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WHITE TRAILERのブログ一覧

2012年11月14日 イイね!

酒と森光子さんと虎の皮、の今日

酒と森光子さんと虎の皮、の今日え!?残りこの時間で
同点→逆転!!!??
ザックジャパン!! やる!やるじゃん!!!!


と浮ついて申し訳ありません。
森光子さんの訃報をお聞きしました…

森重久弥さんのときに 特に思ったのですが、

…これはひじょうに失礼とは充分存じてはいるのですが…

全盛期を知らない大御所さんの業績はわかりづらいんですよね。

それを初めに思ったのは、石原裕次郎さんの存在でして、
『太陽にほえろ!』、「なんでこの人がボスなんだろう」と子供の私は疑問だったのです。
場が場なら大炎上と思いますが、 … そんなにかっこいい人には見えなかったのです。

「昔はトップスター」「あの頃はもうすごくて」「今でも現役で活躍」「後進にエール」

…うーん、そのマスコミュニケーションを愚直に信じて
「あ、この人は名優だったのだな!」となんとなく思っている…ことは多いですが、実際には、



私ぁ『時間ですよ!』を一回も見たことはありませんし、



生の『放浪記』・でんぐり返りも見たこたぁありません。
 (そもそもそれをウリのようにする報道と営業についてもゲフンゲフン)


でも森光子は名女優。
たぶんそれは間違いないのでしょう。これほどの実績があるのですから。
しかし全盛期と晩年には、やはり差がなかったとは言えないでしょう。きっと。

反面。
昭和の一大女優・原節子さんの身の引き振りは万人の知るところです。
いまだに「絶後のスタア」とも言われる山口桃惠さんも、潔く芸能界から去りました。
森光子さんも、「良かった」「素敵だった」と思われるうちに引退した方がよかったのではないでしょうか?


などとは全然思いません。


「どう思われようが、最後まで好きなモノに執着したい!
ワイドショーで「恒例ネタ」として扱われることをためらわず、衆目の前に常に在りたい!」という
老境の芸能人のパワーに、実は圧倒されるのです。



虎は死んで皮を残し、人は死んで名を残す。

自分は普段から「苔のようにひっそりと生きたい」と公言してはばからない人物ですが、ならばこそ、
「自分」という「個」を集団の中で主張して名を残そう というパワーのある方を尊敬します。
なおかつ、それを老境の際まで貫いた森光子さん。ご冥福をお祈りします。
Posted at 2012/11/15 00:46:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2012年11月13日 イイね!

酒とシーボルト?いやいや、の日々

酒とシーボルト?いやいや、の日々※今回酔っているので長いです※

シーボルト。
義務教育を受けたかたなら、間違いなく習いますね。

… でも、何をした人か、覚えてますかっ!?

記憶①:幕末のひとだ。
   ②:医学系のひとだ。
   ③:娘が漫画『JIN』に出てた。あ、司馬遼の小説にも。



タイムアップ! うーん こんなもんですか…(泣)

そんな時には、ありがとうサーチエンジン。えーと、それによると

・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・

ドイツの名門に生まれるが、父母兄弟、みんな死別。

プライドむっちゃ高くて、若い時の決闘回数、33回。

ドイツ人なのにオランダ人とウソついて、当時鎖国してた日本に上陸。当時27歳くらい。

で、やっぱオランダ語がヘタなのを、「山岳地方の訛り」とゴマカす。オランダに山地はない。

オランダ医として働くさなか、日本の物好きと知識をWin-Winし合う。これが鳴滝塾

実は本国のスパイ説もあり。

だから現地の女性ともいい仲になっちゃう。さすがスパイ。

みごと信用を受け、当時のショーグンにも謁見!映画のごたある。

ヨーロッパの地図をエサに、こっそり重要機密である日本の地図をもGET!

