2011年04月19日
今更ながらKOKIAさんのステージレコーディング・part2です。
通常のコンサートとは全く異なり、アイコンタクトを取れるよう(?)ステージ上で円になるようにミュージシャンが位置していて、
KOKIAさんは中央手前で客席に背を向けて立っていました。
ドラム、パーカッション、ギターはアクリル板で仕切られていましたが、各楽器の音がマイクに被らない様にしていたようです。
とは言えブースで独立しているわけではないので、各チャンネルには他の楽器の音も入るとのこと。
KOKIAさんのツアーで最近見かけるアクリル板はやっぱりそういう意味だったんですね。
そういえば前回の露崎さんのライブでもドラムの前にアクリル板が立ってました。流行かな?
KOKIAさんのマイクも宙吊りのスタジオ用。
スクリーンが2重だったのは出来るだけ他の音が被らないようにマイクに近づいて歌うためだそうです。
(マイクに息がかかり、ボコっていう音を拾わないようにするネット)
曲によってパーカッションが変わる度にマイクの再セッティングをしていました。
音色によってマイクの種類も変えたそうです。
今回唯一の電気楽器、ペダルスチール(ハワイアンのスチールギターみたいな感じ)はノイズが入ってしまうと調整に時間をかけていましたが、
結局アンプを使わずライン出力のみ使う事になったみたいです。
いわゆるライブ盤ではないので、客席側に向けたマイクは無かったです。
反響音も特に録ってはいなかったと思います。
ミュージシャン用のモニタースピーカーは無く、皆さんヘッドフォンかイヤフォンでモニターしていました。
キューBOXという小型のミキサーみたいな物で各自の必要な楽器の音量バランスを調整するようで、
KOKIAさんは特に念入りに調整していました。
ちなみにKOKIAさんはクリックと呼んでいたメトロノームの様な同期用の音は聴かず、
ピアノの音を重視するとの事。
ピアノで作曲するからだそうです。
ステージ前(通常のS席)の位置にエンジニアさんのコンソール席があり、
YAMAHAの10Mという小型の2wayスピーカー2本でモニターしていました。
スタジオ用の定番スピーカーだそうですが、鑑賞用の音とはちょっと違う気がしました。
エンジニアさんが使っていたパソコン画面は私が想像していたDTMの範疇だったかな?
コンソールはもう一つステージしも手にあって、
こちらはコンサートPA用でした。
録音用との連携はよくわかりませんでした。
テイク中のスピーカー音量は大きくないので離れた席からは、生音の方が大きかったと思います。
Victorの助川さんもKOKIAさんも何回か言ってましたが、
テイクの時、ボーカルの音量(声量)は他の楽器にくらべて小さかったです。
・KOKIAさんが反対を向いている
・レコーディング向けの声量
・ホールに響かせる歌い方ではない
このため客席はあえて満席にせず、
後ろの席の人はKOKIAさんの生声は聞こえたでしょうか?
録り終えてはミュージシャンが降りてきて、10Mスピーカーでチェック。
部分的にだったり、通してだったり。
最終的にOKテイクをステージ脇の少し大きめのスピーカーで全員で聴くという手順でした。
このスピーカーをラージと呼んでましたが、ホールの大きさからすれば控えめな大きさです。
ラフミックスの段階の音源で、フェードイン、フェードアウトとかも付けていませんが、
ボーカルとかの音量は充分になっていました。
音量とか聴きやすさからすると、
生演奏 << 10M << ラージ
こんな感想です。
しかし、私の受けた印象では、音色の美しさからすると、
生演奏 >>> 10M > ラージ
なんだかどんどん目減りしていく気がしました。
あくまでラフミックスの段階の試し聴きなので結論を出すつもりは無いですが、
楽器の持つ音の艶、ディテールがどんどん損なわれてしまう印象でした。
この時点ではあくまで素材であって、これからエンジニアさんがどう磨き上げるのかリリースがとても楽しみです。
しかし、KOKIAさんの普通のステージでPAを通さない生音のみというのはありませんから、
スピーカーを通した音がホールに響くのを聴いている訳です。
CDよりライブが断然いいKOKIAさん。
何度もライブに通ってしまう理由はここには無いんでしょうか?
謎は深まるばかりです。
Posted at 2011/04/19 01:18:50 | |
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KOKIAさん | 日記