みみ助のブログ一覧

たまに通る住宅街の裏道に、いつも気になるクルマが停まっています。

そのクルマとは、既に25年近く経過し街中で見る機会も少なくなったAT170型カリーナ。
そんな中でも今やまずお目にかかることが出来ないであろう希少な廉価グレード、「DX」がひっそりと生息していました。

無塗装バンパーに剥き出しのスチールホイール、フェンダーミラーという廉価版らしい出で立ちのこのカリーナ、年式相応のヤレは見られますが現役で活躍しているようで、味わい深い雰囲気を醸し出していますね。


ビジネスユースで使われることの多かったスターレットやカローラ、若しくはライトバンでは低廉なDXを目にする機会も多かったですが、ミドルクラスのカリーナやコロナではマイロードやセレクトサルーンといった中級グレードや特別仕様車が売れ筋だったこともあり、当時でもあまり見かけることはなかったような気がします。

ひょっとしたら現存台数では4A-G搭載の最上級グレード「Gリミテッド」や女性仕様車「ジュン」より少ないのかも知れません。

スターレット3ドア1300DX



カローラセダン1300カスタムDX



コロナセダン1500DX



この時代のトヨタ車「デラックス三種の神器」とも言うべき「フェンダーミラー・AMラジオ・4速マニュアル」を装備！



中でもカローラのカスタムDXはさらに装備を削減した事実上のSTD(スタンダード)とも言えるグレードで、ラジオはおろか三針時計やリヤ熱線などの装備が省略されるスペシャル仕様。

その昔、グレードがDXとSTDしかないような時代のDXはその名の通り「デラックス」な装備を持つ羨望のモデルでしたが、世の中が豊かになるにつれスーパーデラックス、GL、エクストラ、リミテッド…

いつの間にかDXは質実剛健なベーシックグレードへと姿を変えていきました。


至れり尽くせりの上級グレードももちろん魅力的なのですが、ベースグレードならではの素材感というのも、また捨てがたい魅力がありますね。

今回クローズアップしたカリーナも「ゴト車」としてではなく、日常の足、すなわち生活道具として25年近く経った今でも大事にされているところが素敵な１台。

今や低グレードでもカラードバンパーに快適装備を標準装備したものが当たり前になりましたが、個人的には現代版「デラックス」だと思う86・RCは廉価版というだけではなく、モータースポーツベースという立ち位置ながらあらゆる可能性を感じる最近では稀有な存在。





何でも出来るトヨタだからこそ、普通の乗用車にも時代に合わせた、オシャレで素材感あふれるベーシックな１台をぜひ造ってもらいたいですね。