…しかし、トンズラする間際、情報をごっそり積んでドイツへ先に行った…はずの船が転覆。

機密をパクったのがバれ、国家転覆レベルの情報漏洩で大問題となる。

なんのかんので実刑は免れるものの、「一生日本に来んな」宣告を受ける。

帰欧後は日本のエキスパートとして各国から引っ張りだこ。国費で『ザ★日本』なんて本まで出版。

各国で「日本、開国させてよー」と言いつつ、ペリーには「あんま乱暴しないで」と助言するツンデレ。

結局、幕府の開国後、60歳近くにもなって、もう一回役職もらって訪日する、超ツンデレ。

なお、むっちゃ気持ち悪い生物「シーボルトミミズ」は、直接本人と関係ない。


・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・
                        ※以上、ウィキペなどを参考にして私訳したシーボルト感。



下の画像は、村上もとか『JIN』で描かれた娘、楠本イネ。日本初の女性西洋医、で有名ですね。
その名を知らしめたのは司馬遼太郎『ふぉん・しいほるとの娘』だと思うのですが、なんせ、


彼女のエピソードのうち
「父の弟子で自分の師、の人物に強いられて
結果、子をなした」

というのが自分には強烈で、まあ真理は藪の中、の話なのですがあまりに




おお…



えーと


なんでシーボルトの話をしてるのかというとですね、




ほら、 除雪機がうちに来たでしょ。  すると職場の先輩除雪機オーナーが、

あ、だったらピン買っといた方がいいぞ」とおっしゃるのですよ。

ピン?なんすかピンって
ほらハネの回るとこあるだろ、あれ、何か噛むと、壊れないように端が折れるようになってんの
ははあ、ハネ本体がゆがんだりしないようにですね
で、それがけっこー折れるから10本単位で買っといた方がいいぞ

んなもんですから慌てて「ヤマハ」「除雪機」「パーツ」で検索!

すると出ました、そのピンやらという部品、

ヤマハさんが言うには、

シャ―ボルト。

あっ硬いものは投げないで。やめてやめて。痛い痛い。

ええ、しかも腹の立つことにはこのシャ―ボルトなるものですね、



ただのネジとナットに216円とな。

店に行って買いゃ100円玉でお釣りがくるぜ!メーカー純正ふざけんな!!
俺ぁ石黒ホーマ
(道民だけわかってください)で10組買って800円だ!やーいざまー見ろ!

…と 憤っていたのですがね、 …さらに調べると、
「ふつーのネジだと折れないから、本体がイカれるよっ!」とのお言葉も。 …ま、そりゃそうだわな。

危ないあぶない、うまそうな話にはウラもある。



あ。 そういえば。


なお、この写真。



シーボルトの娘・イネ」と或るサイトで紹介されていたのを発見。
『JIN』では西洋顔な感じで描かれてたけど、むっちゃ上戸彩な感じじゃん!
すげーキャッホー!こんなに美人ならネタになるぜ!

…と思っていたら、別のサイトから、
「これは娘ではありません。娘の長女です。」ということが判明。

危ないあぶない、うまそうな話にはウラがある。








…あれ?シーボルトの孫が超美人、って、 それはそれでスゴくね?
Posted at 2012/11/13 22:53:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | 自動車 | 日記
2012年11月12日 イイね!

舞茸と青い除雪機、の一昨日

舞茸と青い除雪機、の一昨日♪ヤ~マ~ハ~の
       ゆっきぃ~♪


ほっほっほ、
これでピンときた方は北方民族ですわね。

関東以南のみなさん、なんと恐ろしいことに、
雪国では、こんな歌とともに
除雪機のCMがゴールデンタイムで流れていますのよ。


やあ、冬も近づいてまいりましたねえ。皆さんもうタイヤとワイパーは替えましたか?
(北国恒例、初冬の挨拶)

そんなわけで車周りも冬支度のシーズンですが、
関東の方も「この時期はチェーンやらスノーヘルパーやら積んどかないと」と思うのですかねえ。
あ、もちろん道民はチェーンなんか着けませんが。

