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Yuh_Fazioliのブログ一覧

2008年11月02日 イイね!

ピアッツァとSVX どちらがいい? その4

 ピアッツァが発売前には大絶賛されても販売的に大苦戦した理由は動力性能と走行性能だったと言われますが、それは自動車評論家が後付けし、やがて浸透した理由だと思っています。私は当時の横並び主義的な日本人は、シニアな雰囲気をもち、あれほどまでに飛び抜けたデザインの車を買うほどには成熟していなかったためだろうと思います。同じジウジアーロデザインのジェミニが空前の大ヒット(月間ベースではカローラを超えたこともあるというのは本当?)だったのはアクロバチックなCMが大いに貢献していますが、優れたパッケージングの小粋で安価な実用車ならいすゞブランドでも多いに受け入れられる証明でした。突飛で高価なものには慎重になったのが実際のところでしょう。クーペが若者の車と認知される中、高価でシニアなイタリアンデザインで動力性能は古くささの漂うピアッツァより、ソアラの高性能で無難なデザインが支持されたのは当然でしょう。

 ではSVXは?
 バブル真っ盛りの当時、非常に多くのスポーツカーが大メーカーから供給されていました。
 CADでデザインされることで発揮された過剰なまでの曲線美をもつRX7(曲線オバケという人も)など、カーデザインも一つの極みに達していました。
 多様に見えて、それでも日本人にとって受け入れやすい共通の無難さというものがあったようです。特にクーペは若者の車であり続けました。
 モータースポーツで活躍するリアルスポーツ(風)デザインは確実に受け入れられる一方、少々突飛でスポーツカーを名乗らない、高価で「洒落た車」は支持されませんでした。おそらくは若い世代ではSVXを買える財力はなかなかない一方、そこまでして買うなら皆が支持するハイパワーカーがいいとおもったはずです。
 車の性能をフルに発揮する機会などまずないわけですが、それでも過剰な性能を求めるのは、一面に他人からの羨望があります。皆が憧れるような車を所有したいのが普通でしょう。
 いいと思えば高価でも買えばいいわけですが、それほどには自分に自信はないのでしょう。他人の評価を気にしている様では、普通でないものは買えません。

 やがてクーペはバブルの崩壊と共に消滅していきました。
 BMW等にある大排気量の大型クーペは富と大人の象徴であります。経済的停滞の中、経済的バックボーンのない若者がケータイ等にお金を吸われ、お金がかかるだけのスポーツカーは興味の外になっていきました。そして車の主戦場は実用的なSUVへと移行していくことになります。


 さて、話を戻します。
 SVXは海外では日本での3倍を上回る販売台数です(日本6,000台弱、海外18,000台強)。全体にあまり売れたとは言えませんが、国内で売れなかったことが目立ちます。日本市場向けには明らかな失敗作です。ピアッツァといい、結局なぜジウジアーロのクーペは売れなかったのでしょう?

 ジウジアーロがデザインしたことが公表されているトヨタ アリストが国内で成功しました。気をよくして北米でレクサスブランドで販売をはじめたぐらいです。アリストは若者に媚びがちなクーペではなく、ベースは富裕層向け4ドアセダンの売れ筋クラウンで、それを突飛さのないきれいなデザインでまとめたものですから、クラウンの購買層だけでなく幅を広げて売れてしかるべきものでした。マーケティングの勝利でもあります。

 日本では、マーケティング的にクーペのターゲットを若者と考えていたようですし、日本人の多くは車に夢中になれるのは若いうちだけという人生のあり方に飲まれていました。会社に勤めていれば趣味を楽しむ余裕などなく、結婚すれば実用的なセダンを買う。そしていつかはクラウン。そんな中で日本のクーペ像と「シニアな感覚の高級クーペ」が相容れなかったのでしょう。中高年齢層の数少ない高級クーペ志向の人は外車というブランドを選ぶことも多そうですから、難しい位置づけだったのでしょう。

 結局、クーペでは、若者がターゲットになるのでわかりやすい「スポーツカー感覚」と「ブランド」がないと売れなかったのではないかと思います。
 
 また、その時代の無難な路線を外れるデザインはまた売れないようです。
 欧州でヒットしたユーノス500はジウジアーロもほめたデザインですが、国内ではとんと売れませんでした。マツダの業績不振もあって国内販売をそうそうにやめました(1992-1995)が、欧州向け生産は続けられた(1992-1999)とのことですから、いかに事情が違ったかが分かります。
 アメリカで売れた日産のレパードJフェリーブルーバードSSSなど尻下がりデザインの車も、国内では苦戦しました。


 ところでピアッツアですが、国内40,000台弱、海外68,000台強とのこと。10年間の長きにわたり売り続けたとはいえ、それなりに国内でも海外でも台数が出ていますね。


