならない状況なのに,駆動用バッテリーに2,30万もかけて交換するという現実に直面すれば,もう車を手放すしかありません。
ハイブリッド車は短期に乗り換えたり,土日だけなど短距離しか乗らないと,燃費の良さで損益分岐点に達しないため,高額になってしまうし,10万20万キロも乗り続けると,今度は高額な駆動用バッテリー交換が必要となってしまいます。つまり,損益分岐点だけで考えると,得になるのは,特定の状況だけで綱渡りのようなものになってしまう可能性があるのだと分かりました。
ネットの情報でも,結局『「燃費が良い」というメリットは、ほとんどないかもしれません。』と結論づけているサイトもありました。損益分岐点の真実は隠せないため,結局,加速などの乗り味や,静けさ,環境にいいことをしているという有用感を味わえるなどといったメリットを上げているものもありました。でも,環境に関しては,駆動用バッテリーの交換や製造時のバッテリーやモーターの二酸化炭素排出量や資源採掘による環境破壊を考えると,グリーンウォッシュに過ぎない気もします。加速はB4のスポーツモードやpivotの3-driveのスロコンで遊ぶだけで,十分楽しいです。静かさは,運転の楽しさを感じる上で,それほど必要なのか疑問です。そもそも雑音だらけの車内なので,DIYで取り付けたオーディオを聞いていると,静かさの必要性を全く感じません。
トヨタの元幹部の方が,動画で,エンジンとモーターの2つの動力源を載せるハイブリッドの技術は過渡期の技術に過ぎない,というようなことを言っていて,その通りだなぁと思います。全固体電池など,技術革新が起きれば,今のハイブリッド車は突然優位性を失う危険性もあるし,今の充電に時間のかかるBEVはごみ同然になってしまいます。重い動力源を2つ載せるハイブリッド車が,アイドリングストップの時と同じように,世の中に出始めの頃から,自分は何か巨大な無駄のように感じていた感覚が,改めて思い出されます。
環境ビジネスが席巻する世界で勝ち残るため,トヨタや日本の自動車メーカーには技術の固まりのようなハイブリッド車で頑張ってほしいです。スバルもストロングハイブリッド車で社運をかけてほしいです。しかし,自分はもし今のB4が廃車にせざるを得ない状況になったら,間違いなくガソリン車を選ぶと思います。
Posted at 2025/07/16 18:15:13 | |
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