そこも大変なのですが、それ以外の準備も冬はいろいろ忙しいのですよ。
庭の植木に囲いをしたり、窓に板打って雪が入らないようにしたり、熊よけの罠をかけたり。

さらに、
北国では冬になると、
恒常的に雪を除かなければならない。(雪かき とか 雪ハネ とか言う) これが面倒くさい。

今年 転居した先は2階建ての共同住宅でしてね… かつ、独身舎なのです。
で 他の入居者2人は女性 (※マンガな展開を想像してはいけない) なので流れとしては、
理不尽に男手を期待されるわけですが
引きこもり体質のオタクに
         そんなことを要求されても困る。


てなことで今年はついに除雪機を買おう。 と思い、各方面にお願いしていたところ、
元職場の先輩M氏(略してMSSM氏)が渡りをつけてくださいました。
つけるどころか安価に交渉していただき、なおかつ整備までしていただきました。
一生ついていきます。(←言葉が軽い)

で、この恩に報いるためには地場産の土産しかない。 と思い、
舞茸をごっさり抱えてMSSM氏のお宅に馳せ参じる私。 (←いや、なんか他にもないのかよ…)



んでで、

現物キタ―――――!!!!!!



現行モデルの前の型、YAMAHASA560E、通称「リッキー」という名だそうで。
ここで『リッキ―台風』と言うと何人のマンガ好きが反応してくれるのでしょうかね。
(連載:週刊少年ジャンプ)

使用感薄く、価格は伏せますがこんな値(ね)でようごぁすか?と西郷どんも疑うプライス。
一生ついていきます。(←繰り返すな)


じつは一回下見に行っていたのですが、その時に懸念事項がひとつ。
即ち、いかにして運ぶか。
北海道のド田舎なれば、先輩の家から拙宅までは30~40分かかります。

わ た し:「必要なら町内のどっかから軽トラ借りようと思ってるんすよね~」
MSSM氏 :「だったら俺のサンバーで積むよ?」
わ た し:「いやそれぁ流石に悪いっすよ、なんとか…

        …

       (手で概測)… ひょっとしてコレ、俺の車に積まさらんですかぁ?


…という非常におおざっぱな予測のもと、引き取りに臨んだわけですが、
もし載らんかったらどうすんだこれ。
テキトーに安請け合いの挙句 周りに迷惑をかけてきた人間としては(←そういう人間なのである)、
ハラハラドキンチョな瞬間が訪れました。頼むぞオイ。
では、実食!!



やったー!!!!!エライぞ初代白トレイル!数年ぶりに彼のことを見直しましたよ!

もともと彼に対する感覚は「屋根付いて狭え軽トラ」というものだったのですが、
その想いというか期待というかあんまり大事に扱ってないというか(おいおい)を裏切らない結果!
もう10年は乗っていますが、まだこいつには乗るな―、と思ってしまいました。車検 金かかるけど。

しかし『乗り物 IN 乗り物』 というのは不覚にも興奮しますねー!
帰路もなんかわけわからず、すれ違うほかの車に
「ん?見えてる? 俺、今この車に除雪機、載せちゃってんの?驚いた?」と自意識過剰なことしきり。
久しぶりに中二病の片鱗を味わいました。





いや、そう言ってちょっと反省 のポーズをとってみたものの…

やっぱ、『マシン IN マシン』はいいッ!過去の歴史も証明しています!!!!

例えば…








…最後の最後に、世代を選ぶ例示を出してしまってすいません … え、これ知らない …?
ああもう知らない人はGOOGLEでも何でも使ってください!(←逆切れか!)


さはさりとて、

MSSM様、ありがとうございました。

一生ついていきます。
(↑いい加減にしろ)
Posted at 2012/11/12 21:41:11 | コメント(4) | トラックバック(0) | 自動車 | 日記
2012年11月09日 イイね!

