スカG愛好家のブログ一覧

撮影が終わりマーズさんから『そうそう渡したい物が有るんだ』…一枚のCDを渡された。『Ｖ36ＳＫＹＬＩＮＥ&ＰＨＯＴＯ-ＡＬＢＵＭＵＳ』と書いたCDを渡された…『愛好家さん前に見たいって言ってたから焼いてみたんだ…(笑)』『ありがとうございます(笑)』思わず満面の笑みがこぼれたら…
内容はあえて家に帰る迄の楽しみに置いておく事にした…
外は夕暮れになり冬独特の淋しい気分になった…
あと1日休みが欲しい…
マーズさんとゆっくり酒でも交わしたい…そんな気分になった…
前を走るマーズさんのスカイラインは夕暮れで黄金色に輝いていた……つづく…

着くとマーズさんから車の配置を指示された…
そう、彼のスイッチが入った瞬間だった…
キャンバスの中に画材を入れて行く…正にアーティスト的な野生の感で車の配置やハンドの切れ具合の調整…ライトのオンオフが巧みに調整された…
撮影中は画像を見せてくれる事は無かった…私は彼のテクニックを信じ待った…
『ここは車の光と影がしっかり出て、屋根が有るので撮り方によればスタジオに近い感じが出せる。』と言った…
斜めや中腰、時には台に登り色々な 角度から撮影した…
レンズもシャッターも色々交換し巧みに撮影した…
まるで画家がキャンバスに筆で絵を描くように…カメラは筆のようにしなやかに扱っていた…
あまりに気になり一枚だけ見せて貰う事にした…
『素晴らしい！！』私は歓喜をあげた…
彼は『スカイラインだから良い写真が撮れる…』と控え目な回答をした。
『UPを楽しみしてます』私はマーズさんに伝えた……つづく…

アベック…若者には解らない言葉…
いや！彼と同世代なのできっと解ってくれたはず…そう思った！
『しかしマーズさんが写真を取るとホント外国のように映る！(笑)』マーズさんは答えた『実際見るとしょぼいでしょう(笑)』いや…彼がカメラを通じて平凡な景色に魂を送り込む！改めて感じた……そして次の場所を目指した！
途中空港の飛行機が離陸体制に入ったがなかなか飛ばない為シャッターを切るのを諦めた…来る時にくぐったアーチも帰り道は寂しく思えた…
しばらく二台でランデブーが続いた…
ポートアイランドを横断し、神戸大橋を渡り兵庫の港に辿り着いた…
コンテナや無機質な倉庫が立ち並ぶ港独特の風景だった…
しばらく行くと、まるでギャングの取引場所のような建物の中に入って行った…
そう秘密の隠れ家に……つづく…

ふと降り立つと喫茶店のような建物と駐車場が有った…
周りには何も無くまるでオアシスのように見えた。
二人はキャラバンのように吹き付ける風の中目的地を目指した！
相変わらず髪の毛は容赦なく六甲の風に引っ張られた…
喫茶店のような建物を横に歩くと黄砂のような砂混じりの風が吹き付けた……
そして眼下には砂浜が広がった…
『これが人工の砂浜です。』マーズさんが丁寧かつ優しい口調で説明してくれた。
『試験的に作ってるらしいです。何かの実験だそうです。詳しく事は…(笑)』
『アベックで来たら楽しいでしょうね(笑)』私の回答にマーズさんはほくそ笑んだ……
つづく…

やがて二人の車は雄叫びを上げながら次の目的地に向かった……
ふと摩耶山を見ると山が白んでた…
私達はイケアに行く前の候補だった摩耶山！もし行ってたら私達三人はきっと冬山の餌食になってたであろう…そして私は今こうやって小説を書く事も出来なかったと思うと背筋が凍りつく思いがした……
六甲の風は私達を容赦なく吹き付けた…
周辺はまだ未開の地…建物は無く閑散とした風景が続いた…
『こんなところにオアシスが？』私は不安に思ったがマーズさんのテールランプを頼りについて行く事にした…やがてマーズ号が止まった……運転席のドアが静かに開き彼は降りて来た……
…つづく…