4月4日発売のデアゴスティーニの隔週刊「第二次世界大戦傑作機コレクション」vol.31、三菱 零式艦上戦闘機三二型(二二型)です。
今回の「~傑作機コレクション」なんですが、『三二型(二二型)』という表記になっており、付録のダイキャストモデルのソレは主翼翼端が矩形(角形)の三二型であり、二一型同様に全幅が12mの二二型のモデルではない事は明らかなんですよねぇ。なのに、今回二二型も一緒に取上げました…みたいな感じでサラッと済まされちゃってるんですよねぇ…。これまで同シリーズには、一一型、二一型、五二型とラインナップされているのに、ここにきて二二型は三二型の中に組み込んじゃえ!みたいな雑な扱いになってしまっているのには大変不満ですね…。今後、デアゴスティーニ社の気が変わって、改めて二二型をモデル化する事に期待したいです。なので、今回は三二型についてのみ書きたいと思います。
さて、零戦三二型と言えば大戦中期に登場した量産型零戦の初めてとなるマイナーチェンジとも言える機種です。昭和15年に制式採用された零戦一一型及び二一型は、日米開戦前後から中国大陸や太平洋上で破竹の勢いとも言えるほどの戦果を挙げていました。そんな零戦シリーズの改良版である三二型の開発は昭和14頃より既に検討が開始されており、その試作一号機においおては日米開戦前の昭和16年7月に初飛行を行っています。
この三二型における二一型からの主な改良点としては、エンジンの馬力向上策として「栄一二型」空冷複列星型14気筒(940hp)から「栄二一型」空冷複列星型14気筒(1130hp)に換装された事や、冒頭でも触れた主翼の翼端形状が丸型から矩形(角形)に変更され、主翼の長さ(機体全幅)が一一型、二一型の12mから11mに短くなった事が挙げられます。エンジンが栄一二型から栄二一型に換装された事により、過給器が一段一速から一段二速となり上昇力の向上や高空性能、さらに横転性能や急降下性能など全体的な性能向上が見られました。また、主翼先端部50cmを切り落とした様な格好で翼端形状を矩形にし、全幅を1m縮小させた事により、艦載機としての運用の効率化を上げ、さらに製造時などの工作の簡易化が図られました。そして、武装面では20mm機関砲の装弾数がこれまでの60発から100発に増加した事も三二型の改良点として挙げる事ができます。
しかしながら、一方ではこの改修によってこれまでの一一型や二一型よりも劣ってしまった部分も少なくはなかったのです。まず、今回の20mm機関砲の装弾数増加などにより燃料搭載量が525ℓから480ℓと少なくなっています。燃料搭載量が少なくなったうえに以前よりも高馬力なエンジンに換装された事によって、零戦の強みの1つであった航続距離の低下を招いてしまいました。この様な改善点、欠点を踏まえて更に改善されていくのがこの三二型の後に登場する事となる二二型や五二型という事になります。
こうして、改めてモデルを間近で見てみましても、やはり矩形の主翼というのが何とも零戦として違和感を感じるといいますか、歴代零戦の中でも異彩を放っている感じですよね。やはり零戦といえば12mの全幅の一一型、二一型、二二型のスタイルが一番流麗で格好良いなぁ…と僕は思いますけどね~。
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Posted at
2017/04/14 23:44:57