
26日(日)に
リヤショックアブゾーバの保証交換でレクサスを訪れたとき、ちょうど試乗車があったのでちょっと乗ってきました。
簡単に紹介しますね。
ボディカラーは精悍なブラック(212)。
ボディラインに曲線が多くあるので、まるで有機体のような、生き物のような独特な雰囲気。
光による陰影美が良く出る212だからでしょうか、私が1歩動くたびにISが少し動くような活き活きさを感じました。
獲物を狙って真正面を見据える動物のような鋭い眼差し、ここはボディラインの曲線とは対照的に鋭角なラインが多くあり、鋭さや威圧感のある雰囲気。
緩鋭を上手く織り交ぜた見る角度や光の当たり方によって印象が変わる素晴らしいデザインだと思います。
さて、ドアを開けて・・・
っと思ったら、このドアハンドルの上のボディパネルのシボリ方、往年のボルボ240や244よりも角度寝てるくらい相当搾ってますね。
特にリヤドアバンドル上のシボリ方、ハンパないレベル。
ドアミラーに写るこのウネリはポルシェ911のよう。
洗車拭き上げ時のニヤニヤ確実エリア^^
ドアミラーで後方見るたびニヤニヤ間違い無し^^
ボディ面が折れる様子は見る側にとって硬いイメージとして残るので無意識的にこの車のボディ剛性が高いという印象に繋がります。
この面折れ、見方によってはオーバーフェンダーにも見え、グラマラスなエクステリアを演出しています。
親指姫なら普通に立っていられるほどですね(^^)
乗り込むたびに目にするこのパネルの搾り方、さらに太目のドアグリップ、そしてこちらの予想よりも重たいドア、このあたりの要素がシートに座る前から、この車がずっしりと落ち着いた、カチッとした質感の高い車だということをアピールしているように思うし、実際にそう感じます。
運転席に座ってドアをバスンッ!と閉めると、その閉まり具合(音や振動、感触や遮音感)から察して、相当にボディ剛性を上げてるな、と思いました。
非常に気持ちの良い閉まり感。
サイドサポートがしっかりと張り出しているスポーツシートなのでタイト目な着座感ですが、なんかこう気が引き締まるというか、シャキッとした印象。
「よし!走るぞ~!」っとなるようなタイト感。
そうそう、メーター中央のメーターリング、あれ、ハンドルのスイッチで右にサ~と動くんですよ。
LFAに初採用された可動式メーターリングですが、このIS300h Fスポーツにも採用されたようです。
メカさん・・・
「シャシは現行GSのアレンジ版で、レーザースクリュー溶接や構造用接着剤をシャシに塗布しているので、先代ISに比べると格段にボディ剛性が上がっています。
現行GSと比べてもこちらのISの方が上だと思います。
シートも初採用のトヨタ紡織製の表皮一体発泡工法のシートで、表皮と内部ウレタンが一体になているので、ズレが無く、カチッとした座り感が得られると思います。」
この写真はFスポではなく、素のIS300hです。
確かに、乗り込んで座るまで、一貫してカチッとした硬質な印象を受けます。
各種操作系のタッチは総じてストローク少なめ、反力強め、ダンパー弱めということで、ドアを開けて乗り込んで操作するまで、一貫してカチッとした節度感のある骨太・硬質な印象。
個人的には(疲れそうだから)、ダッシュボード素材に柔らかな印象のクッション厚のあるレザーを巻くとか、パネル面積の大きな箇所を設けて少しインテリアの印象を緩くした方が好みかなと思いました。
段差多く、パーツ点数多く、パネル1つの面積の少ないこのISのダッシュボードは、
マイGSの1枚ものの一体放出成型ダッシュパネルとは対照的なので、逆にそう思ったのかもしれません・・・。
さて、するするとモーターで走り出して、のんびり走っています。
可動式メーターリングを右に動かして各種情報を表示させて遊んでいます(^^)
流れに乗って走ってると、ブルンッ!っとエンジンが掛かります。
このあたりは以前乗っていた30プリウスとだいたい同じ。
足の先の方でエンジンが掛かったのが音と振動で分かります。
もう少しエンジンの掛かりを静かに滑らかにすると、先ほどまでの建て付けの良い硬質な印象とマッチすると思いますが、建て付けの良さ故かハッキリと音と振動が伝わります。
2AR-FSE型2.5リッター直4エンジン、これが頑張っているときの音が、(細かい話だけど)思っていたよりもガサツというかメカニカルノイズでイマイチ滑らかさに欠け、せっかくの遮音性や走行時のフリクションの少なさと合わず、どうもしっくり来ないんですよね。
