今回は日産のアッパーミドルクラスサルーン、ローレル(C32型)をご紹介します。
永年使い続けてきたL型エンジンに別れを告げ、新開発された直列6気筒のRB型を初めて搭載したのがこのC32ローレル。
同時期には最大のライバルであるGX71マークⅡ3兄弟が登場したこともあり少し影の薄い存在ではありましたが、日産らしい先進装備を多数採用していました。
メイングレードのハードトップRB20メダリスト。
街でも一番よく見かけるのはこれでしたね。
CA18S型4気筒エンジンを搭載したグランドエクストラリミテッド。
マークⅡ兄弟より普及版のイメージが強いローレル、RD28のディーゼルも当時は黒煙撒き散らしてたくさん走っていました(笑)
この時期の日産車に共通するイメージの通称「絶壁インパネ」。
世間での評判は芳しいものではなかったのですが、私はすっきりしていて意外に好きです♪
C32はデジパネ装着車をあまり見かけませんでしたね。
エンジ色の内装もこの時代の定番。
この写真と全く同じものに座ったことありますが、GX71の2~3倍フカフカだったような…(^^;)
こちらはセダンのRB20メダリスト。
トヨタのお膝元である名古屋ではほとんどお目にかかれなかったと思います。
CA18グランドエクストラ。
このリアスタイルは教習車のイメージしかありませんが、上品でグレースフルらしいです(笑)
エンジンは後期型よりスカイラインにも搭載されるツインカム24Vターボ、RB20DETが追加されます。
また、ローレル史上唯一となるV6エンジンのVG20ET型は可変ノズルターボチャージャーを新たに採用した「ジェットターボ」に変更。
いかにもターボらしい過給音が素敵でしたね。
メカニズムにも上級のセドグロにも負けずとも劣らないハイテク装備がてんこ盛り。
この後の日産車の定番となるフルレンジE-ATをはじめ、超音波ソナーで路面状況を探知し減衰力を可変させるスーパーソニックサスペンション、4輪アンチスキッド(4WAS)など、各部の電子制御化が推し進められた頃でした。
室内装備も現代と変わらないものが備えられますが、電動格納ドアミラーを世界で先駆けて装備したのはこのC32ローレル。
左ページの写真ではピラーレスハードトップの開放感がよく伝わるものですが、ボディ剛性は推して知るべし…(苦笑)
これでオプションでサンルーフが選べるのですから、それはそれは(^^ゞ
モデル末期にはローレル誕生20周年記念の特別仕様車「スーパーメダリスト」が登場。
カタログモデルには設定の無い本革シートや専用のパール塗装には初採用となるフッ素樹脂塗装が施されます。
これも以降の日産車に多く採用されるようになり、90年代のモデルのリアウィンドウに「S.F.C」のステッカーがよく貼ってあるのを見ましたね。
同時期に発売されたGX71の「グランデ・リミテッド」には無いレザーシートもあいまって、ライバルよりもより豪華な印象。
これはこれで好きですが、都会的な雰囲気はマークⅡの圧勝かな?(^^;)
ハードトップのフルラインアップ。
RB20DETの廉価版であるグランドクルーズやLRはほとんど見た記憶がありません。
セダンのフルラインアップ。
メインはこちらも普通のメダリストやグランドエクストラ。
セダンのV20ターボメダリストはかなり希少、逆に最廉価のスタンダードはタクシーや教習車で馴染みがあるので親しみがありますね。
ハードトップの上級グレード。
V20ターボ車には多彩な装備を奢った「エミネンスセレクション」という仕様が設定されます。
先回の話で自分が初めてのマイカーがソアラだと書いたのですが、実は当初
ローレルになる予定でした。
私が運転免許を取得する数ヶ月前、知人宅に昭和60年式・前期のハードトップV20ターボメダリストエミネンスがありました。
既に新車から13年を経過していましたが程度は上々、走行はわずか3万キロの個体。
折りしも近々出たばかりのA33セフィーロ25エクシモに乗り換えられるということで、自分に譲ってもらえるお話を頂きました。
もちろん私は快諾させていただいたのですが、セフィーロの購入予定は来月、私の免許取得予定は半年先(T_T)
この半年差は如何にもし難く、せっかくのローレルを泣く泣く諦めざるを得ず、残念ながらセフィーロの下取りとしてドナドナされていきました。
しかしせめても、ということでかろうじて自分の手元に残ったのはあのローレルの取扱説明書。
今でもごくまれにC32に出会うと、あの時の記憶が蘇ります。
GX71もいいですが、マイナーだけどシブいローレルもやっぱり大好き。
また良いめぐり逢いができるといいなぁ(^^)
前期型CM・1984年「ビバリーヒルズの共感ローレル」
後期型CM・1988年「その道はつづく・グレードの薫り」