盗難情報 GPZ900R ニンジャ

盗難情報 GPZ900R ニンジャ※この記事は、盗難情報 GPZ900R ニンジャについて書いています。※


元職場の先輩M氏(略してMSSM氏)の半身に等しいバイクが盗難にあいました。

カラーが特徴的なバイクです。

情報をお願いします。

*******************

情報がありましたら、ご連絡いただければ幸いです。

旭川 く
27‐◎◎

カワサキ GPZ900R
ニンジャ

メタリックグリーン/白 のツートンカラー
シートが青
ホイール白

10月27日頃
北海道旭川近郊にて盗難にあいました。

前オーナーがオリジナルで塗った色なので、
他には無い、とても目立つ色で塗ってあります。

この場をお借りして、お願い申しあげます。
よろしくお願いします。

**********************
関連情報URL : https://minkara.carview.co.jp/userid/444217/blog/28263705/
Posted at 2012/11/09 00:54:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | その他
2012年11月08日 イイね!

酒と落語、の今日

酒と落語、の今日先日住んでる街で落語会があったのですがね、
私 そこそこ古典落語が好きなんです。
おゥ すンなら今から『芝浜』を演ってくんねェ!
と言われたらすいませんとすぐ謝る程度の横好きなのですが、
それでも聞いているうちに何やらもやもやしてきまして、帰宅後、Wordにぱちぱちと打ち込んだる素人落語。 
まぁここにアゲて誰も迷惑はかからないでしょうから、モヤを晴らすために貼ってしまいますが、長いので興味のない方は窓をお閉じください。   では… 

(出囃子)



え、
こんな時分にお運びいただき 有難うございます。
折角いらした皆様に 毎度つまらないお話で  と進めるのも如何とは思いますが、
落語たぁ元来 ごくささやかな、ごく つまらないものでして、
ま それをわざわざ聞こうてぇ皆様も、 随分 物好きなことかとは、  いや これ以上は申しませんで。

さてこの落語と申しますものは、江戸時代に大成したものと聞いておりますが、
昔よりの日本のお話と言いますと、お伽話、というものもございます。
皆様も子供時分に聞き覚えがございましょうが、大人になって、改めて聞きますと、
どうも理屈が合わない。 子供騙しである。
と言いだす捻くれ者が世の中には居るものです。

例えば、浦島太郎。
折角 身銭を切って亀を助けたのに、爺さんにされる。  あんまりだ。
などと文句をつける。
しかし世の中にはさらに捻くれ者がおりまして、いやあれは実は、女遊びの話なンだと。
まず亀というのは、吉原の禿(かむろ ※見習い)である。
お遣いの禿に声をかけた田舎者が、店で花魁(おいらん)の乙姫太夫を揚げて、 散々っぱら遊んだ挙句のその翌朝、
番頭にそっと玉手箱で 出された勘定書きが数百両。
それで途端に頭が真ッ白になっちまった。  これ即ち浦島太郎という話のまことである。

また 竹取物語という話で、幼女が竹の中から生まれる。実に非科学的である。と言う輩もある。
と すかさず、 いやいや昔の家道具というのは竹で造られる物が多かった。箸だのだの傘だの篩(ふるい)だの。
タンスなどという物。あれも一昔前は桐の箪笥で嫁入り道具、と申したが、漢字で書くと竹かんむりで、つまり昔の家財は竹による物が多かった。ゆえに家具屋姫、これが竹から生まれるのは道理である。
などと講釈を垂れる御仁も御座いますわけでして。

さて 人ではないものから生まれた者が活躍する、という話で最も有名なのは桃太郎、でありましょう。
今に伝わっている話では、桃から生まれた ということになっておりますが、
勿論、桃の中に人が生まれる訳はございません。
昔々 あるところに住んでおりました、爺さんと婆さん。
長く子を望んでおりましたが、授かりませんでして。しかし。 これが五十路を過ぎて、子をなした。
これが若い夫婦ならば、めでためでたと鎮守に詣で、隣近所に酒肴を振舞うところでしょうが、そこはそれ。二人とも、老いてからの子がどうも 嬉しさを超えて、  恥ずかしい。
そこで、
川で洗濯をしていたらば桃がどんぶらこ、どんぶらこ。中を開けたら、男の子。
という話を作り上げます。
当然、村の連中は皆そんなことが方便なのは先刻承知な訳でして、可哀想なのは、
お前は桃から生まれた。
お前は桃から生まれたんだよ。
と信じ込まされた 当の息子で御座います。
幸い息子は元気に育ちまして、しかし、歳を取ってからの子供に、親は甘うございます。桃太郎と名づけられた子は、畑仕事も手伝わず、読み書きも習わず、遊び呆けて大きくなってまいりました。流石に親も、 これぁいかん。 と思いまして、ようよう 太郎を世間の風に当てようと思い始める次第で。

