新型ヴィッツRSに試乗しました。
試乗グレード:RS
トランスミッション:5MT/FF
ボディカラー:ターコイズメタリック
天気:晴れ
45分くらいのライドワン試乗。
・ランナバウトスポーツ
直訳すれば小型のスポーツという意味。ライトウェイトスポーツと同義語ですかね。
トヨタのスポーツグレードとしてどんどん広まりつつあるRSですがその元祖となるのが初代ヴィッツ、それ以来受け継がれ3代目の新型にももちろんあるモデルです。
よりマッシブに、カッコよさを求めた新型のRSに試乗してきた。
・スポーティ色を強めた外観
スポーツグレードということでRSは専用装備としてスポーティなメッシュのグリル、アンダープライオリティ手法の開口部の広いエアロバンパー、先代と変わってオーバルなマフラーカッター、先代と同じ意図の丸型LEDリアコンビランプ、16インチアルミホイールを装備する。
Cd値も2ボックスタイプではトップレベルの0.285。
今回のイメチェンで最も手ごたえを感じたのはこのRSではないだろうか。
押し出しが強くなり迫力の増したその顔はRSでこそ映えるような気がする。
ただし、選べる色は7色。先代で人気のあったブルーマイカメタリックはなくブルー系はターコイズメタリックとなる。
青緑という印象のカラーで個人的にはブルーマイカ系のが好きだ。
他にもシルバー系が3色に黒白赤となるのでバリエーションは7色の割に少ない印象だ。
売れ筋はガンメタ、ブラックマイカ、スーパーホワイトⅡらしく、個人的にはモデリスタのエアロを付けたスーパーホワイトⅡが一番良いかなって思った。
・内装はカジュアルスポーツ?
先代は黒基調の硬派(?)だった内装からブルー(ターコイズ)とブラック基調にカジュアルさも持ち合わせるようになった。
シートは専用のスポーツシートとなっておりサイズ、ホールド性とも純正としてはまずまずのもの。
内装の質感はソフトパッドを採用するなどして1.3L以下のグレード差別化を図っている。このあたりは頑張っていると思うのだがソフトパッドだから質感アップとつながるかと言えば?だ。
これがアルカンターラやスウェード調とかなら高級感出してるじゃんとなるところだがこのあたりはまぁコンパクトカーとして仕方ないところだろう。
ただ触り心地は好きですね。個人的な好みとしてはいいと思う点です。
テレスコピック機能が付いているのは○、でもできれば全車に標準装備してほしい。
センターメーターでなくなり視認性もよくなったメーターは見やすいし個人的にはいいと思うがせっかくならセンターメーターの名残を残してその場所にインフォメーションメーター(RSならOPで油圧油温なんかも移せるような)ものを付けてみるのも良かったかもしれない。
ラゲッジスペースなどは他グレードに準ずる。
・今までトヨタではない!?
RSはスポーツグレードということありそのあたりに期待をもって試乗することに。
乗り込んでエンジンをかけるするがあれ?、あれっ???とかからない。
良く見たらブレーキを踏んでエンジンスイッチを押していた(汗)、MTなのでクラッチを踏まなきゃエンジンはかからないわけですよね(笑)
とエンジンをやっとかけると控えめなアイドリング、とはいえ同じエンジンのフィールダーに比べては少し大きくエンジンは回っているなっていうのは分かる。
エンジンスペックは109ps/14.1kgf・mと先代に比べわずかに劣るが基本的には分からない。車重自体も40kgほど軽くなっているから実際には差がなくなっているのかもしれない。
この1NZ-FEだがUにも搭載される実用ユニットなので官能性という面では少々役不足なのは否めない。
音に関しては静粛性を高めているとはいえ4000rpmを超えるとうるさくなる。
それもスポーティーな音感でなくざわつくような雑味の残るような音がするので回して高揚感を味わうとまではいかなかった。
それでも1020kgのボディを引っ張るには十分以上のパワーがあるので不満という面は少ない。
シフトフィールはストロークが長く感じるものの比較的かっちりしていてある程度の抵抗感があり、軽く粘るような印象のあったオーリスRSより個人的には好印象。
だがクラッチが軽いのが少し不満。
重いのも疲れてしまうのだが少々重さがあったほうが運転してる感が強いのでそうしてほしい。
ギアはややクロスしてるかな?って思うくらい。つながりも悪くなく、燃費とスポーツが両立しやすいのがこのあたりなのかな?と思った。
ステアフィールも反応はリニアかつややクイックな感じでキビキビ感がある、がとてもステアリングが軽くてスポーツ性をスポイルしてしまっていると思うので残念、せめてラクティスくらいの重みがほしい。
そして驚いたのがブレーキ、今までトヨタのブレーキと言うと大抵が少し踏んで奥で利いてくるタイプだった。
それが多くの日産車のようにちょっと踏んだような手前からグッと利くようになったのだ。
個人的にはなれてないのもありマイナス、またこれは一瞬ブレーキが利くように感じるのでそれもちょっとなぁって思ってしまう。
まぁ実際にブレーキ性能には不満はないんだが・・・
アシスト機能も付いているがこのあたりまでくると過剰な安全装備に思えてしまう。
さらにもう一つこれ必要かと思ったのがサイドブレーキを走行中に引くとアラームが作動する。
恐らくサイドを戻し忘れて発進した場合の対策だろうがそれってすぐに気付くよなって思ってしまう。
むしろそういう装備を付けるとさらにそういうことに注意を払わなくなってしまうんじゃないかって危惧してしまう。
ペダル配置は相変わらずアクセル位置が非常に奥でヒールアンドトゥーのしにくさは残念ながら健在。
足回りはやや硬め、ふわっとした足が好きな人には硬く感じるだろうし、逆にかちっとしたスポーツなのを想像したら柔らかく感じるくらいだろう。
なのでロール感は比較的抑えられ個人的には乗り心地はいいと思う。
余談だが試乗後にブレーキ機能やアクセルの高さについて言及したところ、「お客様のセリカのころとは時代が違いますから、」「お客様がアルミペダルなどを購入頂いてクルマを合わせて頂ければ」
という回答で少し残念に思った。
まぁこのあたりはディーラーマンによっても変わるし、今回の方はメカニック上がりなのでサービスより技術面の知識があるからこうしてくれっていう意味だったのかもしれないが
・他車と比べて
最近のクルマが重くなっていることにメーカーも多少の危惧があるのかもしれない。
そのため軽量化を意識してることも多く、今回のヴィッツも例にもれず軽量化されていた。
もともとが少し小柄だったのもあり他車(特にフィット)と比べてキビキビ感で勝っている印象があった。
見た目もいかつさが増して、それなりにスポーツできる、ファミリーカーとしても使えるサイズという万能な役割がこなせそう。
ネックなのは価格、クラスを考えれば価格自体は高い。
今はスポーティな車がほしい人が選べる選択肢が少ないだけに価格をもっと抑えてくれると助かるんじゃないかって思えた。
また他のメーカーが6MTを積極的に採用する傾向にあるので今回パワートレインが進化しなかったのはちょっと残念、
5MTでも十分なのだがアピールポイントとして6MTでもよかったかな?
でもアフターパーツにも恵まれる一台なだけに非常に魅力あるのは間違いない一台になっただろう。