ちょっと一部、部品名が間違っていたり、構造を勘違いしていたところがあるので、訂正しました。
7月半ばにミッションオイルを交換し、一旦収まった通勤快速のギア鳴り、残念なことにその後、スポーツ走行を繰り返すと、また、再発して普通に走っているときでも、4000rpmぐらいで4速や5速(特に4速が酷い)に入れるときに、「ガリッ」となるようになりました。
他にも困っている人がいるのではと、ネットで漁ってみると結構、同じような症状が発生しているようです(下記URLのリンク、迷惑であれば削除します)。しかも、最近、GVBを買った人に多発しているし、、
https://minkara.carview.co.jp/en/userid/1125618/blog/31126968/
https://minkara.carview.co.jp/en/userid/1572376/blog/30204294/
https://minkara.carview.co.jp/en/userid/1107867/blog/30172919/
https://minkara.carview.co.jp/en/userid/568960/blog/29772138/
https://minkara.carview.co.jp/en/userid/389183/car/728619/2238945/note.aspx
https://minkara.carview.co.jp/userid/353542/blog/30664551/
https://minkara.carview.co.jp/en/userid/432691/blog/30893682/
https://minkara.carview.co.jp/userid/518867/blog/c528428/
ギア鳴りに対するディーラーの対応もマチマチで、保証で直してくれたり、ダメだったり、、
でも、WRX STIをMTでわざわざ乗るのは変速も楽しみたいからなのであって、しかも、スポーツ走行で多用する4速でギア鳴りするのは興ざめです。折角、WRX STIを購入した人がイヤになってスバルから離れて行ってしまうかも(自分も?)
なので、何とかギア鳴りを(簡単、安価に)直せる方法はないかと、WRX STIの4速や5速のギア鳴りの原因を自分なりに考察してみました。なお、これは私の勝手な推測なので、内容に責任は持てません。
まず、ギア鳴りが発生する主な原因は、ドリブンギアのドッグ(歯)とスリーブのスプラインがきれいにかみ合わないことだと考えます。
そして、ドリブンギアのドッグ(歯)とスリーブのスプラインがきれいにかみ合わない原因は主に以下の2つが考えられます。
1.ドリブンギアのドッグ(歯)か、スリーブのスプラインかが痛んでいる
2.ドリブンギアとメインシャフト(ハブ、スリーブ)の回転が同期(シンクロ)出来ない
もし、1が原因なら、回転やミッションオイルの油温にかかわらずにギア鳴りが発生するはずですが、自分や他の人の事例では、回転が高く、油温も高くなったとき(ある程度走った後、特にスポーツ走行時)にギア鳴りが発生していて、回転が低いときや油温も高くないときはギア鳴りが発生していないようなので、1が原因とは考えにくいです。
すると、2が原因だと考えられるのですが、何で4速や5速という疑問が湧きます。
ミッションの各段では、ドリブンギアとスリーブの間にシンクロナイザリング(コーンリング)が存在し、さらに、段によってはシンクロナイザリングとドリブンギアの間にはフリクションリングと呼ばれる一種の摩擦板が存在します。
ドリブンギアとスリーブの回転を同期させるとき、フォークがスリーブを介してシンクロナイザリングを押し、押されたシンクロナイザリングがドリブンギアに押しつけられます。このとき、シンクロナイザリングとドリブンギアの間に発生する摩擦力(一種のブレーキ力)によってシンクロナイザリングの回転数(スリーブの回転数と同じ)とドリブンギアの回転数が近付き、やがて同じとなります(シンクロ)。
いわば、シンクロナイザリングはクラッチ板のような役目をするのですが、WRX STIのミッションでは、1~3速がシンクロナイザリングとフリクションリングで摩擦力を発生させるのに対し、4~6速はシンクロナイザリングだけで摩擦力を発生させます。
要は、4速や5速ではシンクロナイザリングだけでスリーブとドリブンギアの回転差を解消するので、シンクロナイザリングの負担が大きい訳です。
で、シンクロナイザリングが発生させる摩擦力は、シンクロナイザリングの材質や表面状態と、ミッションオイルの性質(ここでは滑らせないための摩擦力を発生させる摩擦係数)に重大な影響を受けます。