太郎。(手を叩く)太郎。」
あい、 おとっつぁん。  …おはよう。
「こんな日が昇って、お早うも無えもんだ。 ぁ、 そこン座ンな。

 おめえ、今年で幾つんなった。 」
… あぇ、  ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、いつ、むぅ、なな、やぁ、ここのつ、とぉ、…
… 
(握った手を見て 顔を上げる) …… とぉより多くだ。
「おめえはもう今年で十五だ。侍で言えば元服の歳だ。なのにお前ときたら… 昨日は日が暮れるまで、何をしていた?」
… ぇ、昨日はね、おとっつぁん、猪と相撲をとったよ。どたあん、ばたあんて。兎ともとったよ。
(天を仰ぎ、長考)(やがて顔を上げ、煙管に煙草を詰め、火を着ける)
「太郎。 歳で言えば、お前ももう一人前だ。本来なら畑を継がせるか、とっくに奉公に出したところだ。
(煙管を一口)けんど、お前はいい歳をして、日がな一日裏山で、獣と楽しく相撲三昧か…
(大きく一服、煙を吐く) おめえ…
(囲炉裏端に雁首をカンと叩く)鬼ぃ、退治してこい。」
… …お に?
「ああ、鬼だ。お前、鬼、ってな、わかっつるな?」
… お、おに、だ。わかる。
「おめえ、これから、鬼んとこ、行っつ来。わかるな? 」
… わ、わかる。 う、うれしいな。
「何? 」
… お、おらぁ、いままで、も、桃からうまれたって、だからひとりだって、お、おもてた。
だけど、いただなぁ。

「居た? 何が。」
… お、おにぃ が。 に、にいちゃんとこ、いくのか。
「馬鹿。そうじゃねえ、鬼だ。角がへえてて、牙がへえてて、虎のふんどししちょる鬼だ!」
… はあ。 で、でも、何でおらぁが、お、鬼のとこ、行くだ?
「・・・鬼は、わりいからじゃ。 」
… わ、わりい? …な、何が、わりいんじゃ? …そ、そもそもぉ、おらぁ、鬼、み、見たこたぁ、ねえ。
「・・・鬼ぁ、身ぃ、隠せるんじゃ!」
… で、み、見えん鬼が、な、何のわるさぁ、す、するんじゃ?
「・・・・・
 太郎。今年の正月、おめえに、凧ォ買うちゃろうが。」
… あ、凧ォ。こ、こうてもろた!こうてもろた!
… で、でも、すぐに 糸ォ切れて、…と、飛んでいきよった。