 最後にまとめです。
 デザイン的には、SVXは美しいしバランスも取れているけれど、個人的にはなにか足りない。そもそもデビュー時の衝撃はピアッツァの方がはるかに大きかった。それはカーデザインが世界的に充実してきたなかでSVXが埋もれがちになってしまったことが大きかったと思います。
 一方、ジウジアーロ自身の思い入れの違いも影響したかも知れません。ジウジアーロとしてはSVXは受けた仕事であるのに対し、ピアッツァは提案した仕事。ジウジアーロにとっての出世作117クーペをつくったいすゞとの関係が特別であったこともあるのかも知れません。

 ピアッツァをみると、今も新鮮な一方、ボディ一体型バンパーをはじめとする現代的要素がありながら、幅狭なボディや扁平率の低い小径タイヤにあわせた腰高な雰囲気などの古くさい中途半端な部分もあります。
 なので、現代的なモディファイをしながら、デザインの良さを残していくアプローチが最善なのだろうと思うのです。

 初期型を尊重するのは、それはそれで正しいことと思います。
 けれど、実用車として乗っていく限りは、乗り手のオリジナリティも加えながらというのが大切な楽しみ方だと思っています。
 初期型ピアッツァを、117クーペに通じる見事なまでのイタリアンな雰囲気に創り上げた方が以前いらっしゃいました。筋の通ったすばらしいセンスをお持ちなのだろうと思います。ピアッツァを残していく中で、そんな楽しみ方をできればいいなと思います。

 私がSVXに感じる最大の不満は、後席の狭さです。ピアッツァよりきつい。これはリアウィンドウの傾斜のためで、もしハッチバックを採用していれば後席にも余裕があったはずです。より多くの荷物が積載可能となったはずですし、もしハッチバックを採用していればより実用的なクーペに仕上がったはずです。
 当時はワゴンが売れない時代で、バンと言えば商用車。レオーネバンのイメージを払拭したかったからこのような選択になったのかも知れませんが、もったいない限りです。
 SVXで得たデザインノウハウはレガシイとインプレッサに活かされ、リアハッチはスバルの大切なアイデンティティの一部になっています。SVXはいろいろな迷いの末の車だったのかもしれません。
 圧倒的な動力性能や、空間の快適さはSVXの魅力ですが、それだけでは普通の車との違いが見いだせません。SVXはもうすこし実用的かつ思い切ったデザインがなされていれば、違った扱われ方があったのかも知れないと思います。

 
 なお、今回の一連のエントリーで、販売台数のデータや開発に関わる話は、下のサイトを多いに参考にさせて頂いています。詳細で客観的なデータ収集と公開、まことにありがとうございます。

Guide to Isuzu Piazza & Subaru SVX 
Posted at 2008/11/02 13:10:52 | コメント(1) | トラックバック(0) | PIAZZAとSVX | クルマ
2008年11月02日 イイね!

ピアッツァとSVX どちらがいい? その3

 次はアルシオーネSVX。

 先代はスバルのフラッグシップとして企画されデザイン的に一部のマニア以外には受け入れられず大失敗(アルシオーネ好きの方、ごめんなさい)。このアルシオーネの反省から、デザインをジウジアーロに託すことで全く新しいイメージのフラッグシップカーをつくろうとスタートしたようです。

 ジウジアーロはピアッツァと似たイメージで小型車枠の実用的スポーツカーの案を提示したようですが、スバルの思惑とは異なるものだったようです。
 スバル側は、リトラクタブルライトをアルシオーネのイメージを払拭したいことから拒否。実用性の高いハッチバックを採用せず、スバルの技術力を誇示する伝統の水平対向を大型化・大トルク化したエンジン、かつ伝統の4WDをもつスーパーカー的なものを志向していきました。

 結果としてピアッツァの弱点を克服したかのような、幅狭感のない余裕のあるボディを纏う、高い走行性能をもつハイテクGTカーが生まれました。
 確かに、美しくかっこいい。ハッとするようなラインがある。
 しかし、なぜか道路の上で存在感が薄いのです。このことが気になっていました。

 ピアッツァは、みる角度を選びますが、車の近傍に立ち、人の目の高さでみた時に美しさが感じられ、実寸大のクレイモデルでデザインされた車であることがよくわかります。
 SVXもジウジアーロがスバルでクレイを削って手直しをしたようで、ラインの美しさも感じる。しかし大人しく、なぜかピアッツァほどの新鮮さがない。

 それは、SVXで取り入れられている面構成やバランスが、すでに多くの車のデザインで取り入れられているものと近かったからだと思うのです。

 実際、正面から見た時、初期型の透明樹脂グリルだと、同じく透明樹脂グリルをもち同じようなラインでプロジェクターランプが並ぶS13シルビアと間違われることが多く、私のSVXのように透明樹脂グリルをやめたS4グリルであってもS14シルビアとなんとなく似ています。

 ピアッツァの時代には許されたフロントの長いオーバーハング(いすゞはこれを削ろうとしたがジウジアーロが拒否した)がSVXでは影を潜め、リトラクタブルやセミリトラクタブルではなく固定ライトにしたことが、当時のよくあるデザインに埋もれた原因でしょう。スーパーカー的ギミックを凝らしたアルシオーネの反省が、SVXをスーパーカーたらしめない結果になったのかもしれません。
 結局、独特な一文字リアビューと、グラスtoグラス・ラウンドキャノピー(ジウジアーロの当時のデザインテーマと、航空機メーカーでもあるスバルの航空機イメージの融合)がSVXをSVXたらしめているものと言えます。

