
159にもイカリングをつけてみました。
納車前からパーツは準備しており、合間を見てエンジンルームから車内に配線を通し、車内スイッチとリレー、そしてLEDの光量調整器も設置して準備万端。
一日仕事になることを覚悟していたので、梅雨明けした直後の週末に、イカリングの取り付けに着手。
涼しい朝の8時からバンパーを外し、ライトを取り外しクーラで冷やしておいた部屋に持ち込むところまでは順調です。
この調子だと午前中に終わってしまうんじゃないかと思ったのですが、いきなり大苦戦です。
これまで、何回か国産車でイカリングの組み込みを経験しましたが、この159の殻割りが一筋縄ではいかない。ヒートガンでいくら熱してもシーリング材が柔らかくなりません。
一瞬、最悪諦めて元に戻すことも頭をかすめました。
こうなれば自分の車なので、気兼ねなく肝を据えて最大風量の最高温度にしてガンガン温めました。
まずは、角の部分から、レンズ部分を溶かさないように気をつけながら、ハウジングの縁を柔らかく溶かして変形させます。
事前に複数本用意していたマイナスドライバーやスクレーパー、そして内張り剥がしをぶっ刺して徐々に隙間を広げていきます。
そして一番役立ったのが、クリッププライヤーで、片手にヒートガン、片手でクリッププライヤーという最強のコンビネーションを見つけました。
2個の殻割りに3時間を費やしてしまい、残ったシール材をナイフとマイナスドライバーでせっせと掃除ですが、固く硬化した黒いゴム状のカスが大量に取れ、部屋中がゴミだらけになりました。
この段階でライトのパーツの磨きをする気力もなくなり、せっかちな私はいきなりリング6個の組付けです。
最初は両面テープで貼り付ける予定でしたが断念し、透明のスティックを使用してグルーガンで接着。
配線は、真ん中のリングだけウインカーの+線に結束しておきました。
束ねた配線は真ん中の背面キャップにハンダゴテで穴を空けて通しておきました。
ここで、焦ってはいけません。この段階でバッテリーに接続して点灯テストをしてから、ブチルゴムで貼り付けです。
ここからは慣れたもので、片側10分ほどで接合完了です。水の侵入を防ぐために、ブチルゴムをケチらずにしっかり貼り付けました。
ここまでやって、もう14時を過ぎており、一番気温の高い時間帯に外に出てバンパーを地面に下ろし、ライトを外された不気味な状態で炎天下の中で待たせておいた黒の159のもとへ。
通りすがりの人は、いつものことだけど今日はかなり大掛かりな修理をしているのだろうと思っていたことでしょう。
でも、ここまでくればエンジンルームの配線も準備済みってことで、サクサクっと組み付けです。
配線の長さを調整して、ギボシ端子を付けて事前にイージしていた通りに配線して、一発で完了です。
冬場だったらそろそろ日が傾く時間までかかり、思った通り一日仕事となってしまいました。
事前の配線の準備をしていなければ、この猛暑の中では終われてなかったかもしれません。
あっ、それと一つ注意事項ですが、バンパーを取り付ける前にかならず、イカリングだけではなく、ライト類の動作チェックは必ず行ってください。
今回は右のスモールランプが点灯しませんでした。
原因は、ウインカーやスモールランプの配線が真ん中のライトにあるのですが、経年劣化で配線の被膜が硬化してボロボロで、銅線がむき出しになっており、ショートした可能性があり、球切れをおこしていましたので、予備のものと交換し、配線の絶縁をしっかりして無事復旧しました。
なんだかんだ苦労しましたが、無事イカリング化計画も完成となりました。
こうやって、色々弄っていくことで、アルファロメオの仕組みやクセの傾向のノウハウが蓄積されて、今後に役立って行くことになります。
それで、今回の作業で掛かった費用ですが、すべてのパーツを合算しても7,000円ほどです。
中国のサイトで白/橙発光のイカリング本体は4,000円ほどで買えますし、あとはスイッチとリレーぐらいで、光量調整器は使ってないものを持っていたので、それを使いましたが、1,000円ほどで買えるものです。
もし、これをショップに頼むと、軽く10倍以上の費用が掛かるはずですし、もちろん車は預かりになってしまいます。
そして、その費用の大部分が工賃なのは言うまでもありません。
当たり前ですが、大して高額なパーツを使うわけでもないのに手間だけは掛かってしまうのがヘッドライトの改造と電気系統の配線作業なのです。
でも、決して重整備と言うわけではないので、私のような手順で作業すればDIYで出来てしまうレベルです。
まぁ、私の場合は普通のカーショップ並の工具を所有しているので、作業中に手が止まることがないですし、何かあっても目と鼻の先にオートバックスがあるのも大きいですが。
ただ、欧州車を弄るにはトルクスと六角のビットは必ず必要になりますので揃えておかないと作業が進められませんのでご注意を。
それと、私が車を弄りだした数十年前と違って、YouTubeという便利なツールで世界中の人の作業が見れるので、事前に完璧な作業イメージが作れる点が大きいです。
バンパーひとつ外すにしても、多くの動画が出回っているので、作業中に悩むことは一度もありませんでした。
失敗したとて、エンジンが壊れるわけではないので、皆さんもこの程度からDIYしてみてはいかがでしょうか。