「あれぁ、鬼ン仕業じゃ。」
… あ、あれがか!!!
「鬼が悪さしようて、おめえん凧、飛ばしよったんじゃ。」
… お、鬼、 わ、わりいやっちゃなぁ。
「あとな、つい前、婆さんが、うちの糠味噌、悪うなった言うとったじゃろう。
あれも鬼じゃ。
鬼がみんなんおらんうちに、わりいもん、混ぜよったんじゃ。」
… あ、あれも、お、鬼か!  … お、お、鬼、 わ、わ、悪いやっちゃなぁ。
「な、わかったじゃろう。じゃからお前は、鬼退治に行くんじゃ。
(羽織を出し)さ、田舎芝居の古着じゃが、羽織じゃ、羽織じゃ。
着て行ったらええ。
(無理矢理着せる)
(袋を出し)さ、婆さんのこしらえた、黍団子じゃ。持っとけ、持ってとけ。 (無理矢理、腰にゆわえる)
(刀を出し)わしの若い頃、合戦場で拾うた刀じゃ。
見目は汚えが、差しちょけ、差しちょけ。(無理矢理)
(のぼりを出し)そして、「日本一」の幟じゃ。
これを差せば、強そうに見えること、間違いなしじゃ! (無理矢理)」
… こ、これ…差すと、こ、腰が、ま、曲がらんが…
「(と言うの声を聞かず)やあ、立派な侍装束じゃ!
しかし太郎、お前は喋りが…ちと不自由じゃ。
だから、これだけ言っときぁあいい、という言葉を教えるで。
まず、人に名前を聞かれたら、『桃から生まれた桃太郎!』」
『ももからうまれた ももたろう!』
「どこに行くかを聞かれたら、『鬼が島に鬼退治!』」
『おにがしまに おにたいじ!』
「『お腰につけとる そりゃ何じゃ?』と聞かれたら、『日本一のきび団子!』」
『にっぽんいちの きびだんご!』
「それで、腹の減ったもんは『ひとつください、おともします』と言うじゃろう。さ、これで一安心じゃ。」
… お、お父つぁん、 で、お、鬼が島?は、ど、どこに…
「さあ行ってくるだ!行ってくるだ!行ってしまえ! 行け!」(戸を閉める)・・・
(また開けて)戻ってくるな!」(ぴしゃりと閉める)

こうして桃太郎は親元を追ン出され、旅立つこととなりました。まずは近くの村に着くわけですが…

おい、源兵衛、源兵衛。あれぁ見ろよ、桃太郎じゃねぇか。
まあ 酷い格好だね。 皺っくちゃの羽織に袴、腰にはおっきな袋と、何だか汚い棒っきれ差して、…おいおい、背中に旗まで背負ってるよ。
何か書いてあるぜ… に ほん いち 日本一 ?  ありゃ日本一のばかだね。おぅーい!
あ、来た来た。笑ってらあ。ほんとの馬鹿だよ。おい、いってえ 何がどうしたんだ?
ええ、まず聞かれたらこう言うんだっけ。
『ももからうまれた ももたろう!』

ぅわ。なんでえ急に。んなこつは皆知ってらあ。川からどんぶらこ、どんぶらこ、流れてきたンだろう?おめえもおめえなら、お前の親父も大概でえ。
で、そんななりで、どこに行くンだい?
『おにがしまに おにたいじ!』
…おい 聞いたか、鬼退治だってよ。こらぁ只事じゃねえぜ。
可哀想に、太郎も馬鹿だが、爺さんも婆さんも、とうとうぼけちまったか。
太郎よ、鬼退治ッたって、その、鬼とやらに何か、悪さでもされたんか?
ぇぇ… た、た、たこをきられた。
た、蛸ォ?
で、でぇ… ぬかみそぉぃ、まぜられた。
おいおい、蛸を切るだの、味噌を混ぜるだの、鬼が一膳飯屋(いちぜんめしや)だね どうも。
これぁ 爺さんも婆さんも、無駄飯喰れえの厄介者に愛想ォ尽かして、追ン出したに違えねえよ。
『に、にっぽんいちの きびだんご!』
ウ、なんでぇ急に!
シッ、シッ、止しつくれ、そんな不味そうな団子、こっちから願い下げでぇ!
鬼が島でもどこでも、行っつ来らぁいいや!

