
(今回は、むにぃR18ではなく、
比較的客観視点のいすてぃがこのエピソードについて綴らせて頂きたく思います。)

タップリとなぎさドライブウェイを堪能した私達。
むにぃは、引揚げ前に波打ち際を走るジムニーを撮ろうと、私を降ろしました(降ろしてくれたのかも知れません)。

小さくなっていくジムニー・・・。

当たり前で私の目の前まで戻ってくると思っていましたが、これが元気なジムニーの最後の姿になりました。
次に顔を上げた私の目に入ったのは、音もなく横転して波に洗われているジムニーでした。「むにぃの姿が見えない!」猛ダッシュでジムニーの元に向かいました。近くにいたお兄さん達も、異変に気がついて駆寄ってくれました。皆がついたとほぼ同時に、上になった助手席の窓からむにぃが顔を出し、自力で飛び出してきました。軽度切傷と打撲のみ・・・、ほっとしました。
出てきたむにぃは、お兄さん達とジムニーを起こしてエンジンをかけました。自走可能を確認、浪打際から退避させました。
さらにお兄さん達は、波間に揺れる私達の荷物やジムニーの欠片を集めてくれました。彼等には心から感謝です。私達2人だけでは満潮で沈んでいくジムニーをどうにもすることが出来ず、もっと甚大な処置が必要になっていたかも知れません。
お兄さん達にお礼を述べた後、私達は改めてジムニーを見ました。
むにぃは愕然としていました。こんなむにぃを私は初めて見ました。「ごめん・・・、全てに対してごめんっ・・・!!!」やっと紡がれた言葉でした。自答の言葉とわかっていても、私も返す言葉が見つかりません。
しかし、むにぃは直ぐに諸所に連絡を取り、冷静に対処を進めました。日が暮れかけたなぎさドライブウェイにはライトがありません。荷物をまとめ、直ぐに出発しました。
「うちの近くの修理屋さんが、直ぐにおいでだって。つく頃には雨が降るかも知れないから気をつけて来てくださいって言ってたよ。そこまで心配出来るなんて、儂もその言葉で落ち着いたよ。」
「とにかく、今は無事に安全に帰る事だけを考えよう」を合言葉に乗り込んだ私達。しかし、あまりの出来事と疲労感でやや判断能力の低下をきたして、家から遠く離れた場所で右往左往しつつ、ようやく北陸道・関越道を通って帰ることにしました。。
今は自走出来ても、海水の影響が何時足周りにも出てくるか判りません。既にジムニーの電気系統は全て動かなくなっていました各メーターをはじめ、ナビ、レーダー、ラジオも動きません。雨でもないのに勝手にワイパーだけが暫くの間動いていました。ジムニーの水洗いだけでもしたかったのに、暗いためか、適当なセルフ洗車場も見つけられず、進むしかありません。
青看板と濡れた地図で高速道路のI.CやJCTをチェックして帰り道を確認。改めて器械の便利さをここで痛感。
一晩中走り続けました。運転席後部のガラスが割れ、運転席の窓も電気系統の故障で開きっぱなし状態。何とかビニール袋とガムテープで覆って、人間自体の保温にも気をつけながら走りました。
明け方、雨が降り始めた頃、ようやく修理屋さんの近くまで戻る事が出来ました。以前、ジムニーの足回りに不調が起きたとき、迅速で的確な処置をしてくれた事があり、以降近所で、何かと懇意にしてくれるようになっていました。
開店時間には早いけれど一応覗いてみようかと、お店を訪れてみれば・・・。社長さんが出迎えてくださいました。静かにジムニーの全体を見てダメージを把握していました。
代車をお借りして、私たちも一旦帰宅。海水、汗や汚れを落として今度は代車とistで修理屋さんに行きました。見積もりの結果は・・・、大ダメージでした。値段にすれば、いい中古のジムニーが買える程だったそうです。
分析によると、満潮の時間・・・、濡れて流れやすい砂と、乾いて硬くなった砂のちょうど真ん中に位置し、運転席側だけ引き潮の砂に、タイヤをすくわれた事と、柔らかいフィールド故に、その自重が全て運転席側にかかってきてしまったこと、塩分による腐食の進行等々・・・。幾つもの悪条件が揃ってしまったのではないか、ということでした。
・・・いずれの方法にせよ、ジムニーは元のジムニーとして戻ることは不可能であるという結論になったようです。
お店に向かう間、むにぃは廃車を覚悟したそうです。1月、ようやく入手したジムニー、気がつけば私達は常にこのコで移動していました。このコのおかげで、私達は様々な場所に行くことが出来て、楽しい思い出と共に、知識・見聞を広めることが出来ました。このコを通して沢山の人達と出会う事が出来ました。
そして、車は問題なく走れば良いという考えを払拭させてくれ、1つのモノを大切にすることや、「ものに潜むたましい」というもの教えてくれたように思います。金銭の問題という現実問題はもとより、「このジムニー」の存在の喪失が、2人の心にかなり大きな穴が空けてしまいました。
翌日、修理屋さんからむにぃの元に連絡がありました。ジムニーを動かそうとしたところ、エンジンもかからなくなってしまったそうです。もしかしたらジムニーは最期の力を振り絞って、私たちを家の近くまで運んでくれたのかも知れません。
しばらくはちょっと喪失感が大きいかも知れない2人ですが、このジムニーと出会えた事、これまでのプロセスに・・・、心からありがとうと伝えたい気持ちです。
たまたまこのブログを読んでしまった方の中には、ジムニーの故障・喪失なんて不謹慎だと思われる方もいるかも知れません。ただいまお詫び致しますm(__)m。
しかし、懲りない2人でもあります。過去形ブログになっても、儂こと「むにぃR18」と私こと「いすてぃ」、ちょっとずつ更新してしまうかも知れません。
そしていつかまた、ジムニーであちらこちらに飛び回る時が来るとも考えています。その時は多分・・・、異様なまでにカスタムしてしまうかも知れません!そんな私達ですが、みんカラ皆様、どうぞご寛容に見てください!
Posted at 2008/09/20 01:49:40 | |
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