
僕は最近、
「苦労をするからこそ楽しさって感じる」と思うのです。
年末に年賀状を作成した時に「ありきたりなのはつまらない」と思って、その手間から今時ほとんど見なくなった「芋版」で初めて作ってみたのですが、時間をかけて彫っているうちに凝り始めてだんだん楽しくなってきちゃいました♪
自分で構想を練って創り上げると満足度も高いし、手作りだと送る方にも感謝の気持ちが伝わりやすくて良いものですね。でも申し訳ないんですが、年賀状の趣旨が「作成という自己満足」に途中で変わってきてたのかもしれませんw
学校で20歳前後の40人の学生と1年半の間ずっと接していて思ったのですが、とにかく「楽」をしたがる人間が多いと感じました。
「早く帰りたい」とか普通に言ってくるし、目を離せばすぐ遊んで手を抜くし、自分に興味が無いことを口では「やってみたい」と言いながらいざやらせてみれば少し触っただけですぐ飽きて投げだしてしまいます。
特に人から何でも物事の解決法の近道を教えてもらうことを平気でするので、自分で努力しないで結果ばかりを早く求める傾向が強いのです。
今の世の中は、モノと情報が溢れすぎていて楽で便利になった反面、自分でチャレンジしてみて試そうとしないから実体験をしてないのにネットや雑誌などのメディアからの情報だけを信じて鵜呑みにする浅い人間ばかりになってしまいました。
学生と就活面談をしてみると「ディーラー整備士は好きな会社の車に乗れないし、服装や身なりに厳しいから行きたくない」という甘い考えの学生が非常に多くて驚きました。実際にディーラーへ実務研修に行ったわけでもないのにイメージや人から聞いたりしたことだけで判断して就職先を決めようとする安易な考えの学生ばかりでした。
ディーラーは整備技術を学ぶためのメーカー研修があるので最新の車の構造作動を深く学ぶことが出来るという利点は全くもって彼らの頭の中には無いのです!
実家から距離が近くて年間の休日日数が多くて車検と点検ばかりしか入庫しないような楽な職場のほうが人気が高いというのが全く自分には理解できませんでした。
そういう甘い考えの学生が就職面接に行くと大抵どの企業も落とされます。人事の方もプロですから、本当にその企業の仕事内容に魅力があって応募しているのかどうかは少し話せばすぐ分かりますし、履歴書を見ただけでも文面がマニュアル通りで個性がないからすぐバレるんですよ。そういう学生はどの企業でもほとんど内容が同じ履歴書ばかり送っているはずです。「数打てば当たる」と思っている学生よりも本当に自分がやりたい仕事が出来る企業にピンポイントでチャレンジした学生の方が面接官に熱意が伝わって内定がもらえたことも実際によくありました。
クラス担任をやっている時、放課後とかに何でもよく相談しにくるような学生はやっぱり将来どんな仕事をしたいかを常に模索していて前向きに考えているし、仕事内容の向き不向きもよく理解していました。こういった学生はクラスで数人くらいしかいませんでしたが。。。
普段からいろんな雑談をしていることでその学生の性格がこちらもよく分かるので、この学生に向いている仕事は「整備or板金」なのか「乗用車orトラック」なのか「国産車or輸入車」なのかを的確にアドバイスすることが出来ました。社会人になることに向かって真剣に頑張っている学生にはこちらも出来る限り協力したいし、第一志望の企業の内定を必ず取って欲しいですからね。
僕が授業中に輸入車整備の経験談を話してその大変さを伝え続けたにもかかわらず輸入車の整備の道を選んだ学生が2人だけいました。彼らはその意思の強さでそれぞれ一発で求人数の少ない内定をもらうことができました。
卒業して数ヵ月後、その学生から電話がかかってきて、
「先生が言ってた通り、外車はありえない故障ばかりで毎日大変だけど、すごく充実していて楽しいですっ!!」
この言葉を聞けて本当に良かったなあと思いました♪
僕が2年半のブランクを経て再び輸入車整備の世界に戻る決意が出来たのは、
完全週休2日で屋内勤務の今の職場で楽すぎてつまらない仕事を続けて不毛な日々を送るよりも、休みが少なくて毎日がハプニングだらけの輸入車整備の方が数倍大変だけど頼られてやりがいがあり楽しく充実してたことが分かったからです。
すごく苦労したことって数年後に楽しく笑って話せる時が必ず来て一生忘れないものだから良い経験だったなあと思うのかもしれませんね。
4月からどんな厄介な輸入車が入庫してくるのか今から楽しみで仕方ありません(笑