まあそんな調子で桃太郎は這う這うの体で生まれた村を後にいたします。
村の先に待ちうけまするのは、夜目にも黒々とした山道。まァ、山育ちの桃太郎にとっては雑作のない道行で御座いますが、
(藪を掻き分けながら)「… ああ、畜生、さ、さんざに言われっちったなあ。
お父つぁんにおすわったとおりに、やったつもり、なんだがなぁ。
お、俺ぁやっぱり、人とさべるのは、苦手だなあ…  おぅ!
…犬っころでねえか。ど、どうした、こんなとこで。
…腹ァ、減ってんのか? ほれ、おっ母が作ったきび団子だ。
さっき、源兵衛さんと太助さんにはさんざ言われちまったけんどな…  
…おお、食うちょる、食うちょる…おめえらはええよな、ええだのわりいだの、馬鹿だの言わんで…
どうじゃ、おらと一緒に来るか?
わっ。
いつの間に、こっちには、猿じゃ。  …
(犬を見て)…ほ、吠えねえ、なあ。
…犬と猿、っうのは仲のわりいもんでなかったのか?
… まあええ、お、おめえもひもじいんじゃろう、
(団子を出す)…く、食うか。
ほ、食た食た、上手に食いよる。も一つどうじゃ。 
…?  あ、 …犬がおらん。 どこ行きよったんじゃ…

(吠え声)  わっ。 おめえ!… …なにを咥えて…? 
わっ、鳥じゃ!でけえ鳥じゃ!これぁ 雉じゃ! だ、団子の礼か… 律義な犬じゃのう…  
あ、この雉、まだ生うとる。い、犬よ、放せ放せ。…ほれ、お前も食うか…?  
ああ、食いよる、食いよる。
 (バサバサバサ)ぅあっ!これ、お前はまだ傷が治りよらん!
こ、この紐で… い、今はつながれちょれ!


 とまあ山歩きの中で旅のお供を従えた桃太郎。ようよう山を下り、城下の町にたどり着きましたが まあその風体たるや、右には犬を従えて、左の伴に猿がつき、片手に握った紐の先には雉がばっさばっさと飛んでおりまして、さらには当の桃太郎の この様相たるや、十年来の山育ちでなりだけは人一倍にでかくなった上に、垢にまみれた羽織袴で、腰にはぶらぶらずだ袋、その一方には太刀をはき、背中に差したるのぼりには、墨黒々と日本一。これが道ゆく者の耳目を集めない訳は御座いませんで。

お?なんですかあの変ちくりんな若者は。あれですか前の宿場でも話の一等に上っておりましたが突然山から降りて街道を黙々と歩いておるらしいのですよ。そのくせ宿に泊る気配はありませんで。しかしつぎの朝にはまたいつの間にやら道行が伴になっているそうで。あの幟には日本一とありますが、どうですかあんななりと見て、まことは剣豪宮本武蔵の再来では。いやいや街道筋の茶店では、いきなり「日本一のきび団子」と叫んで、店の主人が腰を抜かしたそうですよ。では衆目を集めんがための物売りでござろう。しかしあの者が商いをするを見た者がござらんのです。

わずか数日のうちに流言は燎原の火の如く城中にも広まりました。斯くして風体怪しき桃太郎は奉行所で、その身を詮議されることと相成る次第でございます。

「そのほう、面(おもて)を上げい。 」
…?
「(頭を上げるのじゃ) 」
!へへっ!

