今回は日産のLクラスステーションワゴン、ステージア(初代・C34型)のお話です。
それまでボルボ850やレガシィツーリングワゴンが席巻していたステーションワゴンのジャンルに1996年、久々に日産が満を持して投入したステージア。
ローレル&スカイラインのシャシーをベースに、上質感と走りの良さを全面的にアピールしたモデルでした。
シリーズは大きく分けてふたつ。
フォーマルな雰囲気の標準モデルに加え、スポーツ性を前面に打ち出したRSシリーズをラインナップ。
ワゴン専用モデルならではのワイド&ローなスタイリングは今見ても十分スタイリッシュですね♪
コクピットは当時の日産らしくコストダウンを感じる部分も少なからずありますが、Lクラスに相応しいコーディネートがなされます。
4800mmという全長を生かしたゆとりある室内。
リヤシートの居住性もリクライニング機構のおかげでゆったりしています。
スポーティなRSシリーズはブラックで統一されたインテリア。
搭載されるエンジンはスカイラインでもおなじみの直列6気筒、RB20&25型を採用。
1997年の一部改良ではNAモデルがC35ローレルから搭載が始まった「NEOストレート6」にチェンジ。
2Lモデルは待望のツインカム化を果たしますが、あまのじゃくな私は初期型のRB20Eのフィーリングの方が好みでしたね(笑)
足回りも基本的にスカイラインと同じものではありますが、4WDモデルは日産お得意の4輪マルチリンクサスにアテーサE-TSの組み合わせ。
さらにワゴンモデルらしくアテーサには駆動力を50:50に固定できる「シンクロモード」が備わるのもポイント。
ラゲッジルームもスタイリッシュなデザインの割には余裕ある広さを確保。
このステージアで「スゴイ!」と思った装備のひとつがこの「リモコン可倒式リヤシート」。
荷室に備えられたレバーを引くだけで、リヤシートを自動的に倒すことができるというもの。
当時はこんな機構が付いているクルマは皆無に等しく、みんなエッチラオッチラ後席に身体突っ込んでやっていた時代でしたので、初めて展示車で試した時は「おー!」ってなりましたね。
前後とも開閉可能なツインサンルーフやバックドアオートクロージャーもステ―ションワゴンには珍しい装備でした。
メイングレードとなる25X。
前期型のイメージカラーでもあったエメラルドグリーンパールの25XFOURは街中でも頻繁に見かけましたね。
左側の25tXFOURも日産らしい「コンフォートグレードにターボ」というマニアックな存在。
ベーシックグレードの25G/20G。
アルミホイールや木目調パネルが省かれてシンプルな印象ながら、唯一の2Lエンジンでお手頃な20Gは隠れた人気グレードでした。
フロントスポイラーや専用グリルを備えたRSシリーズ。
トップグレードの25tRSFOURVも人気となりましたが、評判の悪かった「リニアチャージコンセプト」を採用し盛り上がりに欠けたRB25DETエンジンや重い車重、燃費の悪さが目立っていました。
それでも走らせれば十二分に速く、グランドツーリング的な雰囲気も感じさせました。
1998年夏にステージアはマイナーチェンジ。
グリル内に独立したランプ(ハイビーム)を備えたマスクへと変更されます。
25tRSFOURV
25XFOUR
ホワイト1色のステージアもなかなかカッコいいですね。
個人的にはこの角度から見たステージアが一番好きです♪
今回のマイナーチェンジでは直前に登場したR34スカイラインに準じた改良が施され、ターボモデルもようやく280馬力を達成したNEOストレート6にチェンジされます。
加えてRS系にはステアリングシフトとマニュアルモードを備えた「デュアルマチックM-ATx」が新設定。
さらに追加グレードとして、シリーズ初の5MTとスーパーハイキャス、17インチタイヤを装備した「25tRSFOURS」が登場。
当時流行の兆しを見せていた黄色のボディも相まって、ライバルにも負けないスポーティなイメージになりました。
こちらはステージアから始まった、純正オプションのエアロシリーズ「DAYZ」。
最近の軽自動車ではありませんよ。私もデイズと言えばもちろんこちらです(笑)
前期型のシブく決まった感じがいいですね。
そして最後はやっぱり外せないオーテックバージョン、260RSの存在。
ステージアGT-Rとも言うべき260RSは、ご存じの通りスカイラインGT-Rに搭載されるRB26DETTエンジンを移植した「トップ オブ ザ ツーリングワゴン」。
エンジンだけにとどまらず、専用のエアロパーツやブレンボ製ブレーキなどで武装。
1720kgというヘビー級のステージアをスポーツカーのごとく走らせられるモンスターワゴンでした。
初代ステージアの生産終了から早いもので今年で13年。
日産にしては販売も好調だったこともあり、まだまだ街中で見かける機会も多いモデルですが、初期モデルなどは随分数が少なくなってきた気がします。
ステージアが登場した頃私はまだ学生でしたが、中西圭三の独特な歌声が印象的なコマーシャルをいまだによく覚えています。
まだ有名になる前の女優・栗山千明さんも娘役として出演していますね。
自分が初めて「ワゴンってカッコいい」と思ったのも、このステージアでした。
ワゴンブームが去り、今やステーションワゴンというモデルはもう数えるほどしかありませんが、ステージアのようなワゴンをぜひとも復活させてもらいたいですね。