辛口評価第２弾　Ｓ６６０の３回目

実は３回目の話はもうちょっと前に完成してたんですが、キーボードが滑りすぎて自主規制しました（笑）。

ひとつの方向から見ると面白くても、他の方向から見ると違うということはありますのでね。セルフ読者プレイです。新たに書いた３回目をだうぞ。


オレもこういう話を書くにあたって、ちょっとくらいは調べモノをしているんですよ。ちょっとだけ。
http://www.honda.co.jp/tech-story/engineer/engineer-talk/s660/

クルマ造りに対する真剣さ、真面目さはよく伝わって来ます。

車体、エンジンの工業製品としての出来の良さに現れているのは、こういう部分でしょう。

一方で、言うほどのこだわりは感じられない。

その代表があのアクセルレスポンスだし、エンジンは使いやすいけどぜんぜん回らないし、ドライビングプレジャー的にはスタートラインにやっと立ったくらい。これから仕上げていくレベルです。

本当にクルマが好きでドライビングが好きなら、あんなアクセルレスポンスにはならないし、エンジンだってあの程度ではまるで足りない。だってホンダのエンジンですぜ。黙って１万回転は回らないと（笑）。

↑の記事を読んで、さらにとても厳しい表現をすると自意識過剰なんだよね。

本文中の「つくったクルマでお客さまを喜ばせる」なんかまさにそれです。

文章としてもとても主観的な表現で、「お客さま」と書いてはいても主役はホンダであり造ったエンジニアなんじゃないですかね。

この力みもホンダらしいカンジがしてとてもいいんですが（笑）、だったらもっと自然に、遠慮なく力みまくっていればいいんですよ。

９０００回転回っちゃうＳ２０００のエンジンとか、攻めすぎちゃった初代インテＲのハンドリングとか。ユーザーほぼ不在、誰も頼んでないのに変態エンジニアの趣味でやりすぎたくらいのが最高だった。

そこまで変態でもないのに「喜ばせる」とか言われちゃうと、訓練されたホンダ乗りとしては、もっと変態度を磨いて出直して来い、と言いたくなってしまいますな。



コレは確かＦ１のときに配っていたステッカーなんですがね。

自分で一生懸命とかなかなか言わないよね。自意識過剰にはこのあたりも含まれます。

こういうのは８６／ＢＲＺも近いモノがあります。ミニバン全盛の時代に万難を排して発売したスポーツカー（？）というのはわかるんだけど、そこまで大騒ぎするほど飛びぬけたクルマではない。

そのクルマしかないということと、そのクルマをほめちぎるというのは別のことです。


期待値が大きすぎるというのは決していいことではありません。

乗ってからガッカリしちゃうから。そして期待を裏切られた人は、たぶんもう興味を持ちませんぜ。

短期的には盛り上げてクルマや雑誌が売れればいいかもしれませんが、長期的にはファンを減らすことになりかねません。

長期的に何が大切かといえば、楽しすぎて毎日乗っちゃうクルマだったり、会社の帰りに駐車場でニヤニヤしながら見ちゃうクルマだったり、そういうことでしょう。

だからスポーツカーでアクセルのレスポンスがダメなんていうのは、どれだけ厳しく評価してもいいんですよ。そこを甘くしたらスポーツカーなんかすぐになくなりますよ。

だいたいトランクに歯ブラシしか入らなくても文句言わないんだから（笑）。

まだ少しだけ続きます。