《困ったな、困ったな、お父つぁんにおすわったことばはちょっとしかないのに、
 こんなにお侍にかこまれて、困ったな、困ったな》

「その方。桃太郎と申せしが、我が殿の許し無く城下で荷売りせしを咎める。
 委細相違ないか。」
 
《困っちゃったな、困っちゃったな、なに言えばいいのかな》

「ふむ。どうも貴様の様子、気になる。要は何を商い、何を持ち居っておる。答えよ!」
… え、えー -、も、『ももからうまれた』『もも』『だんご!』
 
《あぁぁぁ、しくじっちゃった、しくじっちゃった、まぜっちゃった、まぜっちゃった、》

「ほう。桃団子とやら、美味にも覚ゆるが、やはりそちは、団子の振り売りであるか?」

《困っちゃったな、困っちゃったな、ももだんごなんてないのに、えーと、えーと、》
 
… え、えー -、『にっぽんいちの』「もも』『だんご!』
 
《ええ、また やっちゃった、やっちゃった、》

「ほほう、そこまで そなたが言う桃団子、ぜひ食してみたいのう。で、団子はいずこに?」

《うー、うー、?》
『…お、おにがしま…?』
 
「馬鹿を申すでない。そちの腰に下げている袋、その中にあるのであろう! さ、速やかに腰元の袋を…
 ! …その方、腰に何か、下げておるな。それは、なんじゃ。 」
… え、えー -、『おこしにつけてる そりゃ何じゃ?』
「こちらが訊いておるのだ。    者共。桃太郎の腰元にある、その、刀を召し上げい。」
・・・・・
(奉行、刀を検分する)
・・・・・
「桃太郎とやら。 
 鞘は古びておるが、この奉行の目は欺けぬぞ。
 是は名刀、しかもそれがしの目が確かならば、  権現様の治世に遡るまでの由緒正しき業物じゃ。
 かような刀を持っておる汝が、ただの団子売りとはとても思えぬ。
 いや誠由緒正しき武家の縁のはず。
 答えよ!貴方なにゆえ、侍でありながら振り売りに身を偽っておる!? 」  

《えぇ、お父つぁんが拾った刀が、選りにも選ってそんなごてえそうなものなんて、
 いってえどう答えりゃいんだぃ、おすわッた言葉、教わッた言葉… 》
 
… 「『おにたいじ、おにたいじ!!!』
「はて、鬼、退治、とな… 。
 言っておることは訳がわからぬが、やはり 気に、なるのう…。
 賤しき輩にまで身をやつすからには、  それ相応のことわりがあろうというもの…
! はて、退治!? さては!貴殿、敵討のさなかであろうか!」

《か  た  き  う  ち  !!!???》
 
「成程、敵討で身を隠す最中ならば、不審な身なりの訳も知れよう、
 や、それがし、武士の鑑と知れたからには、 はからいを妨げるつもりは毛頭ござらん。
 しかし、なにゆえ貴殿は、敵討を!?」

 《うぇ、うぇ、おにたいじ、の、わけは…》

「  『…たこの、いと ぉ、きられてぇ、…』
「なに!従兄(いとこ)を斬られた。それはまかりならん。 成程、一族の恥を漱ぐは武士の道理である。
 然して、その後は如何に!? 」
「 『…ぬかみそもぉ、だめに、なてぇ …』
「なんと!内儀(かみ)様も駄目になったと。
 それで貴殿は今、仇討のため、かように珍奇ななりをして、 耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、諸国を廻っておるのだな。
(膝を叩く)
 それがし、まっこと、感服いたした!  この世に未だ、かような侍の本分に準じた輩があろうとは。
 それがし、すぐにでも我が殿にご注進の上、貴殿を我が藩に、迎える所存にござるぞ。
 我が殿は義心に篤きかた故、仇をば晴らした暁には、ただちに貴殿を相応の職に置かれるであろう。
 どうじゃ?
 ぬし、扱いに、不足あるか?」
… ぇえ、 …『ひとつください、おともします。』
「うむ。いや、一つとは言わぬ、五人扶持、いや十人扶持まで出すぞ。
而して改めて問うに、貴殿はどこの生まれで? 何者なのじゃ? 」
「… ぇ、ぇええ、ぇぇえええー、
  『も、ももからうまれたぁー、』 
      もの、もの… えぇ、 くだものでござる!


「何? くだもの?
   …うむ、道理で、きになると思った。」            


桃太郎で御座います。(出囃子)
Posted at 2012/11/09 00:44:58 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

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「自転車に乗りたいけれどパンク修理キットが見つからない!」
何シテル?   05/26 17:38
25を過ぎて自転車に目覚め、 「分解しなくても自転車乗せられる車が欲しい~!」 ということでX-TRAILに辿り着いたのが7年前。 時にはカーゴ、時に...
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日産 エクストレイル 日産 エクストレイル
ガシガシ汚せるSUV! という触れ込みに乗せられて購入。 今や汚部屋ならぬ汚車となってし ...

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