ただ、オイルは温度によって性質が大きく変わり、一旦大きな熱が入るとその後、冷却されても以前と同じ性質を持たなくなります(一般的に)。
スポーツ走行をやってミッションオイルの温度をガンガンに上げると、ミッションオイルの摩擦係数が下がってミッションオイルがシンクロナイザリングに発生させる摩擦力が小さくなります。このとき、シンクロナイザリングだけではなくフリクションリングも存在すれば、トータルで発生する摩擦力はある程度確保されますが、シンクロナイザリングだけしか存在しないと、当然、トータルで発生する摩擦力は少なくなります。さっき述べたように、4速や5速はシンクロナイザリングだけしか存在しないので、トータルの摩擦力が小さくなって、4速や5速でスリーブとドリブンギアの回転差を解消できなくなります。
なので、今は、スポーツ走行をやってミッションオイルの温度がガンガン上がる → ミッションオイルがシンクロナイザリングに発生させる摩擦力が小さくなる → スリーブとドリブンギアの回転差を解消できないというメカニズムがWRX STIのギア鳴りの原因だと考えています。
じゃあ、何でGVBにギア鳴りの発生が集中するのかなのですが、まず、GDBと比較すると、GDBのミッションにはオイルポンプが内蔵されていてミッションオイルが内部で循環するので、GVBやGRBのミッションに比べるとミッションオイルの温度が上がりにくいという差があります。特に、GDBのspec CやRA-Rはミッションオイルクーラーまで装備されているので、よりミッションオイルの温度が上がりにくく、その結果、ミッションオイルの性質が変わりにくく、ちゃんとシンクロナイザリングの摩擦力が発生していてギア鳴りも発生しにくかったと考えます。
ちなみにGDBのspec CやRA-Rのミッションオイルクーラーは油漏れでリコール出しています。これがミッションオイルクーラーやオイルポンプ廃止の一因になったかも、、、
また、特に最近のGVBにギア鳴りが集中している理由ですが、これは私の勝手な思い込みですが、何らかの設計変更(原価低減目的とか)が行われてシンクロナイザリングの材質等が途中で変わり、シンクロナイザリングの摩擦力が低下するようになったことがあって、その時期とGVBが売れ始めた時期がたまたま重なったんじゃないかと推測します(前職時代、原価低減のために生産中の車の部品の材質を変更することはよくやっていました)。
以上の推測が当たっていると、最近のGVBのミッションは4速や5速のシンクロが行われにくいミッションになっていることになります。
なので、対策としては、シンクロナイザリングの摩擦力が発生しやすいオイルを探して入れることじゃないかなぁ、と考えています。
よく巷でいう高性能ミッションオイルは動粘度を上げて高負荷での油膜保持をうたい文句にしますが、油膜が保持されるということは、シンクロナイザリングとドリブンギアの間の油膜も保持される訳で同期にはあんまりいい方向じゃありません。だから、高性能ミッションオイルよりかは、むしろ、ちょっとグレードの低い物(例えば、GL-4相当)がいいかもしれません。
シンクロナイザリングの摩擦力が発生しやすくするためにメーカーによっては摩擦調整剤(FM剤)を配合したりしているので、こういうのもいいかなぁと考えてもいます。ちなみに摩擦調整剤を配合したミッションオイルは
クスコや
エンドレスでラインアップされています。あとは、MOTULの
コレがいいという噂も、、
でも、自分はデンロクにスンバラシイミッションオイルを配合してくれたMoty’sさんを信用しているので、JのNさんを通じてMoty’sさんとあれやこれやとやっていこうと思っています。
で、いいオイルが見つかったら、ミッションオイルクーラーを装着してオイルを長持ちさせようかな、、、なんて(Nさんがやる気になってくれたし)。
後は、少々アレですが、進化剤なんてものもあるし、
意外と選択肢は色々ありますが、既に4速のシンクロナイザリングが逝っていたというオチがないことを期待します(これだとミッションOHコースなので)。
ただ、こんなに身の回りでGVBのギア鳴りが起きているのに、メーカーとして何のアクションが無いのはどうかなぁと思うので、スバルコールに電凸しましたが、謝り侍が電話にでて、ひたすら「申し訳ありません」を連呼されて情報は全く得られませんでした。
なお、上記の推測等は私の勝手な思い込みなので、間違いだと分かったら、ある日突然このブログは消えます(^-^)/