足の先から存在感をアピールするのは良いけど、聞こえてくる音がどうも車の雰囲気と合わない感じ、もう少し抑えるか、音の調律(スポーツ系サウンド)をして欲しいかな、と思いました。
それから加速性能ですが、Fスポーツを期待して乗ると少々期待ハズレかもしれません。
湧き上がるトルクでグイグイと、しかし滑らかに豪快に加速するのがお好みならマイGSと同じエンジンを搭載するIS350Fスポーツがオススメです。
こちらの加速は上り坂でもまるで下り坂のようにグイグイ突き進みます(^^)/
メカさん・・・
「エンジンが掛かった状態だと、HIROSさんのGSの方が静かだと思いますね。
予想以上にエンジンの音を殺していないというか、聞こえてくるんですよ、IS300hは。
ハイブリッドシステムなどで車重が1670㎏もあるので(19型GS350は1640㎏)、遮音材が多少犠牲になった裏があります。
もっと静かにすることも可能だと思いますが、車重・燃費・走行性能などとのバランスが難しいようです。」
そうですか、静かで滑らかな車が好きなので、ちょっとこの辺りは気になってしまいますね・・・。
それから、シートファンは快適で素晴らしい装備だと思うけど、けっこうファンの音が気になりましたね。
もう少し抑えて欲しいところだけど、背もたれ内臓のファンは耳に近いので、根本的なファンの静音設計に期待ですかね。
出来れば座面ファンと背もたれファンを個別にON/OFFすることが出来れば良いかな、と思いますね。
ファンの発する高周波音、耳元で虫が飛んでいるみたいで気になるので。
ところで、30セルシオですが・・・っとここから話は最終型セルシオの話になって、試乗コースを変更して時間を稼ぐほど話が盛り上がってしまいました。
メカさん
「リーンバーン機構など無かったエンジンを搭載した最終型セルシオのほうがLSよりも静かだと思いますよ。
リーンバーン特有の高周波音を完全に消すことは難しく、それがかすかに聞こえるか聞こえないかのレベルで音というよりも空気として、雰囲気として感じられてしまうんですよ。
お父様の最終型セルシオのeR、良いですね~私も好きな車です。」
ですよね、私もたまに乗りますが、滑らかさピカイチですよね。
さて、約30分の試乗が終わってレクサスに戻ってきました。
試乗スタート時の燃費表示は8,5キロ、戻ってきたときが11,8キロでした。
メカさん
「燃費伸びましたね!
このコースであの走りで(途中2速でガバッとアクセル踏んだりして)、エアコン入れてここまで伸びたのはすごいですよ~。」
前愛車が30プリウスなので、アクセルの開け方、モータートルクの使い方、先の流れの見方、坂道の走り方など心得ていますので(^^)
もっと伸ばせましたが、この車はそういう車でもないので、普通に走りましたよ。
っとういわけで、IS300h Fスポーツを試乗したわけですが、乗り味、雰囲気、内装質感などなど硬質感が支配的で、ちょっと疲れそうな気がしましたが、総じて良く出来た車だと思いました。
カチッとした、凝縮された質の良さを感じた試乗でした。
私的には新型ISのベストバイは、素のIS250かな、と。
V6/2500ccの4GRエンジンの滑らかさはハイブリッドの4気筒エンジン(2AR/2500cc)とは比較にならないほど静か、滑らかに回って、車内の静粛性能は確実に上、トルクも260 (26.5)N・m(kgf・m)/3,800r.p.mあるので、必要にして十分かな、と。
出来れば6速じゃなくて、350と同じ8速ATが良かったけど、税抜き400万円というプライスは、そこそこ割安感があるように思います。
新型ISはリボンクラウン(2.5アスリートS/税抜き390万、ハイブリッド アスリート/税抜き390万)などと迷う方も多いのかな、と思います。
どちらも2ARや4GR積んでますからね、ほぼ兄弟車ですね。
あちらにはリモートタッチが装備されない代わりにマルチ操作部がグッと手前にせり出て、オペレーション的にはまぁまぁなのかな、と思います。
乗降性・居住性は開発段階からタクシー使用も考慮されているクラウンに軍配ですが、ISのパーソナルな居心地の良さ、雰囲気の良いタイト感は逆にクラウンには無いアピールポイントだと思います。
ちなみにこちらはHS250hです。
こちらの方が室内はルーミーで緩い雰囲気、静かさや滑らかさはIS300hより上だと思いますね。