産総研が低濃度の酸水溶液を使った、セシウムの抽出・回収に成功した。土壌からセシウムを取り除く方法の一つ、粘土鉱物の除去では土質によっては土壌の再利用分が少なく管理分を減らすことができず、高濃度の酸でセシウムを抽出する方法では酸の取り扱いや再利用が難しかった。
産総研は低濃度の撒水溶液で抽出し、顔料のプルシアンブルー(高校化学にも必ず出てくる、有名な顔料)で吸着し回収する。
これによって、放射性廃棄物を大幅に減らすことができそうだ。
以下引用。
土壌中のセシウムを低濃度の酸で抽出することに成功
-プルシアンブルーナノ粒子吸着材で回収し放射性廃棄物の大幅な減量化へ-
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110831/pr20110831.html
概要
独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)ナノシステム研究部門【研究部門長 八瀬 清志】グリーンテクノロジー研究グループ 川本 徹 研究グループ長、田中 寿 主任研究員、Durga Parajuli 産総研特別研究員らは、土壌中のセシウムを低濃度の酸水溶液中に抽出する技術を開発した。抽出したセシウムをプルシアンブルーナノ粒子吸着材で回収することで、放射性廃棄物の総量を減らすことが期待される。
平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により、さまざまな場所で放射性セシウムが検出されており、大量の汚染土壌の処理が課題の一つとなっている。高濃度の酸を用いて土壌から放射性セシウムを抽出できることは既に知られているが、取り扱いが難しいことや、抽出した放射性セシウムを吸着材で回収する際の効率が悪い、酸の再利用が困難でコストが高い、など多くの問題があった。
今回、土壌の重量に対して用いる酸水溶液の重量比(固液比)を上げ、200 ℃の高温で処理することで、大半のセシウムイオンを低濃度の酸水溶液中に抽出することができた。さらに、抽出したセシウムイオンを土壌の1/150の重量のプルシアンブルーナノ粒子吸着材で回収することに成功した。また、土壌からの抽出と、吸着材による回収を組み合わせることで、より効率的に抽出できることも見いだした。今後、協力企業を募り、実証試験を進めていく予定である。
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放射性物質・放射線 | 日記
Posted at
2011/08/31 22:53:47