 しかしながら、SVXは販売的に大苦戦。SVXやSVXのワゴンモデル「アマデウス」がモーターショーで大絶賛されても実際に買われるものではなかったわけです。
 突飛な要素があるから売れないと考えたのか、ついに限定車S3以降ではSVXの特徴であるブラックアウトされた屋根をボディ同色にするという、明らかにアイデンティティを失わせるテコ入れをしました。2代続けて失敗したスバルのうろたえぶりを物語っています。
(それでも、日産がバブル崩壊の中でシルビアが売れなくなり、若者に媚びればいいとメーカー純正でヤンキー車じみたひどいエアロをつけたモデルを売り出したのよりははるかにマシでしたが。あの頃はスカイラインでもヤンキー車じみたデザインにしたR34を出し、業績不振の中ひどい迷走ぶりを露呈していました。日産のデザイナーの話を聞いたことがありますが、デザインを理解していない経営陣や営業とデザイン側にかなり意識の違いがある会社運営だったようです)


Posted at 2008/11/02 11:48:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | PIAZZAとSVX | クルマ
2008年11月02日 イイね!

ピアッツァとSVX どちらがいい? その2

今回はデザインの視点から。

 まずはピアッツァです。

 ピアッツァが登場した時、正確にはジウジアーロ率いるイタルデザインのショーモデルとして「アッソ・ディ・フィオーリ」が登場した時、その流麗なデザインはとても注目を集めたと言います。

 クロームメッキのバンパーの時代から樹脂製のボディと一体化した大型バンパーの時代へと移り変わりカーデザインが世代交代した頃で、その中にあっても異彩を放つ存在であったようです。

 あえて言うならスポーツカーの古典的スタイリングである「ロングノーズ、ショートデッキ」(ジャガーEタイプシリーズ3 2+2クーペや、そのデザインによく似た初代フェアレディZとかがわかりやすいでしょうか)を踏襲していますが、面構成が独特でした。
 近い時代のジウジアーロの作品に、ロータス エスプリDMC デロリアン、VW 初代ゴルフシロッコ、ランチャ 初代デルタなどがありますが、いずれも共通したエッジの立った面構成をしています。しかし、ゴルフやデルタなどは実用車にもとめられる合理性で車の前後を伸ばせず、ラインの美しさは出せていません。同じことはいすゞ 2代目ジェミニでも言えます。エスプリやデロリアンでは車幅が取れる分迫力がありますが、平面的な面構成をしたせいかその前の時代のマセラティ ギブリや、いすゞ 117クーペにある曲線の美しさはあまり出ていないように思います。

 この頃のジウジアーロと宮川秀之(ジウジアーロと共にイタルデザインを立ち上げた人物)は、117クーペの後継として小型で居住性に優れたスポーツカーを志向していたそうです。「アッソ」はその企画の打診を受けたいすゞが受け入れたところによるものだったようです。
 小型実用車で成し遂げられないデザインをなされたアッソ、そしてその市販版であるピアッツァは、小型車であるが故に幅が限られ、いわゆるスーパーカーとは違ったスタイリングではあるものの、実用車では許されなかった余裕からくるエッジと曲面を活かした流麗なボディデザインと、デザインの犠牲になることのない内部空間……大人4人が乗れるクーペとしては広い空間と、大きなリアハッチでそれなりに大きな荷物も載る荷室……による利便性を併せ持つ、比較的高い次元でまとめられた車に仕上がっていると思います。
 
 多少運動性能は犠牲にはなっていますが、一時の折り紙細工のようでなくかつての曲線の柔らかさも併せ持つ、他にはない独特なロングノーズショートデッキのウェッジシェープのスタイリングは、今でも新鮮さをもっています。

 現代の車は、運動性能と居住性を重視し、ほとんどオーバーハングのない寸詰まりでまるまるとしたボディデザインを取るものが多く、ショートノーズ・ハイデッキなどのどれも似た雰囲気です。独特の個性を主張することが多い欧州車も、品質管理で競争に負けた反省から日本車的になったその一環か、同じような合理的文法でデザインされ、かつてほど面白みがなくなっているような気がします。

 ピアッツァのような、美しさを求め非合理性と合理性を併せ持つデザインは、現代ではなされることはなさそうです。イタルデザインの近年の作品を見ても、残念ながら実用的かつ美しいデザインが具現化されたものが見あたらないような気がします(最近はジウジアーロの息子がデザインを担当しているとか何とか)。

 故にピアッツァは貴重な存在だと思うのです。

 ジウジアーロの出世作たる117クーペにくらべると現代的すぎるせいか扱いが低いですが、もう少し見直されてもいいかもしれません。
Posted at 2008/11/02 09:21:18 | コメント(1) | トラックバック(0) | PIAZZAとSVX | クルマ

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