先日購入したグランドセイコー メカニカルGMT SBGM029。
購入してから5日間連続登板中です。
コレ、正直良いですよ!
雑誌などでは、グランドセイコーの作り込みが凄いなんて書かれていたけど、実際に店頭でちょこっと見た程度だと、言われる程では、、、と思っていたのですが、なるほど。使い込む程に良さが分かってくる感じです。
日差は+3秒くらいで安定しているようです。優秀優秀。
まぁ、機械式時計を敢えて選んでいるので、日差とかそれほど拘ってはいないのですけどね。
日差は+−0に収まらなくちゃヤダ!!って人は素直にクォーツなりスプリングドライブを選ぶべきでしょう。
時刻合わせや日付合わせは、この時計が自身初のGMT時計なので、少々勝手が違いました。
今までの通常の時計であれば、日付と時刻合わせは別々で行えたり、あるいは時間を逆戻ししちゃうのは機械に負担がかかるので御法度だったりしたのですが、GMT時計は時間針と分針は個々に動かす事が出来、日付合わせは時間針を進める事で日付を進めて合わせます。
また、日付は前に進めるだけでなく、後ろに戻す事も可能です。つまりは、時間針を逆に戻しても壊れないようになってます。
今まで普通の時計しか持ってなかったので、コレには少々驚きました。GMT時計って、ただGMTの針を付け足しただけなんてことはなくて、それ専用の複雑な機構だったのね、、、。
なるほど。そりゃ、海外を行ったり来たりしてる人にはこの機能はまさに必須ですわな。
海外に行ってる暇がない自分には全く縁のない機能ですが(^^;
で、時計の基本中の基本。視認性ですが、これがまた不思議と良いんですよ。
今まで、なんでグランドセイコーは夜光針を使わないんだろうと思っていたのですが、その必要が無いんですね。薄暗い中でも、少しでも光があれば、5面ダイヤモンドカットされたドーフィンハンドとインデックスがキラキラと反射して時刻を読み取る事ができます。(勿論、真っ暗闇では無理ですが。)
↑視認性のために立体的に成形して、ダイヤモンドカットが施された針とインデックス。
SEIKOやGSのロゴはプリントでは無く、熟練の技で植字されています。
全体のデザインとしては決して悪くないのですが、欲を言えば、これは良く言われている事ですが、文字盤の SEIKO、GS、Grand Seiko と同じブランドロゴを3段重ねしちゃっててクドいです。
SEIKOのマークの所に "Grand Seiko" あるいは "GS" マークだけではダメなの?
なんか、"SEIKO" のマークが目立ちすぎて、他のセイコー量産時計と一緒に見えてしまう気がするのだけど。。。
ロレックスはかつて廉価版としてチュードルというブランドを作って、うまく差別化しましたが、セイコーの場合はセイコーの中にもラインが乱立しちゃって、セイコーの高級ラインはGSの他にもクレードルとガランテというラインガあって、その下にも沢山の廉価ラインがある。でも普通の人から見たらどれも同じ「セイコー」、、、。これはブランド作りとして問題あると思うのだけどなぁ。
ケースは切削加工ではなく、鍛造。
職人が施す「ザラツ研磨」で、見事なまでの鏡面仕上げ。
最初は、別に珍しいことではないんじゃ、なんて思っていたのですが、言われてみれば、確かに完璧なまでの鏡面で、歪みが一切ありません。これって実は凄い技術らしいです。その道40年の職人が手作業で仕上げているとか。
グランドセイコーは決して舶来時計に劣っていない。むしろ勝っちゃってるのでは?
そんな訳で、手持ちの舶来3針時計と比較してみました。
①グランドセイコー メカニカルGMT SBGM029 vs IWC MARK XII
マーク12はお気に入りで、2本持ってたりします(^^;
こうして比べると、マーク12は小さくて薄いですね。(GS 39.2mm vs マーク12 36mm)
触った時の高級感はGSの勝ちです。マーク12は貧弱で可憐な感じです。
中身にも言えることで、マーク12のムーブメントは高級時計メーカーのジャガールクルト製ですが、手巻きの際の巻き上げる感触は全く無くて、これで巻けてるの?って不安になるくらいです。時刻合わせの際もいわゆる針飛びを起こすためコツがいりデリケートです。巻き上げ効率も悪い気がします、、、。
ジャガールクルトが入ってるんだという満足感は何となくありますが。
マーク12はお気に入りですが、客観的に見ると、強靱性、実用性、安心感の面でGSの勝ち、、、ですかね。
②グランドセイコー メカニカルGMT SBGM029 vs IWC インヂュニア 500,000A/m
インヂュニアはマーク12よりも更に小さいケースサイズ約34mm。現代の時計のトレンドからすると非常に小さく感じます。女性用としてもおかしくない程。
自分は手首が細いので、このくらい小さい方が似合っていると思っていたのですが、最近はデカ時計に免疫がついたのか、40mm弱くらいの時計がジャストサイズかなぁと感じています。
これも外装の仕上げとか、クラスプの作りなど、手に取った重厚感はGSの勝ちです。
耐磁性については、GSも耐磁性ありですが、そこはさすがにインヂュニアの50万A/mと比較すると足下にも及ばないでしょう。というか、このインヂュニアの耐時性に敵う時計は他に存在しません。
この脅威の耐磁性にも関わらず、見た目の貧弱な感じが逆にIWCの凄さでしょうか。
③グランドセイコー メカニカルGMT SBGM029 vs IWC GST アクアタイマー
アクアタイマーは流石にデカイですね。
でもこうして比べるとGSとそんなにかわらないかな?
