センチュリーという車、現行で販売されいる車の中で唯一「和の心」を感じる車ではないでしょうか。
何かとコストダウンが命題とされる昨今、この仕立てのよい内外装に1,000万円はかなりお買い得だと思います。私のような人間は新車で購入することは無理ですが(笑)
フェンダーミラーも古き良き日本の高級車という趣で、前後のオーバーハングも長く、サイドビューも美を感じます。塗装は素人目でも分かるほど、鏡のようにムラ・歪みもありません。
他にも「国産唯一のV12ガソリンエンジン」など、レクサス車にもない「トヨタの威信と良心」が詰ったすばらしい車です。
次期型の存在自体も危ういと思いますが、是非ともV12エンジンを載せてキープコンセプトで登場して欲しいですね。
試乗して思ったことは「静かで滑らか」。
まず、ドアを開けて乗り込みますが、最近の車では少なくなったフラップ式のドアハンドルです。
亜鉛ダイキャスト製で高級感があります。ドアも重く重厚な造りでした。
エンジンを始動しますが、これもキーをひねる一般的なタイプです。
セルの音は他の車に無い、いい音がします。
言葉では表現するのは難しいですが、「キューーーーーン、フォーン!」という感じでしょうか。
驚いたのはアイドリングで一切振動が無いことです。
アイドリングでも無音です。窓を開けてもエンジン音が聞こえません。
V8のLSやマジェスタ、V6のクラウンでも振動は非常に少ないですが、ハンドルからわずかな振動はありますし、直噴ゆえのエンジン音も多少は聞こえます。
ここでも普通の車とは違うというのを感じました。
Dレンジにいれても振動はしません。いよいよ発進します。
軽くアクセルを踏むと、ボンネットがフワッと上がり、テールが沈みます。
私はソフトな乗り心地が好きなのですが、この乗り心地には感動しました。
これぞエアサス、昔の13系クラウンを思い出します。
ブレーキを踏むと、軽くノーズダイブし、フワッと優しく優雅に停車します。
ハンドルは非常に軽く、片手でクルクル回せるほど軽いです。
これだけ大柄なボディーなので扱いが大変かと思いましたが、ボンネットの見切りが非常に良く、Aピラーも立っていて、見切りも視界も非常に良好です。
【総括】
一言、感動しました。これぞ古き良き日本の高級車です。
冒頭でも述べましたが、トヨタの威信と良心が詰まった車だと感じました。
時代は、エコ一辺倒の世の中。総理大臣専用車もセンチュリーからLS600hLへとハイブリッドカーになりました。
また、ドイツ車に対抗してスポーツ志向の車が多くなりました。
それとは対極にあるセンチュリーという車。
ひたすら静かに滑らかに。
信念を貫いている頑固親父のようで、威厳があり風格があります。
今のトヨタ車が失ってしまったものではないでしょうか。
Posted at 2013/01/02 10:06:18 | |
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