(GS 39,2mm vs アクアタイマー 42mm)
重さはアクアタイマーの方が重くて、厚みもあります。なんせ脅威の2000m防水ですから。GSは10気圧防水だから100m防水。これはアクアタイマーの圧勝!!
このアクアタイマーは比較的近年の時計なので(2000年前後)、この頃のIWCになるとブレスレットの作りは重厚になって、しっかりしてます。
↑IWC アクアタイマーのクラスプ部分。こんな所にまでペルラージュ模様が施されています。
しかも、IWCはブレス調整にドライバーとかは必要なくて、附属の工具を使えば簡単にコマ抜きできます。
↑ブレスレット裏の真ん中にある丸い部分に専用の工具を差し込むと簡単にピンが抜ける仕組みです。
ブレスレットに関しても、細かい仕上げとか簡便な調節機構など、アクアタイマーの勝ちかも。
アクアタイマーは購入してからしばらくの間は不遇の時を過ごしていました。デカくて重くて、自分には似合わないと買ってから正直後悔したくらいで、全然出番無しでした。
しかし、デカ厚時計が主流の今となっては、決してデカ過ぎるサイズと言う訳でもなく、今年の正月にしばらくメイン機として使用して以来、ここ最近のお気に入りです。
④グランドセイコー メカニカルGMT SBGM029 vs IWC ポルトギーゼ 7DAYS
アクアタイマーでもデカいと思ったのに、こちらはさらにデカい直径約42.3mm。この時計のお陰でデカ厚時計に対する免疫が出来ました。
ポルトギーゼのパワーリザーブは脅威の168時間(7日間)!!対するGSは72時間でポルトギーゼの圧勝。
防水性はポルトギーゼは非ねじ込みリューズで3気圧防水なのでGSの勝ち。
見た目はポルトギーゼはドレッシーな時計でGSとは対極な感じです。GSには正直、華がありませんね。。。
ポルトギーゼは裏から覗く自慢のIWC自社製ムーブメントの装飾にしても、艶やかで色気があります。その分値段も値段なのですが。。。
↑IWC自慢の完全自社製ムーブ Cal.51011。美しいです。見せるための機械ですね。
↑GSのムーブメント Cal.9S66。キレイなブルーのローターは塗装ではなく、純チタン製の回転ローターに陽極酸化処理を施したもの。よく見ると美しい模様が入っています。キレイなんだけど、IWCと違ってやっぱ華やかさには欠けるような、、、。
GSが目指しているのは最高の実用時計。実用時計に派手さはいらないということでしょう。
皮ベルトということもあり、毎日使うのは厳しいポルトギーゼ。特別な時に使いたい時計です。
まぁ、これは目的の違う時計って感じですね。
⑤グランドセイコー メカニカルGMT SBGM029 vs チュードル サブマリーナ Ref.76100
サブマリーナと言っても、ロレックスではなくチュードルと言う所がミソですw
外観は本家ロレックス サブマリーナとほぼ一緒。
GSと比較すると、サブマリーナは防水性こそ200m防水なので勝ちですが、この時代('80年代)のブレスレットはステンレス無垢ではなく、いわゆる巻きブレスでとても貧弱です。(これは本家のロレックスでも同じ。)GSと比べるとまるでオモチャです。
サイズもIWCアクアタイマーやポルトギーゼに慣れちゃうと小さく感じますね。(約38mm)
この勝負は全体的にGSの圧勝と言って良いでしょう。
⑥グランドセイコー メカニカルGMT SBGM029 vs ロレックス エクスプローラー Ref.114270
先代のエクスプローラーです。現行のはケースサイズが大きくなったようですが、先代は約36mmとIWC マーク12と同じくらいで、GSと比べると小さいです。
最近のロレックスはブレスレットもバックルも改良されて、より高級感が出ているようですが、この頃のブレスレット、バックルはお世辞にも高級感があるとは言えません。ブレスレットの作りはGSの圧勝と思います。
3針時計じゃないですが、、、
番外編
⑦グランドセイコー メカニカルGMT SBGM029 vs ロレックス デイトナ Ref.16520
↑こうして写真で比べると、GSもカッコ良くて、決してデイトナに負けてないように思います。
このデイトナはムーブメントがゼニス社のエルプリメロで、ロレックス自社製に切り替わる直前のいわゆる最終型 Pシリアルと呼ばれるモデル。一部ではプレミアが付いてるモデルです。といっても外観では分からないのですけど。
以前はこのデイトナも自分にはデカくて派手で似合わないと思っていたのですが、ケースサイズ約40mmと、今となっては決してデカいとは言えないサイズで、今では全く違和感なくなりました。
クロノグラフなのに、むしろGSよりも厚みが無いのでスッキリとした印象です。
ブレスレットはデイトナといえども、この時代のロレックスの流儀に則ったもので、GSと比較しちゃうと決して高級感があるようには感じずチャチなものです。ただ、ロレックスのマークが入ると高いもののように感じちゃいますが。。。
全体の質感にしても客観的に見るとGSはデイトナにだって負けてないと思います。
という訳で、色々比較してみましたが、時計の作り自体は高級舶来時計に決して負けてません。むしろ勝ってる部分だってあります。
グランドセイコーが負けてるのはブランドイメージだったり、ブランド力だと思います。
1万円以下で買える機械式時計「セイコー5」と「グランドセイコー」が同じ「セイコー」じゃ納得いかないですよね。
世界にアピールするためには、ロレックスとチュードルの関係のように、グランドセイコーとその他下位グレードのラインとは明確に分けないとダメなんじゃないかなぁと思います。
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結論;ブランドのマークを隠してブラインドテストすれば、多くの人はGSを選んじゃうかもw
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いずれはハイビートも、、、